tag:blogger.com,1999:blog-83291424480710439702024-03-13T11:48:51.475+09:00忘却の彼方しがないITライターの私的メモ
私的メモと言いながら、最近は、SSDのブログ化しています。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.comBlogger73125tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-3505383355707856552014-11-14T20:54:00.001+09:002014-11-14T21:27:02.332+09:00Crucial M500/M550/MX100とSecure Erase記録したデータのセキュリティに関する要望が多いのか、データを暗号化して保存する「SED(<span class="st"><span class="st">Self Encrypting </span>Drive)」対応のSSDが増加しています。Crucial M500以降や、Intel 730シリーズなどがSEDに対応しています。SED対応のSSDは、Windows 8(Pro/Enterprise)以降で利用すると、Security feature setが「<b>Disable</b>」に設定され、Secure Eraseが行えなくなる場合があることが確認されています。今回は、SED対応SSDを利用していて、Secure Eraseが行えなくなった場合の対処方法を解説したいと思います。</span><br />
<span class="st"><br /></span>
<span class="st">現状、Windows 8以降で利用して、Secure Eraseが行えなくることが確認できているのは、「Crucial <b>M500/M550/MX100</b>」とそのOEM製品です。これらの製品をWindows 8以降で利用すると、Secure Eraseを実行するために必要な機能「</span><span class="st"><b>Security feature set</b>」の設定が、Windowsによって自動的に「<b>Disable</b>」に設定されます。</span><span class="st">Crucial M500/M550/MX100のSecurity feature setの工場出荷時の設定は、「Enable」となっていますが、これが「Disable」に設定されると、セキュリティ関係コマンドが利用できなくなり、Secure Eraseが行えなくなります。</span><br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://4.bp.blogspot.com/-95x8FDo9u9c/VGXs3pDiaoI/AAAAAAAAAhM/ei532i1xNpE/s1600/Se01.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="281" src="https://4.bp.blogspot.com/-95x8FDo9u9c/VGXs3pDiaoI/AAAAAAAAAhM/ei532i1xNpE/s400/Se01.png" width="400" /></a></div>
<br />
Windows 8(Pro/Enterprise)以降では、SED対応製品を検出すると自動的に暗号化機能を有効にする仕様となっており、このモードが有効になると、対応ドライブの<span class="st">Security feature setを「Disable(無効)」に設定する仕様となっているようです。</span><br />
<br />
<span class="st">Security feature setがDisableになった状態でも、「Secure Erase」と同等のデータ消去を行う方法はあります。それは、「BLOCK ERASE」を行うことです。BLOCK ERASEは、Secure Eraseと同じデータ消去用のコマンドで、「Sanitize feature set」に対応したSSDが対応しています。現状では、東芝やSandisk、Crucial、Intel、SAMSUNG製SSDの一部、などがこの機能に対応しています。</span><br />
<br />
<span class="st">BLOCK ERASE実行後の状態は、Secure Erase後とほぼ同じ状態になり、実行時間もSecure Erase実行時とほぼ同じです。また、</span><span class="st">BLOCK ERASEは、Secure Eraseとは異なり、「Security Frozen」状態でも実行できます。ただし、現状では、</span><span class="st">BLOCK ERASEの実行に対応したツールが入手できません。将来的には、TxBenchでサポートされる可能性はありますが、現状は、未サポートの状態です(要望中です)。</span><br />
<span class="st"><br /></span>
このため、<span class="st">Security feature setがDisableになっているCrucial M500/M550/MX100の速度を工場出荷時に戻すには、Secure Erasega行える状態に戻す</span>(<span class="st">Security feature setを「Enable」に戻す)</span>しか現状では手がありません。<span class="st">これを行うには、「PSID(Physical Security IDentification) Revert」を行えば良いようです。</span>M500/M550/MX100でPSID Revertを行うためのPSID Revertツールは、<a href="http://forum.crucial.com/t5/Crucial-SSDs/PSID-Revert-tool-alpha-release/td-p/148982" target="_blank">ここ</a>から入手できます。<br />
<br />
実際の実行の仕方は、最初に「msed --scan」と入力して、PSID Revertを行いたいドライブを確認し、その後、 以下のように入力してPSID Revertを実行します。<span style="background-color: white;">PSID Revert実行時のコマンドラインオプションが異常に長い点に注意してください。また、<u><i><b>XXXXXXXXX </b></i></u>の部分にはSSDのラベルに記載されている「PSID」をハイフンをとった状態で入力してください。</span><br />
<span style="background-color: white;"><br /></span>
<span style="background-color: #ead1dc;">#msed --scan<br /><br />Scanning for Opal 2.0 compliant disks<br />\\.\PhysicalDrive0 No LITEONIT S100-128 VA85<br />\\.\PhysicalDrive1 Yes Crucial_CT256M550SSD1 MU01<br />No more disks present ending scan</span><br />
<span style="background-color: #ead1dc;"><br /></span>
<span style="background-color: #ead1dc;">#msed --yesIreallywanttoERASE*ALL*mydatausingthePSID <u><i><b>XXXXXXXXX</b></i></u> \\.\PhysicalDrive1<br />- 20:32:47.000 INFO: revertTper completed successfully</span><br />
<span style="background-color: white;"><span style="background-color: #ead1dc;"></span><br /></span>
<span style="background-color: white;">「revertTper completed successfully」と画面に表示されたら作業は完了です。これと異なるメッセージが表示されたときは、入力したPSIDが間違っていたり、入力したPSIDの前後の半角スペースが抜けている可能性があります。PSID Revertが完了すると、</span><span class="st">Security feature setが「Enable」の状態に戻り、Secure Eraseを実行できるようになります。なお、PSID Revertを行うと、記録されていたデータはすべて消去される点に注意してください。</span><br />
<br />marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-17550370242221588452014-09-24T19:00:00.000+09:002014-10-23T20:50:36.992+09:00CFD販売 CSSD-M2E256HLMEQ(PCIe SSD)CFD販売からM.2 PCIe接続のSSDの販売が始まりました。<br />
この製品の256GBモデル(CSSD-M2E256HLMEQ)を購入したので、今回のこの製品のついて簡単にレポートしたいと思います。<br />
<br />
CSSD-M2E256HLMEQは、現状では数少ないM.2のPCIe接続のSSDとして設計されている点が特徴です。サポートしている制御インターフェースは「AHCI」のみで、PCIe 2.0 x2接続。採用コントローラーは、Marvellの88SS9183。NANDメモリは、東芝の「TH58TEG8DDJBA8C」 。外部メモリは、Micron製の512MB(4Gbit)のDDR3-DRAMが搭載されていました。<br />
<br />
NANDメモリは、現在主流のA19品ではなく、その前の世代のもののようです。東芝の命名ルールで読みとくと、TH58の次の「T」がToggle DDRであることを示しており、Tの次の「E」は電圧。Eの次の「G8」が容量で256Gbit(32GB)、G8の次の「D」がMLC(TLCなら「T」となる)、Dの次の「D」がページサイズとブロックサイズ、Dの次の「J」がデザインルールで19n世代を示しています。ちなみにA19世代の場合は、ここが「K」となるようで、15nm世代になるとたぶん、ここが「L」になるのではないかと推測されます。<br />
<br />
ちなみに、本製品は、開発元が伏せられているだけでなく、<span class="st">InquriyもCFD独自型番に変更されており、現状ではどこが開発製造したものかわかりません。Marvell製コントローラーや東芝製NANDメモリの採用など、採用されている部品はPlextor M6eに酷似しており、</span><span class="st">Liteon(PLDS)のOEM向け製品と考えるのが妥当なところだとは思いますが、</span><span class="st"><span class="st">基板は明らかに別物です。</span></span><br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-KSB-VjC1Rwk/VCKOL4cLG-I/AAAAAAAAAfo/XOcyibZ4UQU/s1600/kiban01.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://2.bp.blogspot.com/-KSB-VjC1Rwk/VCKOL4cLG-I/AAAAAAAAAfo/XOcyibZ4UQU/s1600/kiban01.jpg" height="258" width="320" /></a></div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-k7ppV9J32kk/VCKOLwmzh5I/AAAAAAAAAfk/DqIc0kN5-gc/s1600/kiban02.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://1.bp.blogspot.com/-k7ppV9J32kk/VCKOLwmzh5I/AAAAAAAAAfk/DqIc0kN5-gc/s1600/kiban02.jpg" height="250" width="320" /></a></div>
<br />
<span class="st"><span class="st"><strike>また、PX-M6eには、OS起動用のOROMが搭載されていましたが、本製品は、SAMSUNG XP941同様に<b>OROM非搭載</b>の製品として設計されています。</strike>加えて、性能面でのチューニングも異なるようです。</span></span><br />
<br />
<b><span class="st"><span class="st">2014/10/23追記</span></span></b><br />
<span class="st"><span class="st">当初、本製品はOROM非搭載としていましたが、OROMが搭載されていることを確認しました。起動画面にOROMが表示されない仕様となっているため、 勘違いしてしまいました。お詫びして訂正いたします。</span></span><br />
<span class="st"><span class="st"><br /></span></span>
<span class="st"><span class="st">実際にベンチマーク結果をみる限り、ほぼ同一スペックのPlextor M6eと比較して、本製品は全般的に遅めです。Crystal Disk Markの結果では、ランダム4KBのQD1のライトは、ほぼ同程度ですが、QD32では100MB/s以上も遅く、シーケンシャルリードライトともに遅めです。なお、CFD販売のホームページでは、本製品の512GBモデルのベンチマーク結果が掲載されています。それによると、容量が増えることで、シーケンシャルライト性能が若干向上しています。</span></span><br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-e_St19EBERQ/VCKPeMCag5I/AAAAAAAAAf0/5eseIO507Ac/s1600/bench.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://3.bp.blogspot.com/-e_St19EBERQ/VCKPeMCag5I/AAAAAAAAAf0/5eseIO507Ac/s1600/bench.png" height="180" width="400" /><span id="goog_1089622559"></span><span id="goog_1089622560"></span></a></div>
<br />
TxBENCHの結果も同じような傾向がでています。128KB(QD32)のシーケンシャルリードは、差がほとんどなくなりましたが、シーケンシャルライトとランダム4KB(QD32)のライトは100MB/sほど遅いという結果です。唯一速かったのが、ランダム128KB(QD1)の読み出しのみで、これは、Crystal Disk Markのランダム512KBの傾向と同じとみてよいでしょう。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-XJS_juT8as0/VCKTl9WYRDI/AAAAAAAAAgA/RuLBpM6xI5s/s1600/cfd-tx.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://1.bp.blogspot.com/-XJS_juT8as0/VCKTl9WYRDI/AAAAAAAAAgA/RuLBpM6xI5s/s1600/cfd-tx.png" height="225" width="320" /></a></div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-3yZ_Cq_voEc/VCKTl1UbNiI/AAAAAAAAAgE/oYXT_imcxr8/s1600/m6e-tx.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-3yZ_Cq_voEc/VCKTl1UbNiI/AAAAAAAAAgE/oYXT_imcxr8/s1600/m6e-tx.png" height="225" width="320" /></a></div>
<br />
本製品は、ほぼ同スペックのPlextor PX-AG256M6e(PX-G256M6e)よりも数千円ほど安価な価格で販売されています。しかし、性能面では、PX-AG256M6eに若干劣っています。購入する場合は、このあたりの違いをしっかりと検討されることをオススメしたいと思います。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-74737811242320201722014-09-15T06:20:00.000+09:002014-09-15T06:20:43.336+09:00DEVSLP(Device Sleep)機能とは2013年以降に登場したSATA接続のSSDは、フォームファクターに関係なく、SATA Rev3.2で規定された省電力機能<b>「Device Sleep(通称、DEVSLP)」</b>に対応した製品が一般的です。この機能は、待機時のSSDの消費電力をほぼ「0W」にする機能として知られています。しかし、ネット上の書き込みだけでなく、PC誌やネットメディアのライターさんの記事をみていると、この機能について若干誤解されている方が多いように見受けられます。そこで、今回は、DEVSLPについて、少し突っ込んだ説明をしたいと思います。<br />
<br />
DEVSLPとは、前述したとおりSATAの省電力機能の1つです。SATAには、「LPM(Link Power Management)」という省電力機能も用意されており、この機能では、PHYを低消費電力状態にすることで消費電力を削減していました。DEVSLPでは、これを一歩進めPHYの電源をオフにすることで消費電力を削減しています。<br />
<br />
また、DEVSLPは、SATA LPMによる省電力状態を経て移行します。その際、SATA LPMのSlumber状態を経ることが義務付けられているようで、「Auto Partial to Slumber」という機能が新たに規定されています。PartialからSlumberへの状態移行は、通常、COMWAKEを利用して、一旦通常状態に復帰し、その後Slumberへと移行します。この機能は、おそらく、COMWAKEを利用することなく、自動的にSlumber状態へと移行する機能だと推測されます。<br />
<br />
なお、SSDの中には、DIPMのみに対応し、いきなりSlumberに入るような製品もあります。このような製品では、DEVSLPに対応していても、Auto Partial to Slumber機能に非対応となっている場合があります。また、ドライブの初期値では、DEVSLPの機能が「オフ」になっています。DEVSLPを利用するには、ATAコマンドをドライブに送ってこの機能をオンにする必要があります。DEVSLPの有効化は、通常、OS起動時に自動的に行われます。 <br />
<br />
DEVSLPで注意しなければならないのが、復帰の方法です。SATA LPMでは、PHYが省電力状態に移行しているだけなので、PHYを利用して省電力状態から復帰を行っていました。しかし、DEVSLPでは、PHYの電源がオフになっているため、SATA LPMと同じ手法で復帰することができません。そこで、DEVSLPでは、復帰を行うための別の信号線を準備しています。SSD向けのコントローラーは、リビジョンアップでこの信号線に対応した製品が多く、同じ型番のコントローラーを利用しているからといって、DEVSLPの復帰用の信号線に対応しているとは限りません。<br />
