2012年4月16日月曜日

TOSHIBA THNSNS120GBSP

前作HG3から実に1年以上も経過してしまいましたが、東芝ブランドの最新SSDが発売になりました。早速、120GB版の「THNSNS120GBSP」を購入してきたので簡単に紹介したいと思います。

まず、本製品に採用されているコントローラ「TC58NC5HJ8GSB-01」は、ネットでも話題になっているように自社製コントローラではありません。Sandforce社のSF-2281/2282をベースとしたカスタムコントローラが採用されています。なにをどのようにカスタムしたかの詳細は不明ですが、普通に考えるとメインの機能などはそのままで、NANDメモリの取り扱い部分が変更されている可能性が高いと思います。つまり、東芝製Toggle DDR NANDメモリに最適化したと考えるのが自然でしょう。

余談ですが、本製品は、HG3の事実上の後継製品となるようで2.5インチ版だけでなく、mSATA版なども展開されるようです。このため、近い将来、本製品のmSATA版を搭載したノートPCなども登場すると思われます。

次に各種ベンチマーク結果を紹介します。今回は、ベースコントローラが同じIntel SSD 520とOCZ Technology Vertex3との比較で紹介します。THNSNS120GBSPとIntel SSD 520/Vertex3の違いは、NANDメモリとファームウェアです。THNSNS120GBSPは、いうまでもなく東芝製Toggle DDR NANDメモリを採用(24nmプロセス製造品)し、東芝の手が入ったカスタムファームを採用しています。Intel SSD 520/Vertex3は、いずれもIMFTの製造した25nmプロセスのNANDメモリをONFiの同期モードで使用しています。ファームウェアもIntel SSD 520は、Intelの手が入ったカスタムで、Vertex3が、もっとも独自部分が少ないファームウェアと推測されます。

定番のCrystal Disk Marの結果は、以下の通りです。 THNSNS120GBSPは、これまでのSF-2281搭載した製品は何だったのというぐらいシーケンシャルライト速度が強烈に速く、120GBモデルですら390MB/sec強の速度がでます。この速度は、Intel SSD 520やVertex3との比較で約2倍も速く、350MB/sec前後のPlextor M3PシリーズやSAMSUNG 830よりもシーケンシャルライト速度は高速です。また、Sandforce製コントローラらしく、圧縮が効く0Fillでは、さらに速度が速くなります。ただし、Intel SSD 520と同様でシーケンシャルリードに関しては、若干、Vertex3の方が速いようです。

実環境をエミュレートするPC Mark Vantage HDD Test Suiteの結果もSandforce製コントローラでは、最高の83000オーバーのスコアを実現。このスコアは、Marvell製コントローラを搭載したPlexter M3Pシリーズと同等です。


最後にIOMeterを利用し、4KBランダムライトを30秒間ワンセットで60分間行った場合の速度推移や平均レスポンスタイム、最大レスポンスタイムの推移をグラフ化したものを掲載しておきます。この結果ですが、ベースが同じコントローラとは思えないほどの違いがでました。

特に着目して欲しいのが、平均レスポンスタイムの推移です。Intel SSD 520/Vertex3は、同じNANDメモリを採用しているためか、多少の違いはあるものの同じような傾向を示しています。しかし、THNSNS120GBSPは、それとは全く異なり、常に地をはうようなレスポンスタイムの低さで推移し、途中からレスポンスタイムが大きく増加するというような傾向もでていません。このレスポンスタイムの低さは、現役屈指かもしれません。


また、最大レスポンスタイムも最大値こそIntel SSD 520/Vertex3を大きく超える140ms弱を記録していますが、それを除けば、全体的にIntel SSD 520/Vertex3よりも低く抑えられています。Sandforce製コントローラは、比較的最大レスポンスタイムも低めなのですが、この全体的な低さも現状のトップクラスといえます。


速度推移グラフも、Intel SSD 520/Vertex3が常に安定しているのに対し、THNSNS120GBSPは、速度が低下するまで上下を繰り返すなど多少傾向が異なります。また、東芝製Toggle DDRの方が基本的に高速なのかはわかりませんが、速度低下後も常にIntel SSD 520/Vertex3よりも速めの速度で推移しています。


以上のことからもわかるように、THNSNS120GBSPは、こと速度面に関しては、現在発売中のSandoforce製コントローラ採用SSDの中でもっとも高速な製品です。この差が、NANDメモリの性能差なのか、ファームウェアの差によるものか、その両方なのかはわかりませんが、うまくチューニングされているとことは間違いありません。あとは、致命的なバグなければ良いのですが。そこは、東芝様です。開発体制が大きい(僕の知る限り、SSDの開発体制の大きさではトップクラス。現在大人気の某社の3倍から4倍の人がいます)ので、致命的なバグは潰していることに期待したいと思います。

