新フォームファクタ「M.2」、「mSATA」との違いとは
PCの世界で言うフォームファクターとは、基盤のサイズやソケットの形状などの物理的寸法などを定めたものです。現在のノートパソコンでは、拡張スロットとして「miniPCI Express(miniPCIe)」を備え、ストレージ用にminiPCIeと同一形状のmSATAと呼ばれるスロットが搭載されていることが一般的です。
ノートパソコンでは、現状miniPCIeやmSATAが主流ですが、今後は、「M.2」と呼ばれる形状(フォームファクター)に移行すると予想されています。今回は、今後普及が進むと予想されるM.2について説明したいと思います。
M.2は、当初、「NGFF(Next Generation Form Factor)」と呼ばれていたフォームファクターです。miniPCIeよりも小型でさまざまな基盤サイズが規定されています。多くのインターフェースをサポートしている点も特徴です。M.2では、PCI Express、SATA、USB2.0/3.0、Display Port、SDIO、UARTなどをサポートしています。miniPCIeでもPCI ExpressやSATA、USBなどさまざまなインターフェースがサポートされていましたが、M.2でも同じように広範なインターフェースをサポートしています。また、M.2やminiPCIeでは、複数のインターフェースをカードスロットに結線しておき、セットしたカードによって接続インターフェースを自動選択する機能も搭載されています。
たとえば、現在主流のminiPCIeには、PCI ExpressとmSATAのコンボスロットとよばれるカードスロットがあります。コンボスロットは、PCI Express接続の機器とSATA接続の機器の両方の接続をサポートし、mSATA機器を接続すると自動的にSATAで接続され、PCI Express接続のWi-Fiカードなどを接続すると自動的にPCI Expressで接続されます。装着できるカードは1枚だけですが、1つのカードスロットで複数のインターフェースをサポートしています。
M.2も同様ですが、カードの寸法の自由度が高いため、miniPCIeよりもさらに複雑です。M.2には、12mm~30mmまでの4種類の基盤の幅、16mm~110mmの8種類の基盤の長さ、シングルサイド3種類/デュアルサイド4種類の計7種類の基盤の厚み、A~Mまでのコネクタ形状があります。M.2は、これらの組み合わせで設計できるため、実際のカード(モジュール)の形状は、非常に多岐に渡ります。
M.2において重要なのが、「Key ID」とも呼ばれる接続コネクタ形状とアサインされているピン数です。Key IDは、リザーブされているをものを除くと、大きくKey A、B、E、Mの4種類が使われており、その用途は、以下のように区別されています。
M.2では、カードスロットのKey IDは1種類のみ。そこに接続するカード(モジュール)は、1つのKey IDのシングルスロットモジュールまたは2つのKey IDのデュアルスロットモジュールで設計できるようです。シングルスロットモジュールの場合、Key IDが一致するカードスロット以外には機器を接続することができないようなので注意が必要です。たとえば、Key Bのカードスロットに、Key Mのシングルスロットモジュールのカードは刺さりませんし、その逆も行えないようです。
ASUSのマザーボード「MAXIMUS VI」シリーズは、M.2のカードスロットを備えていますが、このカードスロットは、Key Bのようです。また、前回の記事で紹介したSAMSUNG社のPCIe SSDは、シングルスロットモジュールのKey Mで設計されています。このため、「MAXIMUS VI」シリーズのM.2のカードスロットは、SAMSUNG社のPCIe SSDが刺さらないという現象が発生しています。
ストレージを使用する上で覚えておきたいM.2のKey IDは、PCIeとSATAの両方をサポートしているKey BとKey Mです。両者の最大の違いは、サポートするPCIeの速度です。Key Bは、PCIe x2。Key Mは、PCIe x4をサポートしています。Macbook Airに搭載されているPCIe SSDのようにPCIe x2接続の製品もあるので絶対とは言いませんが、今後登場が予想されるPCIe SSDは、PCIe x4の製品が主流になると推測されます。このため、必然的にPCIe SSDでは、Key Mの製品が一般的になるのではないでしょうか。
また、SATA接続のSSDの場合は、Key BとKey Mのどちらでも設計できます。このときに重要になるのが、カードがデュアルスロットモジュールとして設計されているかどうかです。M.2のSATA接続のSSDが、Key BおよびKey MのデュアルスロットモジュールならKey B/Mのどちらのスロットにも接続できますが、シングルスロットモジュールの場合は、どちらか一方にしか接続できないので注意が必要です。
最後にM.2のカード形状の読み方を説明したいと思います。M.2では、カードの形状を「Type 2280-D2-B-M」のように記述します。この場合、最初の「22」がカードの幅(22mm)、「80」がカードの長さ(80mm)、「D2」がカードの厚み、末尾の「B」と「M」はKey IDを指しています。このカードの場合は、「B」と「M」の2つのKey IDがあるので、デュアルスロットモジュールということなります。