<br />
たとえば、SandforceのSF-2281は、当初DEVSLPに対応していませんでしたが、Intel SSD 530などに搭載されているSF-2281は、リビジョンアップ版となっており、DEVSLPに対応したコントローラーが採用されています。また、TOSHIBAのHG5も同様です。HG5は、DEVSLP非対応ですが、コントローラーを改良したHG5dは、DEVSLP対応品となっています。<br />
<br />
また、DEVSLPの復帰に利用される信号線は、ドライブの「<b>電源ピン</b>(P3で3.3Vの電源ピン)」に接続されています。このため、2.5インチ形状のSSDを利用する限り、自作PCでは、まずこの機能を利用することはできません。2.5インチ形状のSSDでDEVSLPが利用できるのは、メーカー製PCに限定され、通常、ノートPCのみだと思って間違いないでしょう。<br />
<br />
M.2(SATA接続)とmSATAの場合は、Intel 8シリーズチップセットを搭載したノートPCならDEVSLPを利用できると推測されます。自作用のマザーボードに搭載されたM.2スロットやmSATAスロットの場合は、DEVSLPの信号線が結線されていれば利用できると思いますが、現状、それを確かめるすべはありません。<br />
<br />
冒頭でDEVSLPを誤解していると書いたのは、上記の理由からです。2.5インチ形状のSSDでDEVSLPを利用できる環境は限定されており、そもそも自作PCでは、基本的にDEVSLPを利用することはできません。しかも、メーカー製のノートPCにおいても、DEVSLPを利用可能な環境だからといって、必ず、DEVSLPの機能が有効になっているという保証もありません。東芝製のノートPCでは、InstantGOに対応していなくても、DEVSLPが有効になっているという話は聞いたことがありますが、実のところ実物を僕は見たことがありません。 <br />
<br />
ネット上の書き込み等をみる限り、DEVSLP対応SSDであれば、待機時の消費電力が常に低くなる勘違いしている方が多くいらっしゃるようです。しかし、この機能は、意図的にオンすることによって初めて機能します。ドライブが対応しているだけでは、何の役にも立ちません。DEVSLPの機能がオンになっているかどうかは、TxBENCHで確認できます。対応SSDを利用されている方は、DEVSLPが有効になっているかどうか一度チェックされてみてはいかがでしょうか。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-728056297804672872014-06-04T21:46:00.001+09:002014-06-04T22:27:54.726+09:00Intel 9シリーズチップセットとPCIe SSDIntel 9シリーズチップセットは、M.2を標準サポートし、メーカー独自対応ながらSATA Expressにも対応した製品が多く登場しています。今回は、Intel 9シリーズチップセット搭載マザーボードにおけるPCIe SSDのサポート状況をレポートしたいと思います。テストに使ったPCIe SSDは、SAMSUNG XP941(128GB版)とPlextor PX-AG256M6eの2製品です。<br />
<br />
Intel 9シリーズチップセットを採用したマザーボードにおけるPCIe SSDのサポートは、現状、大きく2つあります。1つは、OROM非搭載のPCIe SSDを起動するためのAHCI対応のOROMをマザーボードが搭載しているケース。もう1つが、Intelが9シリーズチップセットで行ったPCIe SSD対応機能を利用する方法です。<br />
<br />
前者のOROM搭載による対応は、SAMSUNG XP941のようなOROM非搭載のPCIe SSDを従来のSATA接続のSSDやHDDと同じように利用できる点が特徴です。また、接続方法も柔軟で、マザーボード搭載のM.2スロットにPCIe SSDを接続して利用できるほか、M.2->PCIe変換ボードを利用してPCIe SSDを接続しても問題なく利用できます。もちろん、UEFIブートも利用でき、従来のBIOSブート(Legacyブート)も利用できます。<br />
<br />
ドライバーは、Windowsに標準搭載されているインボックスドライバーが利用されます。Intelチップセットを搭載しているマザーボードでもIntel製ドライバーを利用することはできません。このタイプのマザーボードとしては、ASRockのZ97 Extreme6があり、おそらく、Intel 9シリーズチップセットを搭載したASRock製マザーボードは、すべてこのサポートが有効になっていると推測されます。また、某社の雑誌でもでているように、MSI製マザーボードでもこのサポートが有効になっているようです。<br />
<br />
後者のIntelが9シリーズで行ったPCIe SSDサポート機能は、ある意味、限定的なサポートです。OS起動が行えるのは、チップセット側のPCIeに接続された「M.2スロット」のみで、UEFIブートのみのサポートです。M.2→PCIe変換ボードを使って、チップセット側のPCIeに接続されたPCIeの拡張スロットにPCIe SSDを接続しても動作しません。また、ドライバーは、Intel RST Ver13以降が必要です。Windowsの標準ドライバーやVer13以前のドライバーでは利用できません。<br />
<br />
この機能を利用するには、マザーボードのUEFIセットアップ画面を起動し、<b>SATAの動作モード</b>や<b>CSM(</b><span class="st"><b>Compatibility Supported Module)の設定</b>を変更する必要もあります。</span> Windows 8.1の場合は、<b>SATAの動作モードを「RAID」</b>に設定し、<b>CSMを「オフ」または「UEFI First」「UEFI Only」</b>などとにかく<b>UEFI優先または専用</b>に設定してしまえば、OS起動を行えました。<br />
<br />
だだし、Windows 7は、Windows 8.1用の設定ではOSをインストールできない場合があるので注意してください。たとえば、GigabyteのZ97 Gaming 7の場合は、Windows 8 Featuresの設定を「OtherOS」に設定し、その他の項目をUEFI優先または専用にしないとWindows 7をインストールできませんでした。また、ASUSのマザーボードには、Secure Boot menuという設定項目があり、そこに「OS Type」の設定があります。おそらくこの設定を「OtherOS」に変更しないとWindows 7をインストールできないと思います。MSIにも、「Windows 8/8.1 Configuration」という設定項目があるので、ここの設定を「Disable」等に設定しないとWindows 7のインストールが行えないと思います。<br />
<br />
Windows 7の場合は、設定が間違っているとそもそもOSのインストールが行えなかったり、OSインストーラーの起動に失敗するなどの症状がでることを確認しています。CSM関連(SecureBootを含む)の設定は、前述したようにメーカーによって異なります。Windows 7をインストールするときは、トライアンドエラーでどう設定すると動作するかを探してもらえればと思います。 <br />
<br />
Intelが行っている9シリーズチップセットのPCIe SSDサポート機能は、 どちからというとノートPC向けのサポートのように個人的には感じています。この方法であれば、ASRockのZ97 Extreme6のようにOROMをUEFI内に搭載しなくてもIntel 9シリーズチップセットの機能のみでPCIe SSDからOS起動が行える点は確かにメリットです。しかし、チップセット側のPCIeに接続されたM.2スロットのみの利用に制限されてしまいXP941のようにPCIe x4接続の製品の場合、現状ではPCIe x2に速度が制限されてしまう点はデメリットです。また、M.2->PCIe変換ボードを利用してCPU側のPCIeで利用するといったこともできません。ノートPCなどではこれでも良いかもしれませんが、自作の世界では、自由度が低すぎるように感じます。 しかも、SATA接続のドライブの場合は、OSのインストールも簡単でしたが、Intel 9シリーズチップセットのPCIe SSDサポート機能は、特にWindows 7ではきちんとした設定が必要になります(Windows 8.1なら簡単ですけど)。<br />
<br />
Intelは、V13.1以降のドライバーで、NVMeのサポートを行なうことを公表しています。NVMeは、Windows 8.1で標準サポートされていますが、Windows 7ではサポートされていません。NVMe対応ドライブをIntel製ドライバーで利用する場合、今回のようにSATAの動作モードを「RAID」に設定してということがまた必要になるのかもしれません。<br />
<br />marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-76952299476810517802014-04-20T20:32:00.004+09:002014-04-21T21:32:15.290+09:00SSHD向け新機能「Hybrid Information」とはSSDは、相変わらずの人気ですが、その影でSSHDも着実に進化しています。<br />
今回は、SATA Rev3.2で規格化されつつ、あまり話題に上がっていないSSHD向けの新機能「Hybrid Information」について説明したいと思います。現在入手可能なSSHDは、まだ、この機能に対応していませんが、キャッシュに利用するNANDメモリの容量を増加させた次世代のSSHDは、ここで解説するHybrid Information対応に対応していると推測されます。<br />
<br />
Hybrid Informationは、不揮発メモリ(NANDメモリ)をキャッシュに利用するHDD(SSHD)向けの新機能です。現在入手可能なSSHDは、NANDメモリ内にキャッシュしておくデータをSSHD自体が管理していますが、Hybrid Informationでは、NANDメモリにキャッシュするデータの管理をOS(ホスト)側で行えます。管理は、論理アドレス単位で行え、OS(ホスト)が、コマンドでこの論理アドレスをキャッシュしてねと、SSHDにコマンドを送ると、その論理アドレスが、NANDメモリにキャッシュされるという感じです。また、キャッシュする論理アドレスは、優先順位をつけることもでき、キャッシュから取り除くコマンドも準備されています。これによって、OS(ホスト)が望むデータをNANDメモリにキャッシュできるようにしています。<br />
<br />
ちなみに、SSHD本体がNANDメモリのキャッシュ管理を行なうことを「セルフコントロールモード」。ホスト側が管理することを「ホストコントロールモード」と呼ぶようです。Hybrid Information対応SSHDは、Hybrid Informationがオフのときは、セルフコントロールモードでキャッシュを管理し、Hybrid Informationがオンに設定されると、ホストコントロールモードでキャッシュを管理するようです。Hybrid Informationのオン/オフは、ATAコマンドによって切り替えることができます。<br />
<br />
Hybrid Information対応SSHDでは、「Device Sleep(通称、DEVSLP)」にも対応することが推奨されています。DEVSLPは、SATAのPHYの電源をオフにすることで、デバイス(SSDやSSHD)の消費電力をほぼ「0」にする機能です。SATA LPMでは、PHYを省電力状態にするだけでしたが、DEVSLPでは、SATA LPMをもう一歩進めてPHYの電源を完全にオフにする点が異なります。<br />
<br />
また、DEVSLPでは、PHYの電源をオフにするため、SATA LPMのようにPHYを使ってデバイスを省電力状態から叩き起こすことができません。そのため、デバイスを復帰させるための信号線を別途準備する必要があります。この信号線は、Intel 8シリーズ以降のチップセットが対応しています。<br />
<br />
DEVSLPは、通常の利用状態では使用されません。この機能は、Windows 8以降で実装されたInstantGOを実現するための必須機能です。つまり、InstantGOを使わない限り、不要な機能と考えることもできます。また、Hybrid Information対応のSSHDでこの機能の実装を推奨しているということは、将来的には、InstantGOの環境でSSHDを使うことを想定しているのだと思います。<br />
<br />
Hybrid Information対応のSSHDに搭載されるNANDメモリの容量は、24GB~32GBと言われています。これだけの容量があれば、OS起動に必要なファイルをすべてキャッシュに置くこともできるので、そういう使い方もアリなのかもしれません。<br />
<br />
Hybrid Informationは、すでにWindows 8.1が対応済みです。対応SSHDさえ登場すれば、すぐにでも利用できる環境が整っています。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-81731418326525903652014-03-31T03:45:00.002+09:002014-04-02T02:12:39.082+09:00Plextor PX-M6e(PCIe M.2 SSD)数カ月ぶりの更新になります。長期間の放置プレー申し訳ございません。<br />
手元には、レビューでも書こうと思って購入した、東芝のSSD(Q ProとHG6)やSSHD、SeagateのSSD 600などもありますが、今回は、興味がある方が多いと思われるPlextorの新製品「PX-M6e」のレビューを簡単に書きたいと思います。購入したのは、256GBモデルの「PX-AG256M6e」です。<br />
<br />
PX-M6eは、コンシューマ向け初のPCI Expressネイティブ接続のSSDである点が最大の特徴です。PCとの接続インターフェースは、PCI Express 2.0 x2を採用。PX-M6eそのものは、M.2のType2280-B-MのデュアルスロットモジュールのSSDですが、M.2-PCI Express変換カード上にPX-M6eを搭載した形で販売されています。また、KeyBとKeyMのデュアルスロットモジュールなので、KeyB(PCI E x2)およびKeyM(PCI E x4)のM.2カードスロットで利用できます。<br />
<br />
このため、ノートPCの場合でも、PCI Expressの信号線をきちんと結線しているKeyBおよびKeyMのM.2カードスロットなら動作すると思います(SATA接続のM.2のSSDが刺さっているスロットは、SATA専用の可能性も十分ありますが)。<br />
<br />
PX-M6eで特筆しておきたい点としては、PCI Expressネイティブ接続のSSDでありながら、OSの起動をサポートしていることです。SATA Expressの記事を書いたときにも触れましたが、本製品のようなPCI Expressネイティブ接続のSSDでOSの起動をサポートするには、「BootROM(OptionROM)」が必要です。PX-M6eでは、PX-M6e本体にBootROMを搭載することで、OS起動に対応していました。イメージとしては、PCI Express接続のSATAカードなどと同じです。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/--y1sCJ4H4uw/UzhdS3p6BxI/AAAAAAAAAbQ/0kRTqS8iU6M/s1600/PXM6e-ROM.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://2.bp.blogspot.com/--y1sCJ4H4uw/UzhdS3p6BxI/AAAAAAAAAbQ/0kRTqS8iU6M/s1600/PXM6e-ROM.png" height="180" width="320" /></a></div>
<br />
この製品に搭載されているMarvell製コントローラー「88SS9183」のスペックは、公開されていないので詳細はわかりませんが、88SS9183は、BootROMの搭載をサポートしているのでしょう。この方法なら、どのPCでもほぼ確実にOSの起動が行えます。また、ROMを拡張すれば、2枚刺しでRAID0で使うといったことも理論上は可能なはずです。<br />
<br />
PX-M6eの性能ですが、びっくりするほどではありません。たしかに、SATA 6Gの性能は超えていますが、それもシーケンシャル性能と128KBのランダムライトのみです。それ以外は、若干性能が向上したかなという程度です。また、PC Mark 8のHDDテストのスコアは、5000強でした。このスコアは、Intel SSD 730シリーズより若干良いかなぐらいです。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-tw8wGtAJZ8Q/UzhdcP_nH3I/AAAAAAAAAbY/8F1rewwlX4I/s1600/PXm6e-txb.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-tw8wGtAJZ8Q/UzhdcP_nH3I/AAAAAAAAAbY/8F1rewwlX4I/s1600/PXm6e-txb.png" height="225" width="320" /></a></div>
<br />
ベンチマーク結果を見る限りでは、コントローラーの処理能力が若干足りない(サチっている)感があるようにも思えます。というのも、SAMSUNGの製品では、256GBモデルでライトが750MB前後ぐらいはでていました。SAMSUNGの製品の場合、NANDは64GbitのMLCです。PX-M6eも同じ64GbitのMLCなのですが、シーケンシャル書き込みが600MB/sec弱にとどまっています。読み出しに関しても、PCI Express 2.0 x2で接続するなら、900MB/secぐらいでても不思議ではありませんが、それもでていません。<br />
<br />
SAMSUNGのMLC NANDのダイ当たりの速度は、PX-M6eが採用している東芝のMLC NANDと同じぐらいの速度(25MB/sec)だったと記憶しております。このため、PX-M6eでも理論上は、同程度の書き込み速度がでても不思議ではありません。しかし、PX-M6eの256GBモデルの場合、その速度に達していません。考えられる原因は、コントローラーの処理能力不足と消費電力の問題で速度を抑えたかのいずれかではないかと思います。<br />
<br />
今後、登場するPCI Expressネイティブ接続のSSDが、PX-M6eのようにBootROMを搭載しているかどうかはわかりません。個人的には、このような仕組みを使わなくても起動できるようにするのが本筋のような気がします。しかし、この仕組なら多くのユーザーが、OS起動を行えるというメリットがあるのも事実です。<br />
<br />
なお、PX-M6eですが、Windows環境からはSecureEraseを行うことはできませんでした。SATA接続のSSDと同じようにスリープに入れて、復帰を行ってもSecurity Lockを解除できません<span class="st">。Linuxを使っているParted Magicでは、最初からSecurity Lockがかかっていません。Secure Eraseを行う場合は、Parted Magicを使うと良いと思います。</span>marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-9939481250696595802013-08-02T03:46:00.002+09:002013-08-02T03:59:00.340+09:00新フォームファクタ「M.2」、「mSATA」との違いとはPCの世界で言うフォームファクターとは、基盤のサイズやソケットの形状などの物理的寸法などを定めたものです。現在のノートパソコンでは、拡張スロットとして「<b>miniPCI Express(miniPCIe)</b>」を備え、ストレージ用にminiPCIeと同一形状の<b>mSATA</b>と呼ばれるスロットが搭載されていることが一般的です。<br />