なお、現在人気のPlextor M3PシリーズとTHNSNS120GBSPの比較ですが、個人的には初期性能はほぼ同レベルだと思っています。あとは、ネットでも言われている速度の落ちにくさですが、Plextor M3Pシリーズは、かなり頻繁にGCを行うことで速度低下を防いでいるようなので、そのあたりでどのぐらい差がでるかだと思います。唯一難点を挙げるとすると、THNSNS120GBSPは発熱が大きいことです。これは、東芝の筐体が薄めのアルミということも関係していると思いますが、ちょっと連続で書き込みを行うとそれなりに発熱します。温度的には、SAMSUNG 830ぐらいは出ていると思います。ノートパソコンでの使用を考えている方は、そのあたりも気を付けた方がよいかもしれません。

2012.4.24追記
THNSNS120GBSPの書き込み速度の低下についての記事を追加しました。

8 件のコメント:

  1. 懸念材料としては、ファームウェアのアップデートが挙げられると思うのですが
    その辺はどうなるんでしょうね。機能改善や性能向上に期待してしまうところですが
    この手のデバイスは放置される傾向にあるのでいまいち買う気が・・・。

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  2. あくまで個人的な考えですが、致命的なバグがあった場合は別として、性能向上や機能改善対応ファームウェアについては、東芝ですから余程のことがない限り提供されることはないと思います。逆にファームウェアをアップデートを行うということは、それだけ致命的なバグがあったということなのだと思います。

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  3. いくつか質問させてください。
    1) 通常、平均レスポンスタイムと転送速度は逆数の関係になると思うので、それぞれのグラフは上下反転した形になるはずですが、THNSNS120GBSPだけそうなっていないのは何故でしょう?
    2) 加えて、THNSNS120GBSPの平均レスポンスタイムから計算すると転送速度はもっと速いことになるのでは?
    3) 初期に転送速度が上下するのに対し、平均および最大レスポンスタイムはフラットなのはどう解釈したらよいのでしょうか?
    よろしくお願いします。

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  4. cuttingegde様

    IOMeterのレスポンスタイムに関しては、実は、僕も理解不能なところが多々でております。特にご指摘の(2)と(3)に関してはどう解釈して良いのかわからない部分です。
    まず、(1)のご指摘ですが、これは、THNSNS120GBSPの数値が異常に低いためグラフの形状がわからなくなっているだけです。グラフのスケールを変更するとIntel SSD 520と同じような形状のグラフとなります。
    (2)に関しては、レスポンスタイムがI/O処理にかかった時間だと仮定するともっと早くなるのが普通だと思いますがなぜかIOMeterではそうなりません。ここは、僕も理解できない部分です。
    (3)に関しても同様です。レスポンスタイムがI/O処理にかかった時間だと仮定すると理解できない部分です。
    お答えになってなくて申し訳ございません。この件に関しては、僕のほうでももう少し調査したいと思います。納得が得られる答えが見つかったときは、別途報告したいと思います。

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  5. ご回答ありがとうございます。
    1)はスケールの違いでそう見えるということで了解いたしました。
    2)、3)については、IOMeter側の問題の可能性も絡んで謎ですね。以前、OCZのどの製品か忘れてしまいましたが、FirmwareのBug fixで「IOMeterの測定がおかしくなる」というのがあったように記憶しています。その辺と何か関連があるのかも。
    何か判明したらまた教えて下さい。

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  6. いつも拝見させていただいております。

    この東芝製SSDについて質問させていただきます。
    わたくしも先日、CFD製ではありますが同様のSSDを購入しました。
    早速、性能を期待しながらCrystal Disk Markにてベンチ測定をおこなったところ、最初の数回は公表値以上の値が出ました。
    しかし、その後ランダム測定にてwriteがSeq及び512kが公表値の半分程度(240Mb/s)しか出なくなりました。
    これは、他のPCにて測定を行いましたが同様でした。
    このSSDのコントローラはSFのカスタマイズ品らしいですが他のSFも測定値がすぐに減少するような傾向なのでしょうか。
    何か情報をお持ちでしたらご教授下さい。

    ※現在、この件に関しては購入店に問い合わせ中です。

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    1. 返信が遅くなって申し訳ございません。
      速度が遅くなるということなので、僕の方でも再度検証してみました。その結果を別途、記事にしてあげておきますので、参考にしていただければと思います。

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  7. 早速の検証ありがとうございました。

    やはり速度低下にはSFコントローラの仕様要因があったのですね。
    結局のところ仕様となれば諦めるしかありません。
    ファームによってこの件が改善されれば最速のSSDになれるはずですが、現状では残念です。

    また新しい情報やレビュー期待しております。

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