ノートパソコンでは、現状miniPCIeやmSATAが主流ですが、今後は、「M.2」と呼ばれる形状(フォームファクター)に移行すると予想されています。今回は、今後普及が進むと予想されるM.2について説明したいと思います。
M.2は、当初、「NGFF(Next Generation Form Factor)」と呼ばれていたフォームファクターです。miniPCIeよりも小型でさまざまな基盤サイズが規定されています。多くのインターフェースをサポートしている点も特徴です。M.2では、PCI Express、SATA、USB2.0/3.0、Display Port、SDIO、UARTなどをサポートしています。miniPCIeでもPCI ExpressやSATA、USBなどさまざまなインターフェースがサポートされていましたが、M.2でも同じように広範なインターフェースをサポートしています。また、M.2やminiPCIeでは、複数のインターフェースをカードスロットに結線しておき、セットしたカードによって接続インターフェースを自動選択する機能も搭載されています。
たとえば、現在主流のminiPCIeには、PCI ExpressとmSATAのコンボスロットとよばれるカードスロットがあります。コンボスロットは、PCI Express接続の機器とSATA接続の機器の両方の接続をサポートし、mSATA機器を接続すると自動的にSATAで接続され、PCI Express接続のWi-Fiカードなどを接続すると自動的にPCI Expressで接続されます。装着できるカードは1枚だけですが、1つのカードスロットで複数のインターフェースをサポートしています。
M.2も同様ですが、カードの寸法の自由度が高いため、miniPCIeよりもさらに複雑です。M.2には、12mm~30mmまでの4種類の基盤の幅、16mm~110mmの8種類の基盤の長さ、シングルサイド3種類/デュアルサイド4種類の計7種類の基盤の厚み、A~Mまでのコネクタ形状があります。M.2は、これらの組み合わせで設計できるため、実際のカード(モジュール)の形状は、非常に多岐に渡ります。
M.2において重要なのが、「Key ID」とも呼ばれる接続コネクタ形状とアサインされているピン数です。Key IDは、リザーブされているをものを除くと、大きくKey A、B、E、Mの4種類が使われており、その用途は、以下のように区別されています。
Key ID | インターフェース |
---|---|
A | PCIe x2/USB/I2C/DP X4 |
B | PCIe x2/SATA/USB/PCM/UIM/SSIC/UART |
E | PCIe x2/USB/I2C/SDIO/UART/PCM |
M | PCIe x4/SATA |
M.2では、カードスロットのKey IDは1種類のみ。そこに接続するカード(モジュール)は、1つのKey IDのシングルスロットモジュールまたは2つのKey IDのデュアルスロットモジュールで設計できるようです。シングルスロットモジュールの場合、Key IDが一致するカードスロット以外には機器を接続することができないようなので注意が必要です。たとえば、Key Bのカードスロットに、Key Mのシングルスロットモジュールのカードは刺さりませんし、その逆も行えないようです。
ASUSのマザーボード「MAXIMUS VI」シリーズは、M.2のカードスロットを備えていますが、このカードスロットは、Key Bのようです。また、前回の記事で紹介したSAMSUNG社のPCIe SSDは、シングルスロットモジュールのKey Mで設計されています。このため、「MAXIMUS VI」シリーズのM.2のカードスロットは、SAMSUNG社のPCIe SSDが刺さらないという現象が発生しています。
ストレージを使用する上で覚えておきたいM.2のKey IDは、PCIeとSATAの両方をサポートしているKey BとKey Mです。両者の最大の違いは、サポートするPCIeの速度です。Key Bは、PCIe x2。Key Mは、PCIe x4をサポートしています。Macbook Airに搭載されているPCIe SSDのようにPCIe x2接続の製品もあるので絶対とは言いませんが、今後登場が予想されるPCIe SSDは、PCIe x4の製品が主流になると推測されます。このため、必然的にPCIe SSDでは、Key Mの製品が一般的になるのではないでしょうか。
また、SATA接続のSSDの場合は、Key BとKey Mのどちらでも設計できます。このときに重要になるのが、カードがデュアルスロットモジュールとして設計されているかどうかです。M.2のSATA接続のSSDが、Key BおよびKey MのデュアルスロットモジュールならKey B/Mのどちらのスロットにも接続できますが、シングルスロットモジュールの場合は、どちらか一方にしか接続できないので注意が必要です。
最後にM.2のカード形状の読み方を説明したいと思います。M.2では、カードの形状を「Type 2280-D2-B-M」のように記述します。この場合、最初の「22」がカードの幅(22mm)、「80」がカードの長さ(80mm)、「D2」がカードの厚み、末尾の「B」と「M」はKey IDを指しています。このカードの場合は、「B」と「M」の2つのKey IDがあるので、デュアルスロットモジュールということなります。
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