<br />
ノートパソコンでは、現状miniPCIeやmSATAが主流ですが、今後は、「<b>M.2</b>」と呼ばれる形状(フォームファクター)に移行すると予想されています。今回は、今後普及が進むと予想されるM.2について説明したいと思います。<br />
<br />
M.2は、当初、「NGFF(<span class="st">Next Generation Form Factor)」と呼ばれていたフォームファクターです。miniPCIeよりも小型でさまざまな基盤サイズが規定されています。多くのインターフェースをサポートしている点も特徴です。M.2では、PCI Express、SATA、USB2.0/3.0、Display Port、SDIO、UARTなどをサポートしています。miniPCIeでもPCI ExpressやSATA、USBなどさまざまなインターフェースがサポートされていましたが、M.2でも同じように広範なインターフェースをサポートしています。</span>また、M.2やminiPCIeでは、複数のインターフェースをカードスロットに結線しておき、セットしたカードによって接続インターフェースを自動選択する機能も搭載されています。<br />
<br />
たとえば、現在主流のminiPCIeには、PCI ExpressとmSATAのコンボスロットとよばれるカードスロットがあります。コンボスロットは、PCI Express接続の機器とSATA接続の機器の両方の接続をサポートし、mSATA機器を接続すると自動的にSATAで接続され、PCI Express接続のWi-Fiカードなどを接続すると自動的にPCI Expressで接続されます。装着できるカードは1枚だけですが、1つのカードスロットで複数のインターフェースをサポートしています。<br />
<br />
M.2も同様ですが、カードの寸法の自由度が高いため、miniPCIeよりもさらに複雑です。M.2には、12mm~30mmまでの4種類の基盤の幅、16mm~110mmの8種類の基盤の長さ、シングルサイド3種類/デュアルサイド4種類の計7種類の基盤の厚み、A~Mまでのコネクタ形状があります。M.2は、これらの組み合わせで設計できるため、実際のカード(モジュール)の形状は、非常に多岐に渡ります。<br />
<br />
M.2において重要なのが、「Key ID」とも呼ばれる接続コネクタ形状とアサインされているピン数です。Key IDは、リザーブされているをものを除くと、大きくKey A、B、E、Mの4種類が使われており、その用途は、以下のように区別されています。<br />
<br />
<table border="1" cellspacing="1"><tbody>
<tr align="center"><th width="60"><span style="font-weight: normal;">Key ID</span></th><th width="320"><span style="font-weight: normal;">インターフェース</span></th></tr>
<tr align="center"><td>A</td><td>PCIe x2/USB/I2C/DP X4</td></tr>
<tr align="center"><td>B</td><td>PCIe x2/SATA/USB/PCM/UIM/SSIC/UART</td></tr>
<tr align="center"><td>E</td><td>PCIe x2/USB/I2C/SDIO/UART/PCM</td></tr>
<tr align="center"><td>M</td><td>PCIe x4/SATA</td></tr>
</tbody></table>
<br />
M.2では、カードスロットのKey IDは1種類のみ。そこに接続するカード(モジュール)は、1つのKey IDのシングルスロットモジュールまたは2つのKey IDのデュアルスロットモジュールで設計できるようです。シングルスロットモジュールの場合、Key IDが一致するカードスロット以外には機器を接続することができないようなので注意が必要です。たとえば、Key Bのカードスロットに、Key Mのシングルスロットモジュールのカードは刺さりませんし、その逆も行えないようです。<br />
<br />
ASUSのマザーボード「MAXIMUS VI」シリーズは、M.2のカードスロットを備えていますが、このカードスロットは、Key Bのようです。また、前回の記事で紹介したSAMSUNG社のPCIe SSDは、シングルスロットモジュールのKey Mで設計されています。このため、「MAXIMUS VI」シリーズのM.2のカードスロットは、SAMSUNG社のPCIe SSDが刺さらないという現象が発生しています。<br />
<br />
ストレージを使用する上で覚えておきたいM.2のKey IDは、PCIeとSATAの両方をサポートしているKey BとKey
Mです。両者の最大の違いは、サポートするPCIeの速度です。Key Bは、PCIe x2。Key Mは、PCIe
x4をサポートしています。Macbook Airに搭載されているPCIe SSDのようにPCIe
x2接続の製品もあるので絶対とは言いませんが、今後登場が予想されるPCIe SSDは、PCIe
x4の製品が主流になると推測されます。このため、必然的にPCIe SSDでは、Key Mの製品が一般的になるのではないでしょうか。<br />
<br />
また、SATA接続のSSDの場合は、Key BとKey Mのどちらでも設計できます。このときに重要になるのが、カードがデュアルスロットモジュールとして設計されているかどうかです。M.2のSATA接続のSSDが、Key BおよびKey MのデュアルスロットモジュールならKey B/Mのどちらのスロットにも接続できますが、シングルスロットモジュールの場合は、どちらか一方にしか接続できないので注意が必要です。<br />
<br />
最後にM.2のカード形状の読み方を説明したいと思います。M.2では、カードの形状を「Type 2280-D2-B-M」のように記述します。この場合、最初の「22」がカードの幅(22mm)、「80」がカードの長さ(80mm)、「D2」がカードの厚み、末尾の「B」と「M」はKey IDを指しています。このカードの場合は、「B」と「M」の2つのKey IDがあるので、デュアルスロットモジュールということなります。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-56896589564731242952013-07-31T01:42:00.000+09:002013-07-31T01:57:17.565+09:00動き出した新世代SSD、PCIe SSDとはIntelの最新CPU「Haswell」を搭載したパソコンの一部で、PCI Expressネイティブ接続のSSDを搭載した製品が登場しました。そこで、今回は、PCI Expressネイティブ接続のSSD(以下、PCIe SSD)について説明したいと思います。<br />
<br />
PCIeネイティブ接続のSSDの出荷を開始したのは、概報の通り、SAMSUNG社です。<br />
SAMSUNG社のPCIe SSDは、現在、規格策定が進むSATA Expressの機能を一部先取りしたような製品です。この製品を「SATA Express」対応と呼ぶかどうかは別として、コンセプト的には同じものと考えてもらって差し支えありません。<br />
<br />
この製品は、インターフェースに従来の<b>SATA</b>ではなく、<b>PCIe</b>を採用したことが最大の特徴です。これによって、PCIe 3.0接続の場合で、最大4GB/secというSATA 6Gを超えるインターフェース速度を実現しています。多くの方がご存知のようにSATA 6Gというインターフェースは、現在のSSDにとってすでに帯域不足でその性能をフルに活かすことができません。SSDは、今後、高速なPCIeをインターフェースに利用することで高速化を図っていくことになります。<br />
<br />
なお、PCIe接続のSSDには、今回のSAMSUNGの製品のようにPCIeネイティブ接続の製品とRAIDコントローラーを使った製品があります。前者のPCIeネイティブ接続の製品は、NANDフラッシュメモリの制御を行うコントローラーそのものがPCIe経由でCPUと接続されます。現在主流のSATA接続のSSDでは、SATAを使って接続していますが、これをPCIeに変更したものと考える分かりやすいでしょう。後者のRAIDコントローラーを使った製品は、PCIe接続のSSDとしては、現在もっともポピュラーな製品です。基板上にRAIDコントローラーを搭載し、そこにSATA接続のSSDを複数台ぶら下げています。PCIe接続といっても間にRAIDコントローラーが介在しているだけでなく、接続されているSSDもSATA接続となるなど、PCIeネイティブの製品とはまったく異なるSSDであることに注意してください。本稿では、特に断りのない限り、PCIeネイティブ接続のSSDの説明を行なっています。RAIDコントローラーを利用した製品ではないので注意して読み進めてください。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-vVlXfEVi5ZA/UfYQfz0ObKI/AAAAAAAAAWA/GZ_PjC2BzW0/s1600/PCIeSSD.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-vVlXfEVi5ZA/UfYQfz0ObKI/AAAAAAAAAWA/GZ_PjC2BzW0/s1600/PCIeSSD.png" height="180" width="400" /></a></div>
<br />
PCIeネイティブ接続のSSDでは、新しいインターフェース規格が採用される予定です。それが、今年の年末リリース予定の「<b>SATA Express</b>」です。SATA Expressには、動作モードが2つ準備されています。1つが、「<b>NVM Express(NVMe)</b>」。もう1つが、<b>AHCI</b>です。<br />
<br />
前者のNVMeは、NANDフラッシュメモリの特性を考慮して設計されたネイティブモードに相当する動作モードです。NVMeは、ACHIをベースにSSD向けの改良を行ったインターフェース規格「NVMHCI」をリファインしたものです。PCIe SSDは、NVMeで使用することでAHCIよりも低レイテンシで動作するようになり、ランダムアクセス性能が向上すると言われています。ちなみシーケンシャル速度は、NVMeとAHCIで大差はないようです。<br />
<br />
後者のAHCIは、いわばLegacyモードと呼ぶべき動作モードです。NVMeは、対応した機器でのみ使用できるため、非対応の製品では使用できません。AHCIは、NVMe非対応の機器でも使用できるように用意された互換モードというわけです。SATAの動作モードでいうところの「IDEモード」だと考えてもらうと理解しやすいと思います。<br />
<br />
現在出荷中のSAMSUNG社の製品は、AHCIにのみ対応しており、NVMeには対応していません。また、インターフェースもPCIe 2.0 x4(最大2GB/sec)となっており、PCIe 3.0対応の製品ではありません。SAMSUNGでは、次世代の製品でPCIe 3.0とNVMeに対応することを予定しているようです。<br />
<br />
広帯域なPCIeをインターフェースに利用することで、大幅な性能向上を果たすPCIe SSDですが、残念なことに、現状のマザーボードでは起動デバイスとして利用できません。というのも、SAMSUNGのPCIe SSDは、UEFI/BIOSに内蔵されている「AHCI BIOS」を利用してOS起動を行うように設計されているからです。<br />
<br />
AHCI BIOSは、Intel製チップセットを利用している場合、Intel社が提供しています。現在提供中のAHCI BIOSは、チップセット内蔵のSATAコントローラーのみを対象に設計されています。PCIe SSDは対象外となっているので、SAMSUNGのPCIe SSDを検出できません。このため、現状では、仮にSAMSUNG製のPCIe SSDを入手できたとしても、OSの起動を行うことはできません。データ保存用専用として利用することになります。その際ドライバーは、Windows 7/8のMS純正のAHCIドライバーで問題なく動作ます。また、ソニーのVAIOでは、既存のAHCI BIOSに手を加えることでPCIe SSDをブート可能としています。いうまでもありませんが、このBIOSが一般向けに提供される予定は不明です。<br />
<br />
加えて、NVMe対応となった場合にも、AHCI同様にBootROMが必要です。NVMeでは、現在あるAHCI BIOSを拡張するのではなく、別のNVMe対応のBIOSを準備するようです。その場合、NVMeのオン/オフがUEFIに追加されるか、ストレージの動作モードの設定の中にNVMeが追加されるのではないかと推測しています。NVMe対応BIOSの提供がどうなるかも現在のところ不明です。<br />
<br />marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-76184384896420787862013-06-26T17:38:00.000+09:002013-06-26T17:38:48.682+09:00Intel Driver V11.5以降のSATA LPMの設定アクセス解析をみていますと、現在でも以前に掲載したSATA LPMの設定に関する記事の閲覧が多いようです。しかし、<a href="http://marosama.blogspot.jp/2010/01/sata-lpm_22.html" target="_blank">以前の記事</a>は、Intel製ドライバーがVer10.x(iaStor.sys/iaStorV.sys)の時代に執筆したため内容が古く、V11.5以降のドライバー(iaStorA.sys/iaStorF.sys)では使用できません。Intel製ドライバー Ver11.5以降のSATA LPMの設定方法は、まだほとんど紹介されていないようなので、今回はこれを紹介したいと思います。<br />
<br />
最初にSATA LPMを無効にするもっとも簡単な方法を紹介しておきます。その方法は、UEFI/BIOSで「HotPlug」の機能を有効に設定することです。SATA LPMの機能は、Intel/AMDどちらのコントローラーでもHotPlugを有効に設定すると自動的に無効に設定されます。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-iFilqkqg2xk/Uclpr8nU0wI/AAAAAAAAAUg/VzW4jtGCr20/s1600/Hotp.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-iFilqkqg2xk/Uclpr8nU0wI/AAAAAAAAAUg/VzW4jtGCr20/s1600/Hotp.png" height="240" width="320" /></a></div>
<br />
ただし、HotPlugを有効にすると、USB接続のHDDやUSBメモリーを接続したとき同様に通知領域にある「安全に取り外し」アイコンのリストにSSD/HDDが表示されてしまいます。OS起動ドライブの場合、前述のリストから取り外しを選択しても、常に使用中なので実際には取り外し処理を行うことはできません。しかし、リストに表示されること事態が邪魔臭いという方も多いと思います。そのときは、SATAドライバー(AHCIドライバー)のレジストリを変更することでSATA LPMの機能を無効に設定します。<br />
<br />
レジストリの設定は、使っているSATAドライバーによって異なります。たとえば、MS純正のAHCIドライバーとIntel製ドライバーでは設定方法が異なります。また、Intel製ドライバーの場合、V11.5以降ではドライバーそのものが作り変えられたため、V11.5より前のドライバーと設定方法が異なります。ここでは、使用者の多いIntel製ドライバー V11.5以降のレジストリの設定を紹介します。Intel製ドライバーのV11.5より前のバージョンをご使用の場合は、<a href="http://marosama.blogspot.jp/2010/01/sata-lpm_22.html" target="_blank">以前の記事</a>を参照してください。<br />
<br />
また、MS純正AHCIドライバーのレジストリ設定の方法は、あちこちで紹介されているので本ブログではあえて紹介はいたしませんが、Windows 7/8の場合は、電源オプション画面にSATA LPMの設定を表示するようにレジストリを変更し、「Active」を選択すれば、SATA LPMをオフに設定できます。この方法は、Windows 7/8の両方で有効であることをハードバスアナで確認しています。また、Windows 7の場合は、MS製純正ドライバー「msahci.sys」のレジストリを変更することでもSATA LPMを無効にできます。 <br />
<br />
それでは、Intel製ドライバー V11.5以降のSATA LPMの設定方法を説明します。Intel製ドライバー V11.5以降は、レジストリエディターで「<b>HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\iaStorA\Parameters\Device</b>」を開き、DWORDで以下のキーを作成して設定を行います。<br />
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
<table border="1" cellspacing="1">
<tbody>
<tr align="center">
<th width="180"><span style="font-weight: normal;">DIPMの有効/無効の設定</span></th>
<th width="320"><span style="font-weight: normal;"><span style="background-color: white;">Controller0Phy<span style="color: red;">X</span>DIPM(<span style="color: red;">X</span>はポート番号)</span></span><br />
<span style="font-weight: normal;"><span style="background-color: white;">Enable:1</span></span><span style="font-weight: normal;"><span style="background-color: white;"><span style="background-color: white;">(Default)</span>、Disable:0 </span></span></th>
</tr>
<tr align="center">
<td>HIPMの<span style="font-weight: normal;">有効/無効の設定</span></td>
<td><span style="background-color: white;">Controller0Phy<b><span style="color: red;">X</span></b>HIPM(<b><span style="color: red;">X</span></b>はポート番号)</span><br />
<span style="background-color: white;">Enable:1</span><span style="background-color: white;"><span style="background-color: white;">(Default)</span>、Disable:0 </span></td>
</tr>
<tr align="center">
<td>HIPMで要求するLPMの状態</td>
<td><span style="background-color: white;">Controller0Phy<span style="color: red;"><b>X</b></span>LPMState(<span style="color: red;"><b>X</b></span>はポート番号)</span><br />
<span style="background-color: white;">Slumber:1、Partial:0(Default) </span></td>
</tr>
<tr>
<td style="text-align: center;">DSTATE時にHIPMで要求するLPMの状態</td>
<td style="text-align: center;"><span style="background-color: white;">Controller0Phy<span style="color: red;"><b>X</b></span>LPMDstate(<span style="color: red;"><b>X</b></span>はポート番号)</span><br />
<span style="background-color: white;">Slumber:1</span><span style="background-color: white;"><span style="background-color: white;">(Default)</span>、Partial:0 </span></td>
</tr>
</tbody></table>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-Y_wKIggEM7s/Ucqn8frHeTI/AAAAAAAAAVA/40naRK3zNKk/s1600/reg02.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><br /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-4eQiTbNWFSM/UcqmMrp9m8I/AAAAAAAAAUw/tmVRgZCCDmY/s1600/reg.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://3.bp.blogspot.com/-4eQiTbNWFSM/UcqmMrp9m8I/AAAAAAAAAUw/tmVRgZCCDmY/s1600/reg.png" height="262" width="400" /></a></div>
<br />
なお、SATA LPMの機能が動作しているかどうかをユーザーが確認することは基本的にはできませんが、DIPMに限っては、TxBenchのドライブ情報で有効/無効を確認できます。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-Y_wKIggEM7s/Ucqn8frHeTI/AAAAAAAAAVE/YA-7EJCEqH0/s1600/reg02.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://1.bp.blogspot.com/-Y_wKIggEM7s/Ucqn8frHeTI/AAAAAAAAAVE/YA-7EJCEqH0/s1600/reg02.png" height="281" width="400" /></a></div>
marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-90920424269573706942013-04-27T02:56:00.000+09:002013-04-27T02:56:27.310+09:00SSD/HDD用ベンチマークソフト「TxBench」今回は、本日公開されたばかりのベンチマークソフト「TxBench」を紹介したいと思います。<br />
このベンチマークソフトを開発したTeximは、僕が光ディスクの原稿ばかりを執筆していたときから懇意にしている方が起こした会社です。TxBenchは、フリーソフトとして配布されており、<a href="http://www.texim.jp/txbench.html#txbench" target="_blank">ここ</a>から入手できます。<br />
<br />
TxBenchは、Crystal Disk Markライクな基本ベンチマークとIOMeterライクな詳細ベンチマークの2種類のベンチマーク機能を搭載しています。ファイルシステムが存在する場合に使用する「Fileモード」とファイルシステムがない状態で使用する「RAWモード」の2種類測定モードがあります。また、他のベンチマークソフトとは、少々異なった設計思想となっており、測定できるデータ長(送受信サイズ)が、最小、4KB、8KB、16KB、32KB、64KB、最大の7通りと少なくなっています。<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://3.bp.blogspot.com/-2nx8iI4CNGE/UXquDGrIsYI/AAAAAAAAAS0/fP0j4ykWuQ8/s1600/txb00.png" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="225" src="http://3.bp.blogspot.com/-2nx8iI4CNGE/UXquDGrIsYI/AAAAAAAAAS0/fP0j4ykWuQ8/s320/txb00.png" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">基本ベンチマーク</td></tr>
</tbody></table>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://3.bp.blogspot.com/-GfNpVK8unDY/UXqtTgtHwUI/AAAAAAAAASs/pad8WDsx0ws/s1600/txb01.png" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="188" src="http://3.bp.blogspot.com/-GfNpVK8unDY/UXqtTgtHwUI/AAAAAAAAASs/pad8WDsx0ws/s320/txb01.png" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">基本ベンチマークの設定画面</td></tr>
</tbody></table>
<br />
測定できるデータ長の種類が少ないのは、ホスト-ドライブ間でやり取りされる実際のRead/Writeコマンドの仕様に沿った設計となっているためです。たとえば、Read/Writeコマンドには、28bitLBAコマンドや48bitLBAコマンド、NCQ対応のコマンドなどいくつかの種類がありますが、28bitLBAコマンドの場合、1回のコマンド当たりに設定できる最大セクタ数は「256」と決められています。つまり、28bitLBA対応のRead/Writeコマンドでは、1コマンド当たり最大128KB(512バイト/セクタのドライブの場合)のデータしか読み書きできません。48BitLBA対応のコマンドでは、もっと多くのセクタを指定できるように拡張されていますが、Windows環境では、ドライバーなどの制限によって、最大256セクタに制限されているのが現状です。<br />
<br />
結果として、Windows環境で利用する限り、1コマンド当たりの最大読み出し/書き込みサイズは256セクタ(128KB)となります。それを超える容量の読み書きは、コマンドを分割して送ることで対処しています。たとえば、1MBのファイルを読み書きする場合は、256セクタ(128KB)指定のRead/Writeコマンドが連続して8回送られます。<br />
<br />
TxBenchでは、これを考慮して設計されており、計測できるデータ長(送受信サイズ)は、最小、4KB、8KB、16KB、32KB、64KB、最大の7通りとなっています。最小と最大を準備しているのは、ドライバーやSATA、PATA、USB接続などの環境によってこれらが変化する場合があるからです。たとえば、512バイト/セクタまたはAFTのドライブでは、最小データ長(送受信サイズ)は1セクタ(512バイト)となりますが、4Kネイティブドライブでは、4KBとなります。また、PATAなどの場合では最大データ長が128セクタ(64KB)になる場合があります。加えて、現状のドライバーでは、4KBネイティブドライブ環境において、512バイト/セクタのドライブのように256セクタの指定ができないという話もあるようです。<br />
<br />
TxBenchで特徴的なのは、IOMeterライクな計測を行う詳細ベンチマークに搭載された機能です。詳細ベンチマークでは、なるべく実環境に近づけることができるように、計測中に物理消去しても問題ない論理アドレスをSSDに通知する「Trimコマンド」を送ったり、キャッシュ内のデータをすべてドライブ内部の記録媒体に書き込む「Flash Cacheコマンド」を送ることができます。この機能は、他のベンチマークソフトには搭載されていない本ソフトの大きな特徴です。また、TxBenchは、詳細なログを取得でき、ベンチマーク中の速度をCSV形式のファイルに保存したり、指定の容量を書き込んだら、指定時間処理を停止することもでき、終了条件を時間または容量で設定できます。<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://4.bp.blogspot.com/-mDf1HTKD3sY/UXqx5IWxrMI/AAAAAAAAATM/cx6UN1HsfDU/s1600/txb02.png" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="225" src="http://4.bp.blogspot.com/-mDf1HTKD3sY/UXqx5IWxrMI/AAAAAAAAATM/cx6UN1HsfDU/s320/txb02.png" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">詳細ベンチマーク</td></tr>
</tbody></table>
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://2.bp.blogspot.com/-cKBCXAZcFlI/UXqx43oVf0I/AAAAAAAAATE/oej1dq7mp54/s1600/txb03.png" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="235" src="http://2.bp.blogspot.com/-cKBCXAZcFlI/UXqx43oVf0I/AAAAAAAAATE/oej1dq7mp54/s320/txb03.png" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">詳細ベンチマークのタスク登録画面</td></tr>
</tbody></table>
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://2.bp.blogspot.com/-xEYc8oakaXg/UXqx5Juru1I/AAAAAAAAATI/sYyahOc5NYA/s1600/txb04.png" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="242" src="http://2.bp.blogspot.com/-xEYc8oakaXg/UXqx5Juru1I/AAAAAAAAATI/sYyahOc5NYA/s320/txb04.png" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">詳細ベンチマークのタスク設定画面</td></tr>
</tbody></table>
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://1.bp.blogspot.com/-DLHnDxG7Fds/UXqx5YDREmI/AAAAAAAAATQ/AXIII9a0T0o/s1600/txb05.png" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="139" src="http://1.bp.blogspot.com/-DLHnDxG7Fds/UXqx5YDREmI/AAAAAAAAATQ/AXIII9a0T0o/s320/txb05.png" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">詳細ベンチマークの高度なタスク設定画面</td></tr>
</tbody></table>
<br />
ただし、Trimコマンドの送信には、利用環境に条件があります。Trimコマンドは、Windows XP/Vista/7の環境では「RAWモード」でのみ設定でき、Windows 8では、「Fileモード」でのみ設定できます。これは、OS側の制限によるためです。Windows 8では、Windows 7以前とは仕様が変更されているようで、ATA PASSTHROUGHでTrimコマンドがでません。代わりにファイルシステムベースでTrimを行う「File Trim」と呼ばれる方法が準備されています。このため、Trimが送れる環境に制限がついています。<br />
<br />
TxBenchは、「Secure Erase」の実行機能や詳細なドライブ情報の表示機能を搭載している点も特徴的です。<br />
<br />
Windows環境でSecure Eraseを行う機能は、メーカー製ドライブに付属するツールでは一般的な機能となっていますが、自社ドライブのみの対応となっており、他社ドライブに対してSecure Eraseを実行できません。しかし、本ソフトを使えば、Secure Eraseを実行できます。<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://1.bp.blogspot.com/-mWk9_3nD9xg/UXq4aOE_R3I/AAAAAAAAATs/Um4eu6Ah-4k/s1600/txb06.png" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="225" src="http://1.bp.blogspot.com/-mWk9_3nD9xg/UXq4aOE_R3I/AAAAAAAAATs/Um4eu6Ah-4k/s320/txb06.png" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Secure Eraseの実行画面</td></tr>
</tbody></table>
<br />
TxBenchを使ってWindows環境でSecure Eraseを実行する方法は、2つあります。1つは、SATAやPATAなどのホストコントローラーに接続されたSSD/HDDに対してSecure Eraseを実行する方法です。この場合は、Windowsを一旦スリープ状態にして、復帰するとSecurity Frozen状態を解除できます。これで、Secure Eraseが実行できます。また、TxBenchには、Security Frozen状態かどうかを確認できるインジケーターが表示されており、これで現在の状態を確認できます。なお、この方法で使用する場合、Windows 8ではSecure Eraseを実行できないので注意してください(Windows XP/Vista/7では使用できます)。これは、OS側の制限です。Trimコマンド同様にWindows 8では仕様が変更されたようで、Secure Eraseのコマンドがフィルターされてしまい、ドライブに送られません。このため、Windows 8環境では、現状、対処しようがありません。<br />
<br />
もう1つの方法が、USB接続で使用する方法です。USB接続の場合は、Windows8でも問題なく使用できます。ただし、SATA-USB変換チップは、Secure Eraseのコマンドをフィルターしたり、送ったふりをする方がいるようです。このため、USB接続の場合は、処理が完了したようにみえて実際にはコマンドが送られていなかったり、エラーが発生して処理が行われない場合があるので注意てください。また、USB接続で使用する場合は、後述するドライブ情報がすべて取得できる製品でのみSecure Eraseを実行できます。ドライブ情報がきちんと取得できない製品の場合は、この機能を利用することはできません。<br />
<br />
TxBenchのドライブ情報画面では、ドライブに搭載された機能や現在有効になっている機能、自己診断情報「S.M.R.A.T」の表示、IDENTIFY DEVICEの詳細情報などを表示できます。最新の省電力機能「Device Sleep」に対応しているかどうかや現在のリンク速度(ドライブが対応している場合のみ)やセクタサイズなども確認できるかなり便利なものとなっています。<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://3.bp.blogspot.com/-lM7QHlxuNLA/UXq4c5KUiNI/AAAAAAAAAT0/5Q21alOQFOw/s1600/txb07.png" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="225" src="http://3.bp.blogspot.com/-lM7QHlxuNLA/UXq4c5KUiNI/AAAAAAAAAT0/5Q21alOQFOw/s320/txb07.png" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">ドライブ情報画面</td></tr>
</tbody></table>
<br />
TxBenchは、非常に多機能なSSD/HDDベンチマークソフトとして仕上がっています。SSD/HDD用のユーティリティとしても使用できるので、持っていれば便利に使えると思います。本サイトでは、今後、TxBenchをメインのベンチマークソフトとして利用する予定です。興味がある方は、TxBenchをダウンロードして使ってみていただければと思います。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-25750322958755637872013-02-11T22:31:00.001+09:002013-02-11T22:34:04.873+09:00リムーバブルケースとSATA 6gネットをみていたら、ドライブを直接抜き差しできるタイプのリムーバブルケースで、SATA 6Gでリンクしないどころか、転送速度が異様に遅くなるという書き込みをみました。ドライブを直接抜き差しできるタイプのリムーバブルケースは、便利なので僕もいくつか購入して使ってみました。しかし、SATA 3Gのときは、トラブルが少なかったのですがSATA 6Gに移行してからというものは、安心して使えるというものにあたったことがありません。今回は、なぜこのようなことが起きるかということを説明したいと思います。<br />
<br />
まず、最初に結論から言っておきます。ドライブを直接抜き差しできるタイプのリムーバブルケースで転送速度が遅くなるというような現象が発生する原因は、「相性」などではありません。SATAの信号品質の劣化です。そしては、これはケースのデキが悪いからほかなりません。<br />
<br />
以前、某雑誌でケーブル品質を2000万円ぐらいするLeCroyさんの信号評価装置でチェックしてもらったことがあります。 このときの結果は、かなり衝撃的でした。<br />
<br />
ケーブル、マザー、SSD、電源など機器は、すべて同じという条件下で、接続ポートを変えただけで明確な信号品質の違いがSATA 6Gででてきます。具体的に言うと、Intelチップセットの2つあるSATA 6Gポートの内、下段のポート0の方が上段のポート1よりも信号品質が上です。LeCroyさんいわく、最近の2段重ねのコネクタだと、ポート1の方が配線距離が若干長いのでその当たりが効いているのではないかといってました。<br />
<br />
また、機材を変更せずに、ドライブを直接抜き差しできるタイプのリムーバブルケース(このときは、2.5インチでした)を間に挟んむと、もっとスゴイことになります。信号品質は、誰がみてもわるほど大幅に劣化し、「こんなに悪いんじゃ、SATA 6Gリンクを張れないこともあるよね」というほど劣化します。ジッターも大幅に増加し、バスタブと呼ばれるお風呂状の曲線も平行に近くなります。いずれにしてもありえないぐらい信号品質は劣化し、見るも無残なことになりました。ただし、これは、SATA 6G機器を接続しようとした時のみです。SATA 3G機器では、まったく問題のない綺麗な曲線になります。<br />
<br />
リムーバブルケースが2ドライブ版(2.5インチの場合に多いですよね)の場合は、マザーのポート同様に接続ポートでさらに信号品質が変わります。感の良い方ならすでにわかると思いますが、リムーバブルケースのポート1の方が若干良く、ポート2の方が悪くなります。<br />
<br />
SATA 6Gの信号のことを考えて、きちんと設計されたリムーバブルケースならこのような問題は置きないかもしれません。しかし、現状では、そこまできちんと設計されたケースがあるのかどうか、個人的には疑問符が付きます。<br />
<br />
ということで、SATA 6Gという規格は、ユーザーが考えている以上に信号マージンが多くありません。特にドライブを直接抜き差しできるタイプのリムーバブルケースでは、この信号マージンの少なさが完全に仇となっています。SATA 3Gで問題なく使えてからといって、SATA 6Gできちんと使えるという保証はないのです。<br />
<br />
また、どことは言いませんが、SSDの基盤の設計が他社と比較して若干悪いものも存在しています(半年ぐらいまえの製品です。今もそうかは知りません)。SSDの基板設計が悪いと、リムーバブルケースを使った場合などの信号マージンのギリギリで使ったときにその差がでてきます。たとえば、同じコントローラを採用したA社とB社は、いつでもSATA 6GでリンクするのにC社は、SATA 3Gでしかリンクしないといったことが発生します。<br />
<br />
現在発売中のドライブを直接抜き差しできるタイプのリムーバブルケースは、ほとんどのケースで信号品質を劣化させていると考えて頂いて差し支えないと思います。たとえば、センチュリーの「技あり!楽ラック!2.5」などは、僕の環境では、ポート2はSATA 3Gでしか使いものになりません。ポート1は、SATA 6Gでリンクを貼れるSSDもありますが、張れないものもあるという状況です。マザーのポート1と楽ラック!2.5のポート2を接続した場合は、ものによっては1.5Gリンクまででてきます(笑)。<br />
<br />
ドライブを直接抜き差しできるタイプのリムーバブルケースをSSDで使うなら、製造メーカーがSATA 6Gでの接続をきちんとサポートしていることも重要ですが、それに加えて、接続に使用するマザーのポート、そしてケーブル(ケーブルも品質差があります)までを慎重に選択することをオススメします。<br />
<br />
個人的には、2ドライブ版のドライブを直接抜き差しできるタイプのリムーバブルケースはオススメしません。また、ケーブルは、オウルテックの金メッキケーブルが比較的高品質です。細いラウンドケーブルは、良くありません。また、接続には、マザーのポート0を使いましょう。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-90760728146936020512013-02-09T05:23:00.002+09:002013-04-28T00:48:56.204+09:00東芝 HG5シリーズ東芝の最新SSD、HG5シリーズのベンチマーク結果やインタビューなどが、雑誌や海外のWebサイトで紹介されつつあります。今回は、国内での単体流通が始まったときに混乱しないように、HG5シリーズにおいて現在判明している情報をいくつか紹介したいと思います。この記事を載せて良いのか個人的には、わかりませんが、HG5シリーズの販売が始まればわかることなので事前に記事として掲載しようと思います。<br />
<br />
<strike>最初に衝撃?の事実からお伝えします。実は、HG5シリーズには、コントローラの違いによって複数のラインが存在しています。</strike>一つは、現時点で東芝のWebページにもアップされているTHSNFという型番のシリーズです。この製品は、現在海外サイトなどベンチマーク結果が掲載されている製品です。コントローラに「Marvell」の文字が刻印されているSSDがそうです。このコントローラには、Marvellの刻印が入っているため88SS9187ベースの改良版かと思われる方もいるかもしれません。しかし、実際の設計は88SS9187とは大きく異なるようです。かなりの部分が東芝のカスタムによるようで、事実上の自社コントローラに近いものといっても良いものだと聞いています。<br />
<br />
<strike>もう1つが、従来のHGシリーズでもお馴染みだったセミコン社の開発による東芝純正コントローラを搭載したバージョンです。最新カタログに「HG5d」として掲載されている「THNSNH」型番の製品がそうなのではないかと個人的には推測しています。このカタログは、東芝のWebページで入手可能なので、みていただければと思います。</strike><br />
<br />
<b>2013.4.28追記</b><br />
<b>その後、セミコン版はキャンセルされたという情報を得ました。</b><br />
<b>このため、東芝製SSDは、しばらく、Marvell版のコントローラで行くということになるようです。最終的に誤報になってしまいました。申し訳ありません。お詫び致します。</b><br />
<b>HG5dに関して別記事にてフォローしたいと思います。</b><br />
<br />
両者の仕様を見比べてみるとわかりますが、若干の変更が加わっています。リードライトともにセミコン版と推測されるHG5dの方が最大速度が若干早くなり、最低容量モデルは、記録容量が64GBから「60GB」へと変更されています。Marvell版とセミコン版でどのぐらい性能が異なるのかはわかりませんが、セミコン版の方が若干ですが書き込み速度等は速いと聞いています。(というか、Marvell版は、サチっているため最大書き込み速度が460MB/secほどで止まっている説が有力だと思います)<br />
<br />
<strike>Marvell版とセミコン版で、その他の性能差がどれだけ違いがあるのかは、現時点では不明です。同じHG5シリーズなので、個人的な推測ですが、シーケンシャル時の最大書き込み速度以外は、性能的にはそれほど大きな違いはなく同程度だと思います。インタビュー記事などでもでている自社のエラー訂正や擬似SLCモード(リライアブルモード)の活用なども同じように設計されていると推測されます。</strike><br />
<br />
ちなみに擬似SLCモードですが、これは、MLC方式のNANDフラッシュにSLCライクな書き込みを行うというものです。MLCモードの場合、上位ページと下位ページの2つのページを書き込みますが、擬似SLCモードでは下位ページのみを使用します。このため、記録データ容量は1ビットになりますが、書き込み速度がメーカーいわく約4倍ぐらい速くなるようです。擬似SLCで使用する領域は、消去ブロック単位で指定でき、消去を行えばMLCモードで使用することもできます。<br />
<br />
ただし、擬似SLCモードで使用したからといって、書き込みの保証回数が増えるわけではないようです。これは、MLC方式のNANDメモリは、あくまでMLCとして設計されているからです。SLCとして設計されているわけではないので、評価基準自体がMLCになるためSLCとイコールにはならないというわけです。ただ、eMLCのように書き込みや消去、読み出しに使用する電圧などのパラメーターを条件付き(データ保持期間を短くする)で最適化して、書き込み回数を増やしているケースもあります。このような最適化を擬似SLCモードで行った場合、書き込み回数を増やすことができる可能性をメーカーも否定してはいません。 marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com14tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-28729807461900718642012-12-04T21:52:00.001+09:002012-12-05T01:46:49.752+09:00Deterministic Zeroing TRIMについて前回の記事では、Trimコマンドの送信を個人で確認する方法ついて説明しました。<br />
気がつくと、数ヶ月かけてTrimがらみの記事を4連発ということになりますが、今回は、前回の記事の補足としてTrimコマンドを受け取ったあとのSSDの動作について、もう少し、突っ込んで説明したいと思います。<br />
<br />
Trimコマンドによって取得した論理アドレスに対して、書き込みが発生する前に、読み出しが発生した場合の動作の方法がSSDには2つ準備されています。1つが、前回の記事でも書いた「<b>Read Zero After Trim(以下、RZAT)</b>」。もう1つが、「<b>Deterministic Read After Trim(以下、DRAT)</b>」です。<br />
<br />
前者のRZATとは、上記の条件のもとでは文字通りデータとして「0」を返すという仕様です。非対応のSSDは、その時点に書き込まれているデータを対応する物理アドレスから読み出してOSに返します。この場合の動作は、HDDと同じです。<br />
<br />
一方、後者のDRATは、上記の条件の場合に必ず同じデータが返ってくることを保証する機能です。この機能に対応したSSDは、Trimコマンドによって取得した論理アドレスに対して書き込みが発生しなければ、必ず同じデータが返ってきますが、非対応の製品は、それが保証されません。<br />
<br />
なぜDRATが準備されているかといいますと、SSDでは、Trimコマンドによって取得した論理アドレスのデータの内容が書き込み発生前に変わってしまう可能性があるからです。たとえば、Trimコマンドを受け取った直後は、物理消去ができなくてもGCの発動によって物理消去可能となるケースが考えられます。<br />
<br />
この場合、Trimコマンドを受け取った直後のデータは、Trimコマンドを受けとる前と同じです。しかし、物理消去が実行されてしまうとデータの内容は、Trimコマンドを受け取った直後とは異なることになります。つまり、DRAT非対応のSSDでは、Trimコマンドで受け取った論理アドレスのデータが変わってしまう可能性がある(不確定である)ことを示しています。<br />
<br />
「不要なデータだからどちらでも良いのでは」と考えられる方もいる思いますが、これは、RAID5/RAID6などの環境においては重要なことです。RAID5やRAID6では、パリティを書き込みますが、ファイルシステム上で削除したデータもそのまま変更されずに残っていることが前提となってパリティが作成されているからです。<br />
<br />
しかし、Trimコマンドでは、受け取ったアドレスをどのように利用するかの規定はなく、SSD側が、受け取った情報を自由に利用できます。このため、TrimコマンドによってSSD側で勝手に物理消去が実行されてしまうと、Trimコマンドを受け取った直後と多少時間がたってからでデータの内容が異なってしまうケースがでてきます。これは、RAID5やRAID6にとって非常に都合が悪いということになります。そこで準備されたのが、Trim後もそのアドレスに対して書き込みが発生しなければ、常に同じデータが返ってくることを保証するDRATです。<br />
<br />
DRATは、当初ほとんどのSSDが対応していませんでした。Trimで送られてきた論理アドレスのデータを次回書き込みが発生するまで常に同じにしたいなら、Trimコマンド非対応またはTrimコマンドを送らなければよいからです。ですが、これでは、せっかくのTrimコマンドのメリットが全く生かされません。<br />
<br />
そこで登場するのが、現在実装が進む「<b>Deterministic Zeroing TRIM</b>」です。これは、Trimコマンドによって取得した論理アドレスに対して、書き込みが発生する前に、読み出しが発生した場合、いついかなる時も必ず「0」を返すという仕様です。この仕様でいけば、ファイルシステム上で削除フラグがたったファイルのデータは常に「0」であるものとしてRAID5/6環境で運用できます。これによって、前述の不都合が解消できるというわけです。<br />
<br />
もう少し詳しくDeterministic Zeroing TRIMについて説明します。Deterministic Zeroing TRIMを実装する場合、「0」を返すのは、コントローラーの仕事であってTrimコマンドで送られてきた論理アドレスが、実際に物理消去されているかどうかは関係ありません。これは、Trimコマンドによって受け取った論理アド
レスすべてが即時消去を行えるわけではないからです。<br />
<br />
NANDメモリの書き込み/読みだしの物理単位はペー
ジと呼ばれ、現在のSSDなら8KB程度だと思います。一方、消去は、ページを複数個(128個とか256個)まとめたブロックと呼ばれる単位で行われます。さらに、Trimコマンドで送られてくるのは、論理アドレスですから、512バイト単位ということになります。<br />
<br />
これからもわかるように実際の運用においてTrimコマンドで送られてきた論理アドレスが、そう都合よく消去できるわけではないということが容易に想像できます。Windowsは、4KB以下のファイルのアクセスが大半を占めるので、漏れが生じるのは明らかだからです。<br />
<br />
このため、Deterministic Zeroing TRIMでは、以下のような流れで処理を行なっていると推測されます。<br />
<ol>
<li>Trimコマンドを受け取る</li>
<li>SSD内部の管理テーブルにTrimコマンドで送られてきた論理アドレスを登録(フラグを立て)しする。</li>
<li>読み出しが発生する。</li>
<li>フラグが立てられた論理アドレスだった場合、コントローラが自動的に「0」を返す。それ以外の場合は、通常の読み出しを行いデータを返す。</li>
</ol>
Deterministic Zeroing TRIMでは、書き込みが発生しない限り、Trimコマンドで通知された論理アドレスのデータは、いついかなる時も必ず「0」で返さなければなりません。これを実現するには、上記のような仕組みの実装が事実上必須だといえます。<br />
<br />
ここでまで読んで、あることに気づかれた思われた方がいるのではないでしょうか。そうです。Read Zero After TrimとDeterministic Zeroing TRIMでなにが違うのかということです。<br />
正直、僕も違いがわかりません。<br />
<br />
というのも、RZATやDRATの対応、非対応の確認は、ATA IDENTIFY DEVICEコマンドで取得できる情報のWord69、Bit5/Bit14で確認できます。Bit5は、RZATのフラグで、Bit14がDRATのフラグです。それぞれ、「1」がセットされていた場合は対応。「0」の場合は非対応です。<br />
<br />
Deterministic Zeroing TRIM用のフラグは準備されていませんので、普通に考えれば、RZATおよびDRATの両方に「1」をセットしておけば、Deterministic Zeroing TRIM対応と考えることができます。このタイプ製品は、僕の知る限り現状、SAMSUNG 840/840Proに加え、Intel SSD 320シリーズがあります。<br />
<span id="goog_1064798964"></span><span id="goog_1064798965"></span><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-4dl9LWVs0OI/UL3o5qA98_I/AAAAAAAAASQ/K4clPqwm_nE/s1600/samsung840-trim.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-4dl9LWVs0OI/UL3o5qA98_I/AAAAAAAAASQ/K4clPqwm_nE/s400/samsung840-trim.png" height="280" width="400" /></a></div>
<br />
しかし、Intelの330/335/520シリーズやMicron/CrucialのSSDのように、DRATにのみ「1」がセットされ、RZATは「0(非対応)」となっていますが、データとしては「0」を返してくるような製品もあります。また、Plextor(PLDS)のSSDは、DRAT/RZATの両方に「0」をセットしつつ、実際にはデータとして「0」を返してきます。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-caE82wPL4pc/UL3pK8TgFHI/AAAAAAAAASY/9y5eTfyC5o4/s1600/intel330-word69.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-caE82wPL4pc/UL3pK8TgFHI/AAAAAAAAASY/9y5eTfyC5o4/s400/intel330-word69.png" height="280" width="400" /></a></div>
<br />
前者の場合は、DRATが「1」となっている上で、データとして「0」を返してきているので事実上、Deterministic Zeroing TRIM対応ではないかと思うのですが、なんとも言えません。一方、後者の場合は、DRATが「0」となっていますので、「0」が返ってこないケースがごくまれにあるのかもしれません。だからDRATに「0」がセットしてあると見ることもできます。ちなみに、RZATのみが「1」にセットされた製品を僕は見たことがありません。<br />
<br />
というわけで、現状では、実際の動作とセットでみると、ATA IDENTIFY DEVICEコマンドで取得できる情報のフラグの立て方に、メーカー間の解釈の違いが存在しているようにみうけられます。コマンドセット場合、手取り足取りこうしろと細かく規定されているんじゃないかと思われる方が多いと思います。しかし、実際は、結構いい加減です。解釈の違いでフラグの立て方が違うとか、コマンドの挙動が他のメーカーと違うとかいうことは、無いわけではありません。今回のIntel/Micronのケースは、これに当てはまるのではないかと推測しております。<br />
<br />
なお、RZAT/DRAT対応/非対応の確認は、Intel SSD Toolboxを使うと簡単です。個人的に調べた結果を掲載しておきますので、参考にしていただけたらと思います。<br />
<br />
<table align="center" border="1" cellspacing="1"><tbody>
<tr><th align="center" width="180">Model</th><th align="center" width="80">RZAT</th><th align="center" width="80">DRAT</th><th align="center" width="80">実データ</th></tr>
<tr><td align="center">Intel 330/335/520</td><td align="center">×</td><td align="center">◯</td><td align="center">0データ</td></tr>
<tr><td align="center">Crucial m4</td><td align="center">×</td><td align="center">◯</td><td align="center">0データ</td></tr>
<tr><td align="center">TOSHIBA THNSNSXXXGBSP(砂芝)</td><td align="center">×</td><td align="center">×</td><td align="center">読み出したデータ</td></tr>
<tr><td align="center">SAMSUNG 840/840 Pro</td><td align="center">◯</td><td align="center">◯</td><td align="center">0データ</td></tr>
<tr><td align="center">SAMSUNG 830</td><td align="center">×</td><td align="center">×</td><td align="center">0データ</td></tr>
<tr><td align="center">Plextor M3P/M5P</td><td align="center">×</td><td align="center">×</td><td align="center">0データ</td></tr>
</tbody></table>
marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-69082341457004593872012-11-19T04:29:00.000+09:002012-11-19T04:33:42.928+09:00Trimコマンドの送信を個人でチェックする方法前回の記事から随分と時間が空いてしまって申し訳ございません。<br />
今回は、RAID0環境またはそれ以外の環境で、Trimコマンドがきちんと送信されているかどうかを個人で検証する方法について説明したいと思います。<br />
<br />
前回の記事は、Windows環境におけるTrimコマンドの送信可否についてレポートしました。現状でわかっていることをまとめるとWindows環境でのTrimコマンドの送信は以下の条件を満たしている場合に限定されます(専用ソフト等を使用したTrimコマンドの送信は含みません。あくまでOSの機能として実装されている場合のみを前提としています)。<br />
<ol>
<li> Windows7以降でMSの標準ドライバー(IDE/AHCI)を利用している場合</li>
<li>AHCIモードでTrim対応のベンダードライバー(Intelチップセットの場合はIntel製ドライバー、AMDやMarvellなども同様)を利用している場合(OSは、Windows 7以降に限る)</li>
<li>Intel製チップセット搭載マザーを利用し、かつRAIDモードで利用している場合で、RAID構築に利用していないドライブ(OSは、Windows 7以降に限る)</li>
<li> Intel 7シリーズチップセットを採用したマザーボードにおいてRAID0を構築している場合で、かつVer11以降のIntel製ドライバーを利用している場合(OSは、Windows 7以降で、IntelのV11以降のドライバーならV11.0.XXXXでも送信されることをバスアナで確認しています)</li>
</ol>
上記の條件が、僕個人として、現在確認ができているWindows環境におけるTrimコマンドの送信条件です。しかし、ネット上の書き込み等をみると、RAID0で利用している場合のTrimコマンドの送信条件を勘違いしている方がいまだに多いようです。<br />
<br />
今回の記事は、これを是正したいということもあり、執筆することにしました。 <br />
ここで説明する方法でチェックすれば、単体でSSDを利用している場合だけでなく、RAID0で利用している場合でもTrimコマンドが送信されているかを簡単にチェックできます。興味がある方は、ご自分でチェックを行われることをオススメします。<br />
<br />
Trimコマンドが送信されているかどうかの検証は、以下の環境があれば行えます。<br />
<ul>
<li>Windows 7以降</li>
<li>ファイル復元ソフト</li>
<li>Read Zero After Trim対応SSDまたはそれに準ずる機能を搭載したSSD(詳細は後述)</li>
</ul>
また、確認手順は、以下の通りです。ごみ箱から削除したファイルをファイル復元ソフトで復元し、そのファイルの内容をするだけという簡単な内容です。復元したファイルが「0」で埋まっ
ていれば、Trimコマンドが送信されています。逆に正常にファイルを復元できた場合は、Trimコマンドが送信されていません。<br />
<ol>
<li>ファイルをごみ箱にドラッグ&ドロップする</li>
<li>こび箱を空にする(ごみ箱からファイルを削除する</li>
<li>ファイル復元ソフトでごみ箱から削除したファイルを復元する</li>
<li>復元したファイルが「0」で埋まっているかどうかを確認する </li>
</ol>
なぜ、この方法で確認できるかと言いますと、現在発売中のSSDは、一部の製品を除き、TrimコマンドによってOS側から受け取った論理アドレス(LBA)に対して、書き込みが発生する前に読み出しが発生すると「0」を返す仕様のSSDが主流となってきているからです。このような仕様を、俗にRead Zero After TrimやDeterministic Zeroing TRIM(条件付き)と呼びます。<br />
<br />
Windows 7以降では、ごみ箱からファイルを削除すると、OS(Windows)が削除したファイルが書き込まれていた論理アドレスをTrimコマンドでSSDに通知します。しかし、ファイルシステムレベルでは、ごみ箱から削除してもそのファイルに削除フラグを立てるだけで、削除されたファイルが書き込まれていた場所(論理アドレス)の情報は残っています。これより、ファイル復元ソフトを利用すれば、ごみ箱から削除したファイルを復元できます。<br />
<br />
しかし、前述した仕様のSSDは、Trimコマンドで送られてきた論理アドレスに対して、書き込みが発生する前に読み出しが発生すると、そのアドレスのデータは、すべて「0」が返ってきます。このため、ファイルの復元そのものは問題なくできますが、中身のデータはすべて「0」になるというわけです。これは、単体で利用していようが、RAID0構成に利用されていようが結果は同じです。<br />
<br />
実際の結果をお見せします。<br />
以下の画面は、Read Zero After TrimおよびDeterministic Zeroing TRIM対応のSAMSUNG SSD 840とSAMSUNG SSD 840 Proを使ってRAID0を構築し、ごみ箱から削除したファイルを復元したときの結果です。検証に利用した環境は以下の通りです。<br />
<ul>
<li>マザーボード:Gigabyte Z77MX-D3H Rev1.0(Intel Z77Express採用)</li>
<li>RAIDのOROMのバージョン:11.1.0.1413</li>
<li>ドライバーのバージョン:11.5.0.1207</li>
<li>ファイル復元ソフト:FINALDATA10</li>
</ul>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-yEocIcDlk74/UKkw-fvbvaI/AAAAAAAAAR4/4woKx4WmROw/s1600/Trim01.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="275" src="http://4.bp.blogspot.com/-yEocIcDlk74/UKkw-fvbvaI/AAAAAAAAAR4/4woKx4WmROw/s400/Trim01.png" width="400" /></a></div>
<br />
これをみてもお分かりのように、ファイルはすべて「0」で埋まっています。いうまでもなく、これは、Read Zero After Trimによって、Trimコマンドで送られた論理アドレスのデータが「0」となるからです。ちなみに、OS側のTrim送信をオフに設定すると、以下のようになり、正常なファイルが復元されます。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-3xWK4J9tYAg/UKkyUUV5hKI/AAAAAAAAASA/kMC1J2SIiYU/s1600/Trim02.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="253" src="http://2.bp.blogspot.com/-3xWK4J9tYAg/UKkyUUV5hKI/AAAAAAAAASA/kMC1J2SIiYU/s400/Trim02.png" width="400" /></a></div>
<br />
このようにTrimコマンドがきちんと送信されているかどうかは、必要な機器さえ揃っていれば、個人でも簡単に確認できます。ただし、この検証を行うには、前述したようにRead Zero After Trim対応SSDまたはそれに準ずる機能を搭載したSSDを利用することが必須です。この条件を満たしていない場合は、Trimコマンドが送られていても正常にファイルが復元されてしまい、本当にコマンドが送られているかを確認できません。<br />
<br />
僕が個人的に確認している上記仕様のSSDは、Crucial m4、Plextor M3P/M5P、Intel 320/520、SAMSUNG 830/840シリーズのみです。Sandforce製コントローラを採用した製品は、Intel製SSDぐらいしか「0」を返してくれないので注意してください。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-21827319212194321862012-08-30T22:00:00.000+09:002012-08-30T22:50:10.587+09:00WindowsにおけるTrimサポートのまとめ先日、原稿でWindows 7を利用した場合のTrim送信環境について、調査する機会がありました。前回のバスアナの記事でも予告したように、今回は、Trimの送信環境についてレポートしたいと思います。<br />
<br />
最初にどのようにしてTrimが送信されるかを調査したかを簡単に説明しておきます。Trim送信環境の調査は、前回の記事で書いたプロトコルアナライザ(バスアナ)を利用して行なっています。OSからSSDに送られるATAコマンドをSATAのバス上でキャプチャして、Trimコマンドの送信の有無をチェックしています。Trimコマンドによる効果があるかどうかを検証したわけではありません。Trimコマンドの送信の事実のみをチェックしています。 <br />
<br />
それでは結果を報告します。<br />
<br />
SATAの動作モードは、<b>IDEモード/AHCIモード/RAIDモードのすべてのモードにおいてTrimコマンドの送信を確認しました</b>。これまでのネット上の情報では、Trimの送信はAHCIモードのみという情報がひとり歩きしていましたが、Windows 7/8を利用する限り、IDEモードでもTrimコマンドは間違いなく送信されています。本ブログでは、随分以前にIDEモードでもTrimコマンドがでているという検証結果をレポートしていますが、これがコマンドレベルできちんと確認できました。また、RAIDモード利用時でもRAID構築に利用していないSSDの場合は、問題なくTrimコマンドが送信されます。この点は、以前から知られていた通りです。<br />
<br />
加えて、<b>条件付きですが、RAID0の構築に利用されたSSDへのTrimコマンド送信も確認しました</b>。RAID0構築に利用したSSDへのTrimコマンド送信は、海外サイトで紹介されているように<b> Intel 7シリーズチップセットとV11以降のドライバーが必要</b>です。Intelの7シリーズチップセットを採用したマザーボードのOROMのバージョンは、すべてV11以降だと思いますので、OROMのバージョンもV11以降なら問題なくTrimコマンドが送信されると思います。また、Trim送信がサポートされたSSDは、Intel製SSDのみというような制限はないのでご安心ください。Trimコマンド対応のすべてのSSDに対してちゃんと送信されます。<br />
<br />
なお、Intel 7シリーズチップセットのRAID環境でTrim送信がサポートされているのは、RAID0構築時のみです。<b>RAID1やRAID5では、Trimコマンドは送信されません</b>。<br />
<br />
次にいつTrimコマンドが送信されるかですが、これもこれまで一般に知られていた通りです。具体的には、<b>ごみ箱からファイルやフォルダーを削除した場合、フォーマットを行った場合</b>です。パーティションの作成のみでもTrimコマンドは送信されますが、送信されるアドレス情報は非常に少なく、無視して良い程度のものです。<br />
<br />
更にSSDをHDDのキャッシュに利用すると「SRT(Smart Response Technology)」利用時もチェックしてみましたが、こちらは、<b>SRT設定時にTrimコマンドが送信されるのみで、運用状態に入るとTrimコマンドの送信は行なわれません</b>でした。速度低下が不安なユーザーは、SRTの利用解除、再構築を行えばTrimコマンドが送信されますので、定期的にこの操作を行ってみてもよいのではないかと思います。<br />
<br />
Trimコマンドの送信條件は、これまできちんとしたコマンドレベルの検証が行なわれなかったこともあり、一部混乱していた部分があったのではないかと思います。今回の検証結果は、コマンドレベルの確認ですので、間違いはありません。<br />
<br />
Trimコマンドの対応は、本来機材さえあれば簡単に確認できることは随分前からわかっていたのですが、機材そのものが安価なものでも200万円ぐらいするのでなかなかチェックする機会がありませんでした。チェックできる機会を与えてくれた某社の方に感謝したいと思います。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-90401345782112498472012-08-15T02:15:00.002+09:002012-08-15T03:05:23.489+09:00バスアナでTRIMの動きをみてみました現在、今月末発売の某PC雑誌の仕事で、プロトコルアナライザ(バスアナライザ、通称バスアナ)をお借りしております。バスアナに触るのは久しぶりだったのですが、やっぱり、楽しいですね。これを使って開発の仕事をするのはマジで辛いと思いますが、雑誌の検証レベルでコマンドをみるだけなら楽しいです。というわけで、今回は、バスアナについて簡単に紹介しようと思います。<br />
<br />
今回、お借りしているのは、LeCroy社の「STX M6-1」という製品で、SATA 6G対応の1ポートのプロトコルアナライザ(バスアナ)です。プロトコルアナライザとは、その名の通り、バスに流れるパケットなどをキャプチャして表示する機器です。このため接続は、ホスト(マザー
ボードのSATAポート)とSSDなどの機器の中間に配置する必要があります。具体的には、バスアナの入力端子をSATAケーブルで接続し、バスの出力端子とSSDなどのSATA機器を接続します。このようにバスアナをSATAのホストと機器の中間に接続することでバスに流れるパケットなどをごそっとキャプチャする仕組みです。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-6JdbEF9LOGY/UCpucrcPaJI/AAAAAAAAARU/8UG2zfTUlo8/s1600/Lecroy01.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="255" src="http://3.bp.blogspot.com/-6JdbEF9LOGY/UCpucrcPaJI/AAAAAAAAARU/8UG2zfTUlo8/s400/Lecroy01.png" width="400" /></a></div>
<br />
実際にどのような感じのものがみれるかと言いますと、上の画面のような感じとなります。ストレージ用のデバドラに取り付きコマンドをキャプチャするとソフトウェアのアナライザもありますが、今回のようなハードウェアのバスアナなら、SATA LPMの動きなどもキャプチャできます。この例だと、デバイスからホストに対して、「PMREQ_S」というリクエストが送られています。PMREQ_Sは、スランバーの要求で、PMREQ_Pだとパーシャルです。また、リクエストの方向がデバイスからホストですから、今回のケースでは、DIPMでスランバーのリクエストが送られていることがわかります。ちなみに、HIPMならホストからデバイスに対して同じようにリクエストが送られます。<br />
<br />
その下の「PMACK」というのが、ホストからの返信です。この場合、OKなのでPMACKを返しており、SATA LPMの省電力状態に機器が入っています。ちなみにNOの場合は、PMNACKが返ってきます。さらに下にある「COMWAKE」というのが、省電力状態からの復帰要求です。ホストからコマンドが送られてくるので、省電力状態からデバイスを復帰させています。<br />
<br />
COMWAKEで機器を復帰させたあとに送られてきたのが、SSDで有名なATAコマンドです。そうこのブログを読んでいらっしゃるかたならご存知の「TRIM」です。TRIMは、正式には「Data Set Management」コマンドと呼ばれます。また、SASにもTRIMと同等のコマンドが準備されており、こちらは、UNMAPコマンドと呼ばれます。<br />
<br />
以上のようにバスアナを使うと、ストレージに対してどんなコマンドが送られているかなど、パソコンを使っているだけではわからないような動きを知ることができます。特に今回のようなハードウェアのバスアナなら、信号をまるごとごそっとキャプチャできますので、コマンドの動きなどを把握することができます。<br />
<br />
今回なぜこのようなものをお借りしているかというと、実は、TRIMコマンドが送られる条件やRAIDでTRIMが送られるのかなどを調べるためです。バスアナがあれば、コマンドがキャプチャできるので一発です。コマンドがデバイスに送られていれば、TRIMがでている。そうでなければでていません。TRIMの対応非対応の検証は、バスアナでみるのが一番早いのですが、LeCroyさんの一番安いこのバスアナですら200万円ぐらいします。さすがに高価過ぎて、貸し出し申請もし難いという事情もあります。 <br />
<br />
さて本来なら、ここで検証の結果をお伝えしたいところですが、今回は、さすがに雑誌の発売前なので公表できません。雑誌発売後に時期をみて改めて紹介したいと思います。お急ぎの方は、29日発売のコア向けのPC雑誌をご覧ください。<br />
<br />
ちなみにLeCroy社のバスアナは、SATAの公式バスアナとして採用されています。SATA規格は、コマンドシーケンスなどが厳しく定められており、接続されている機器が規定のシーケンスで動作しているかなどをこのバスアナで取得してチェックされます。バスアナは、LeCroyのほか、さまざまなメーカーから発売されていますが、SATAの認証を取るには、LeCroy社のバスアナで取得したログが必要だったと記憶しております。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-19414463806482269952012-08-11T03:25:00.000+09:002012-08-11T03:27:23.632+09:00sandisk SDCZ80シリーズ前回、最近のUSBメモリは遅いという話を書いたところ、コメントでsandiskのSDCZ80シリーズがすごく速いという話をみて興味が湧きました。調べてみたところ、64GBモデルが6500円ほどで購入でき、高速なUSBメモリの割には安価ということで購入してみました。今回は、sandiskのUSB3.0メモリ、「SDCZ80シリーズ」の64GBモデルのレビューをお届けしたいと思います。速度関係のベンチマーク
は、すでにあちらこちらで見かけることができますので、本ブログでは、ちょっとアクセントを付けてSecure
Eraseを行ったらどうなるかという点についてもレポートします。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-pxZO_W7igKE/UCUu2HfE0hI/AAAAAAAAAQc/w7WEVhLqw5k/s1600/SDCZ80p.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="246" src="http://1.bp.blogspot.com/-pxZO_W7igKE/UCUu2HfE0hI/AAAAAAAAAQc/w7WEVhLqw5k/s320/SDCZ80p.png" width="320" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<br />
最初にSDCZ80シリーズの諸元について簡単に説明します。本製品は、ネットにでている分解写真をみる限り、NANDメモリのパッケージが1つに、SSD用のコントローラ、SATA-USB3.0変換チップで構成されているようにみえます。つまり、中身は単なるSSDで、それをSATA-USB3.0変換チップでUSBメモリにしているだけのようです。<br />
<br />
一部では、中身のSSDがsandiskの「iSSD」という話もでているようですが、これは間違いではないかと思います。というのも、sandiskのサイトみる限り、iSSDは、「μSSD規格」準拠となっています。μSSD規格とは、1つのパッケージ内にNANDメモリとコントローラを積層したワンチップソリューションのSSDです。本製品は、前述したようにSSD用のコントローラがNANDメモリのパッケージ内に積層されていないように見受けられるので、厳密にはiSSDではなく、NANDメモリのパッケージが1つで設計されたSSDとなるのではないかと思います。<br />
<br />
ちなみに、μSSD規格で製造できるSSDの最大容量は、現在のところ「128GB」です。これは、NANDメモリのパッケージ加工技術として実用化されているのが「16積層」までだからです。現在のNANDフラッシュメモリのダイ当たり容量は、64Gbit(8GB)ですから「8x16=128GB」が最大というわけです。<br />
<br />
本製品の性能ですが、中身がSSDですからさすがに速いです。定番のCrysita Disk Markでは、シーケンシャルリードライトともに200MB/sec前後の速度がでます。512KBや4KBのライトの速度は、イマドキのSSDとしては遅めだと思いますが、USBメモリと比較すれば、段違いの速度です。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-d1b5Wn07Shg/UCUu8X6WreI/AAAAAAAAAQk/S5OkhWBKc88/s1600/SDCZ80.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="291" src="http://2.bp.blogspot.com/-d1b5Wn07Shg/UCUu8X6WreI/AAAAAAAAAQk/S5OkhWBKc88/s320/SDCZ80.png" width="320" /></a></div>
<br />
次に本製品におけるSecure Eraseの検証結果を報告します。結論から先に言いますと、本製品におけるSecureEraseは、コマンド自体は送られているようです。ただ、その挙動は、一般的なSSDとは異なっています。Secure Eraseを実行すると、本製品に書き込まれていたデータは確かにクリアされますが、速度はSSDのようには復活しません。イメージとしては、単に管理テーブルを「0」で埋めただけのような挙動です。<br />
<br />
以下に、検証データを掲載しておきます。一番上が購入後比較的早い段階で取得しておいたHD TUNE Pro 5.0のシーケンシャルライトの結果。2番めが1KB~1MBまでの1000個のファイルの書き込みを1セットとして、1000個書いたら、半分消去を150回ほど繰り返した後の測定結果。一番下が、2番目の検証を行った後、Parted Magicを利用してSecure Eraseを実行後に測定したものです。この結果をみれば、一目瞭然です。一番上のデータがもっとも良く、SecureErase後の結果は、2番目の結果と大差がありません。つまり、データは消去されますが、速度は戻ってきません。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-dgWy-AqrqkE/UCVF8ir648I/AAAAAAAAAQ0/7oKmZEDaT1w/s1600/SDCZ80-HDTUNE.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="225" src="http://2.bp.blogspot.com/-dgWy-AqrqkE/UCVF8ir648I/AAAAAAAAAQ0/7oKmZEDaT1w/s320/SDCZ80-HDTUNE.png" width="320" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-MVfUAA2fbh0/UCVGAgpPGjI/AAAAAAAAAQ8/iw58FW4YX6Q/s1600/SDCZ81-HDTUNE-rekka.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="225" src="http://1.bp.blogspot.com/-MVfUAA2fbh0/UCVGAgpPGjI/AAAAAAAAAQ8/iw58FW4YX6Q/s320/SDCZ81-HDTUNE-rekka.png" width="320" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-kDMgzZhGI9U/UCVGEGtbhNI/AAAAAAAAARE/VMBUnFgQa8I/s1600/SDCZ81-HDTUNE-se.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="225" src="http://3.bp.blogspot.com/-kDMgzZhGI9U/UCVGEGtbhNI/AAAAAAAAARE/VMBUnFgQa8I/s320/SDCZ81-HDTUNE-se.png" width="320" /></a></div>
<br />
本製品は、USBメモリでありながら中身がSATA-USB3.0変換を用いたSSDということで、Secure Eraseのチェックを行ってみました。Secure Eraseで速度が復活してくれたら、結構画期的だと思ったのですが、なかなか思ったようには行かないようです。<br />
<br />
SATA-USB変換を利用してUSB接続にしたSSDでは、Secure Eraseを行えないと思っている方が多いと思いますが、実は、そんなことはありません。確かに中には、Secure EraseのコマンドをフィルタしてしまうようなSATA-USB変換も存在しているようですが、すべてではありません。今回のsandiskのようにきちんとコマンドをスルーしてSSDに送ってくれるような製品も存在しています。今回のSecure Eraseの検証は、実はそれを知っていて敢えて行ってみました。Freeze Lockもかかっておらず、コマンドが通ったところまでは良かったのですが、その後の処理の方法がまさか変更されているとは想像しませんでした。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com8tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-29906164641957320272012-07-05T01:19:00.000+09:002012-07-07T02:27:08.682+09:00USBメモリの書き込み速度が遅い(USB3.0対応)久しぶりの更新になります。<br />
今回は、順調に書き込み速度が低下しているUSBメモリのお話をしたいと思います。<br />
<br />
昨今のUSBメモリは、特にUSB3.0対応製品を中心に読み出し速度の高速性のみを紹介し、書き込み速度については触れないとも多くなりました。このため、実際に購入してみたら書き込み速度が異様に遅く、「なぜ?」という方もいらっしゃるようです。そこで今回は、USBメモリやSSDの速度がどこで決まるかという話を中心に、昨今の事情を解説したいと思います。<br />
<br />
本Blogをよく読まされている方なら常識かもしれませんが、SSDやUSBメモリの理論上の最大速度は、NANDフラッシュメモリの「<b>インターフェース速度 x コントローラの物理チャンネルの数</b>」によって決まります。SSDの場合ですと、コントローラに搭載されたNANDフラッシュメモリ接続用の物理チャンネルは通常「8個」。USBメモリの場合は、1、2、4個の3種類のコントローラがあるようです。<br />
<br />
インターフェースの速度は、大きく2つあります。1つが、同期モードです。ONFI NV-DDR 1.0の場合で166または200MB/sec。東芝とSAMSUNGが推進しているToggle DDR 1.0の場合で133MB/secです。次世代のONFI NV-DDR 2.0及びToggle DDR 2.0なら400MB/secとさらに高速化されます。もう1つがAsyncモード(非同期転送モード)です。Asyncモード時の速度は、公開されていないので詳細は不明ですが、NV-DDR 1.0やToggle DDR 1.0の半分前後ぐらいだと思っていればよいかと思います。<br />
<br />
上記を前提としますと、SSDは通常、物理チャンネルが8つありますので、同期モードの場合、最大1600MB/sec。USBメモリは、同期モードの場合で、1チャンネル品が200MB/sec。2チャンネルなら400MB/sec。4チャンネルなら800MB/secが最大速度ということになります。つまり、USBメモリの場合、最大速度が100MB/sec程度でよいなら、1チャンネル品のコントローラで十分事足りるということになります。<br />
<br />
次に書き込み速度についてですが、これを決める要素は、「<b>NANDフラッシュメモリ単体の書き込み速度 x 並列アクセスバンク数(同時にアクセスできるダイの数)</b>」です。つまり、素のNANDフラッシュメモリの書き込み速度が10MB/secだと仮定すると、1ch接続でもダイが2個あれば、2Wayインターリーブを使って20MB/sec、4個あれば4Wayインターリーブで40MB/secの速度がでます。最近のUSBメモリの書き込み速度が何故遅いかという原因は、まさにここにあります。要するにUSBメモリに搭載されているNANDフラッシュメモリのダイの数が少ないのです。<br />
<br />
加えて、最近のUSBメモリは、SSDで一般的なMLCタイプだけではなく、TLCタイプも使用されているようです。これが、USBメモリの書き込み速度の低下に拍車をかけています。<br />
<br />
TLCタイプのNANDフラッシュメモリは、読み出し速度こそMLCタイプとほぼ同じですが、書き込み速度は、MLCタイプの半分ぐらいしかありません。しかもTLCは、ダイ当たりの容量が64Gbit(8GB)のものが一般的です。一方、MLCの場合は、32Gbit品と64Gbit品の両方が現在の主流です。<br />
<br />
まとめますと、現在のUSBメモリの書き込み速度の低下には、大きく2つの要素があります。1つが、NANDフラッシュメモリ自体の書き込み速度の低下です。これは、製造プロセスの微細化による速度低下とMLCではなく、TLCを使うことによる速度低下です。2つ目が、NANDフラッシュメモリの大容量化です。現在のNANDフラッシュメモリは、MLCの場合で32Gbitと64Gbit品の2種類があり、TLCの場合は、現時点で64Gbit品が主流です。このため、8GBモデルなら1つのダイで製造でき、16GBモデルでも2つのダイで製造できてしまいます。同時にアクセスできるダイの数そのものが少ないのですから、書き込み速度があがるわけがありません。<br />
<br />
特に現在の安価なUSBメモリは、TLCタイプが採用されている可能性が高いので、購入時には、最初から速度は割り切っておいた方が良いと思います。実例をお見せします。以下のベンチマーク結果は、先日「400円」で購入したLexar MediaのJUMPDRIVEという8GBのUSBメモリ(USB2.0接続)の速度です。リードこそ20MB/secほどでていますが、ライトは、7MB/secほどしかでていません。TLCタイプのNANDフラッシュメモリの書き込み速度は、7MB/sec前後ぐらいだったと思いますのでその速度に合致しています。MLCの64Gbit版のダイ1つの可能性も否定はしませんが、MLCの場合、だいたい10MB/secぐらいの速度がでます。価格も考慮して考えると、本製品に採用されているのは、非同期モード専用品のTLCタイプのNANDフラッシュメモリの可能性が高いと思われます。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-7CjttGVMjGg/T_RZzPJqbEI/AAAAAAAAAPs/BVsmQfxeVZw/s1600/lexer.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="291" src="http://4.bp.blogspot.com/-7CjttGVMjGg/T_RZzPJqbEI/AAAAAAAAAPs/BVsmQfxeVZw/s320/lexer.png" width="320" /></a></div>
<br />
もう一つ、LexarのJUMPDRIVEと一緒に「800円」で購入したSUPER TALENTのUSB3.0 Express ST1の16GBモデルのベンチマークも載せておきます。この製品もJUMPDRIVEに負けず劣らずでなかなか素晴らしい結果です。リードこそ90MB/secほどでていますが、ライトはなんと12MB/sec弱。どうみてもNANDフラッシュメモリがTLCタイプっぽい速度です。推測ですが、おそらくこの製品の搭載メモリは、TLCタイプで同期モードなのだと思います。16GBモデルなので、64Gbit(8GB)のダイが2つで1ch接続の2Wayインターリーブまたは2ch接続なのでしょう。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-Oja3I4rhOjg/T_RoVP3inUI/AAAAAAAAAP4/uCgFUcAmuec/s1600/ST1.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="291" src="http://2.bp.blogspot.com/-Oja3I4rhOjg/T_RoVP3inUI/AAAAAAAAAP4/uCgFUcAmuec/s320/ST1.png" width="320" /></a></div>
<br />
最近のUSBメモリは、低価格化のためにTLCタイプのNANDフラッシュメモリを採用する例が増加しているようです。これによって、特に安価なモデルを中心により一層書き込み速度が遅くなっています。上記のSUPER TALENTの例を考えると、USB3.0対応の32GBモデルですら書き込み速度が25MB/sec前後の製品が以外に多いのかもしれません。昨年までのUSB3.0接続のUSBメモリは、同期モードのMLCタイプを採用しているというイメージでしたが、現在は、同期モードのTLCタイプに変更されてきているという感じがします。少しでも高速な製品が欲しいときは、入念な下調べが必要なのだと思います。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com10tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-62529732427781813212012-04-29T00:42:00.001+09:002012-04-29T00:43:09.121+09:00イマドキのSSDの消費電力(2012年4月版)ネットを見ていると最近は、SSDの消費電力を気にする方も多いようです。<br />
たまたま、ワットチェッカーが手元にあったので、イマドキのSSDの消費電力を測定してみました。今回は、その結果をレポートしてみたいと思います。<br />
<br />
今回チェックしたSSDは、「Plextor PX-128M3P」「Plextor PX-256M3P」「Crcial m4(128GB版)」「Intel SSD 520(120GB版)」「SAMSUNG 830(128GB版)」「東芝 THNSNS120GBSP」の6製品です。同じコントローラでNANDメモリのメーカー違いや容量違いなどをセレクトしたので、現在のSSDの消費電力のだいたいの傾向がつかめるのではないでしょうか。<br />
<br />
測定環境は、マザーにASRock社のZ68 Extream4 Gen3を利用し、BIOS設定でC1E、C6 State、SATA Aggressive Link Power Managementの各設定を「Disable」にしています。OSは、Windows 7 Ultimate SP1 64bit版を利用しました。また、Windowsの電源オプションのハードディスクの「次の時間が経過したらハードディスクの電源を切る」の設定は「オフ」、スリープ関係の設定はすべて「オフ」、PCI Expressの「リンク状態の電源管理」も「オフ」です。さらに、SATA LPMの設定は、既定値(オン)のままにしてあります。<br />
<br />
余談ですが、上記の設定が、僕が雑誌等でSSDのベンチマークを行うときの設定です。利用しているSSDが、雑誌の結果と大きくかけ離れている場合は、上記の設定を行ってベンチマークを行ってみてください。これでだいたい同じ速度がでるようになるはずです。<br />
<br />
また、最大消費電力(Max)は、IOMeterで16KBのランダムライトと1MBのシーケンシャルライトをそれぞれ3分間ずつ行い測定しています。ライトで消費電力を測定しているのは、いろいろ試してみたところリードよりもライトの方が、消費電力が高かったからです。最小消費電力(Min)は、テスト終了後、20分ほど放置してその間の最小値を測定しています。結果は、下のグラフをみてください。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-Lcc9CKDaH6Y/T5keCnuZraI/AAAAAAAAAPI/JV2LX8SIbLI/s1600/SSD-Power.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="247" src="http://4.bp.blogspot.com/-Lcc9CKDaH6Y/T5keCnuZraI/AAAAAAAAAPI/JV2LX8SIbLI/s400/SSD-Power.png" width="400" /></a></div>
<br />
消費電力がもっとも高かったのが、SAMSUNG 830の「5.3W」でした。この数字は、ダントツです。やはり、トリプルコアのコントローラが電力を食っているのでしょうか、イマドキのSSDとしては、かなり高い消費電力といえます。次点は、THNSNS120GBSPの「4.4W」です。THNSNS120GBSPは、連続した書き込みが続くとかなり発熱しますが、消費電力は、発熱の多さほどではないようです。薄いアルミの筐体に熱を流している分、他の製品よりも熱く感じてしまうのではないでしょうか。また、最大消費電力がもっとも低かったのは、PX-128M3Pでした。この製品は、性能の割に消費電力が低い製品といえます。 <br />
<br />
注目したいのは、PX-128M3PとPX-256M3Pの結果です。書き込み速度が上がれば、それだけ消費電力が高くなることは誰でも想像できますが、想像通り、PX-256M3Pの方がPX-128M3Pよりも「0.6W」ほど消費電力が高くなっています。NANDメモリが異なるので、単純な比較はできませんが、これから推測すると、SAMSUNG 830の256GB版は、6W近い最大消費電力になりそうです。<br />
<br />
また、最小消費電力は、Toggle DDRの東芝/SAMSUNGグループとONFiのIMFTで綺麗に別れています。Toggle DDR採用のPX-128M3P/PX-256M3P、THNSNS120GBSP、SAMSUNG 830は、いずれも「0.6W」。ONFiのCrucial m4、Intel SSD 520は、それぞれ1Wと1.1Wでした。消費電力と性能を考えた場合、今回チェックした製品の中でもっともバランスが良かったのは、Plextorの製品ということになると思います。<br />
<br />
最後に東芝のTHNSNS120GBSPの発熱についてふれたいと思います。消費電力のテスト前とテスト後の温度をCrystal Disk Infoで比較してみました。結果は、以下のようになりました。<br />
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-RSiRWLyGN64/T5wLvhL0mAI/AAAAAAAAAPU/kqF8v8bGLB4/s1600/StartTemp.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="262" src="http://4.bp.blogspot.com/-RSiRWLyGN64/T5wLvhL0mAI/AAAAAAAAAPU/kqF8v8bGLB4/s320/StartTemp.png" width="320" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-DiYgPErv8JE/T5wLy3R2o9I/AAAAAAAAAPc/ZUpMh4f3V1M/s1600/StopTemp.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="262" src="http://1.bp.blogspot.com/-DiYgPErv8JE/T5wLy3R2o9I/AAAAAAAAAPc/ZUpMh4f3V1M/s320/StopTemp.png" width="320" /></a></div>
<br />
上の画面がテスト前の温度、下の画面がテスト後の温度です。センサーが正しいなら、わずか6分間の連続書き込みで温度が50度まで上昇していることになります。これはかなり高い温度だと思います。通常の利用では、OSインストールやバックアップの復元などを除き、最大速度で5分を超えて連続して書き込みを行うような機会はそれほど多くはないと思います。このため、ここまで温度が上がるケースは、それほど多くはないと思いますが、ノートパソコンで使いたい方は頭の片隅にいれておいた方がよいでしょう。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com4tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-60280120740715899362012-04-24T20:09:00.001+09:002012-04-24T20:24:49.101+09:00TOSHIBA THNSNS120GBSPの速度低下について前回の記事をアップしたあとに東芝の最新SSD「THNSNS120GBSP」をある程度使ったら、シーケンシャルライトの速度が低下したままになるというコメントを頂きました。<br />
このコメントが非常に気になったので、僕の方でもこの現象について検証してみました。今回は、その結果をレポートしたいと思います。<br />
<br />
検証は、IOMeterを使って行いました。ライトパターンは、1MBのシーケンシャルライト15秒間です。これをワンセットとして計40回、10分間の書き込みを行いました。その結果が、以下のグラフです。グラフの青の線が書き込み速度、赤の線が総書き込み容量です。<br />
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-jLsFxS4Xm3s/T5Z8_VBJkZI/AAAAAAAAAO4/UGfEcyV8zN0/s1600/ToshibaSEQ.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="248" src="http://2.bp.blogspot.com/-jLsFxS4Xm3s/T5Z8_VBJkZI/AAAAAAAAAO4/UGfEcyV8zN0/s400/ToshibaSEQ.png" width="400" /></a></div>
<br />
この結果をみてもらうとわかりますが、本製品の場合、公称記録容量(ユーザーデータエリア、本製品の場合111.79GiB)を超える120GiB(グラフではGB表記していますが、GiBです)のデータを書き込むとシーケンシャルライトの速度が約240MB/secに低下し、以降はこの速度のまましばらく推移します。Marvell製コントローラ採用製品では、これと同じテストを行っても、シーケンシャルライト速度が低下することはありません。しかし、Sandforce製コントローラの場合は、必ず、速度が低下するようです。これは、Intel SSD 520の結果から推測できます。<br />
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-L39otcaTTsU/T5aA7m3tDKI/AAAAAAAAAPA/gsIyxqWv_Tc/s1600/Intel520seq.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="230" src="http://1.bp.blogspot.com/-L39otcaTTsU/T5aA7m3tDKI/AAAAAAAAAPA/gsIyxqWv_Tc/s400/Intel520seq.png" width="400" /></a></div>
<br />
上記のグラフは、Intel SSD 520でTHNSNS120GBSPと同じテストを20分間行ったときのグラフです(計測時間が長くなっているのは、書き込み速度が異なるからです)。速度低下の大きさや速度低下するまでの総データ書き込み量はTHNSNS120GBSPとは異なりますが、Intel SSD 520も同じように速度が低下し、よく似た傾向のグラフとなっています。Sandforce製コントローラを採用したSSDの場合、初期速度と記録容量一周分のデータを書き込んだあとでは、明らかに書き込み速度が異なります。Sandforce製コントローラでは公称記録容量付近まで連続してデータを書き込むと、書き込み速度が低下する仕様なのだと思います。いうまでもありませんが、この状態から初期速度に戻すには、SecureEraseを行うのがもっとも手っ取り早い方法です。<br />
<br />
なお、速度低下が始まる総書き込み容量が、THNSNS120GBSPとIntel SSD 520とで異なっています。これは、THNSNS120GBSPの方が、 より積極的に実際に記録可能なエリア(NANDメモリの総容量)を利用する仕様になっているからだと推測されます。<br />
<br />
THNSNS120GBSPは、こんな盲点があるとは気づきませんでした。前回記事でコメントを頂いた方に感謝したいと思います。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com5tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-83562656290449428142012-04-16T01:21:00.001+09:002012-04-24T20:21:07.887+09:00TOSHIBA THNSNS120GBSP前作HG3から実に1年以上も経過してしまいましたが、東芝ブランドの最新SSDが発売になりました。早速、120GB版の「THNSNS120GBSP」を購入してきたので簡単に紹介したいと思います。<br />
<br />
まず、本製品に採用されているコントローラ「TC58NC5HJ8GSB-01」は、ネットでも話題になっているように自社製コントローラではありません。Sandforce社のSF-2281/2282をベースとしたカスタムコントローラが採用されています。なにをどのようにカスタムしたかの詳細は不明ですが、普通に考えるとメインの機能などはそのままで、NANDメモリの取り扱い部分が変更されている可能性が高いと思います。つまり、東芝製Toggle DDR NANDメモリに最適化したと考えるのが自然でしょう。<br />
<br />
余談ですが、本製品は、HG3の事実上の後継製品となるようで2.5インチ版だけでなく、mSATA版なども展開されるようです。このため、近い将来、本製品のmSATA版を搭載したノートPCなども登場すると思われます。<br />
<br />
次に各種ベンチマーク結果を紹介します。今回は、ベースコントローラが同じIntel SSD 520とOCZ Technology Vertex3との比較で紹介します。THNSNS120GBSPとIntel SSD 520/Vertex3の違いは、NANDメモリとファームウェアです。THNSNS120GBSPは、いうまでもなく東芝製Toggle DDR NANDメモリを採用(24nmプロセス製造品)し、東芝の手が入ったカスタムファームを採用しています。Intel SSD 520/Vertex3は、いずれもIMFTの製造した25nmプロセスのNANDメモリをONFiの同期モードで使用しています。ファームウェアもIntel SSD 520は、Intelの手が入ったカスタムで、Vertex3が、もっとも独自部分が少ないファームウェアと推測されます。<br />
<br />
定番のCrystal Disk Marの結果は、以下の通りです。 THNSNS120GBSPは、これまでのSF-2281搭載した製品は何だったのというぐらいシーケンシャルライト速度が強烈に速く、120GBモデルですら390MB/sec強の速度がでます。この速度は、Intel SSD 520やVertex3との比較で約2倍も速く、350MB/sec前後のPlextor M3PシリーズやSAMSUNG 830よりもシーケンシャルライト速度は高速です。また、Sandforce製コントローラらしく、圧縮が効く0Fillでは、さらに速度が速くなります。ただし、Intel SSD 520と同様でシーケンシャルリードに関しては、若干、Vertex3の方が速いようです。<br />
<br />
実環境をエミュレートするPC Mark Vantage HDD Test Suiteの結果もSandforce製コントローラでは、最高の83000オーバーのスコアを実現。このスコアは、Marvell製コントローラを搭載したPlexter M3Pシリーズと同等です。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-FfoN7IaP6l0/T4rjbwh8lnI/AAAAAAAAAN8/yHhDVdsAEJ8/s1600/ts-cry.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="181" src="http://3.bp.blogspot.com/-FfoN7IaP6l0/T4rjbwh8lnI/AAAAAAAAAN8/yHhDVdsAEJ8/s400/ts-cry.png" width="400" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-HIuh0Xn1g0o/T4rjd-T8SkI/AAAAAAAAAOE/B8s8o34p0OA/s1600/520_cry.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="181" src="http://1.bp.blogspot.com/-HIuh0Xn1g0o/T4rjd-T8SkI/AAAAAAAAAOE/B8s8o34p0OA/s400/520_cry.png" width="400" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-zmlVCha2d18/T4rlsLpbyTI/AAAAAAAAAOU/PhAR_yLzyRU/s1600/pcm.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="http://3.bp.blogspot.com/-zmlVCha2d18/T4rlsLpbyTI/AAAAAAAAAOU/PhAR_yLzyRU/s400/pcm.png" width="400" /></a></div>
<br />
最後にIOMeterを利用し、4KBランダムライトを30秒間ワンセットで60分間行った場合の速度推移や平均レスポンスタイム、最大レスポンスタイムの推移をグラフ化したものを掲載しておきます。この結果ですが、ベースが同じコントローラとは思えないほどの違いがでました。<br />
<br />
特に着目して欲しいのが、平均レスポンスタイムの推移です。Intel SSD 520/Vertex3は、同じNANDメモリを採用しているためか、多少の違いはあるものの同じような傾向を示しています。しかし、THNSNS120GBSPは、それとは全く異なり、常に地をはうようなレスポンスタイムの低さで推移し、途中からレスポンスタイムが大きく増加するというような傾向もでていません。このレスポンスタイムの低さは、現役屈指かもしれません。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-QnGQaxVKfGk/T4rt-emJb3I/AAAAAAAAAOc/vv06Uw4yc0w/s1600/Averes-t.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="186" src="http://2.bp.blogspot.com/-QnGQaxVKfGk/T4rt-emJb3I/AAAAAAAAAOc/vv06Uw4yc0w/s400/Averes-t.png" width="400" /></a></div>
<br />
また、最大レスポンスタイムも最大値こそIntel SSD 520/Vertex3を大きく超える140ms弱を記録していますが、それを除けば、全体的にIntel SSD 520/Vertex3よりも低く抑えられています。Sandforce製コントローラは、比較的最大レスポンスタイムも低めなのですが、この全体的な低さも現状のトップクラスといえます。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-PMQ23jZpwSk/T4ruFRYE3vI/AAAAAAAAAOk/lzOFRJ9qZuA/s1600/Maxres-t.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="190" src="http://2.bp.blogspot.com/-PMQ23jZpwSk/T4ruFRYE3vI/AAAAAAAAAOk/lzOFRJ9qZuA/s400/Maxres-t.png" width="400" /></a></div>
<br />
速度推移グラフも、Intel SSD 520/Vertex3が常に安定しているのに対し、THNSNS120GBSPは、速度が低下するまで上下を繰り返すなど多少傾向が異なります。また、東芝製Toggle DDRの方が基本的に高速なのかはわかりませんが、速度低下後も常にIntel SSD 520/Vertex3よりも速めの速度で推移しています。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-bUdFeVHd-r4/T4rvH1wfjzI/AAAAAAAAAOs/l-goSbVrAmw/s1600/4k-write-t.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="190" src="http://3.bp.blogspot.com/-bUdFeVHd-r4/T4rvH1wfjzI/AAAAAAAAAOs/l-goSbVrAmw/s400/4k-write-t.png" width="400" /></a></div>
<br />
以上のことからもわかるように、THNSNS120GBSPは、こと速度面に関しては、現在発売中のSandoforce製コントローラ採用SSDの中でもっとも高速な製品です。この差が、NANDメモリの性能差なのか、ファームウェアの差によるものか、その両方なのかはわかりませんが、うまくチューニングされているとことは間違いありません。あとは、致命的なバグなければ良いのですが。そこは、東芝様です。開発体制が大きい(僕の知る限り、SSDの開発体制の大きさではトップクラス。現在大人気の某社の3倍から4倍の人がいます)ので、致命的なバグは潰していることに期待したいと思います。<br />
<br />
なお、現在人気のPlextor M3PシリーズとTHNSNS120GBSPの比較ですが、個人的には初期性能はほぼ同レベルだと思っています。あとは、ネットでも言われている速度の落ちにくさですが、Plextor M3Pシリーズは、かなり頻繁にGCを行うことで速度低下を防いでいるようなので、そのあたりでどのぐらい差がでるかだと思います。唯一難点を挙げるとすると、THNSNS120GBSPは発熱が大きいことです。これは、東芝の筐体が薄めのアルミということも関係していると思いますが、ちょっと連続で書き込みを行うとそれなりに発熱します。温度的には、SAMSUNG 830ぐらいは出ていると思います。ノートパソコンでの使用を考えている方は、そのあたりも気を付けた方がよいかもしれません。<br />
<br />
<b>2012.4.24追記</b><br />
THNSNS120GBSPの書き込み速度の低下についての<a href="http://marosama.blogspot.jp/2012/04/toshiba-thnsns120gbsp_24.html">記事</a>を追加しました。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com8tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-66943084335147370502012-03-03T04:09:00.004+09:002012-03-03T04:16:36.430+09:00PX-M3Pの同等品?Liteon S100シリーズ「LAT-128M3S-16」PlextorのM3Pシリーズの同等品と思われるLiteonのS100シリーズの発売が始まりました。この製品の128GB版を購入したので、今回は、先日購入したPlextor PX-128M3Pとの比較で簡単にレポートしたいと思います。<br />
<br />
本製品は、多くの方がご存知のとおり、PX-128M3Pと同じ「PLDS(<span class="st">PHILIPS & LITE-ON DIGITAL SOLUTIONS)」が開発製造した製品です。光学ドライブの場合、PLDSの製品は、LITEONブランドで販売されることが一般的でしたが、SSDの場合は、製造元のPLDSがPlextorブランドで販売するだけでなく、親会社のLITEONからも販売されることになったようです。</span><br />
<br />
<span class="st">本製品は、ネットでは、すでに姉妹品?とか同等品とか言われていますが、分解してみたところ、外部キャッシュは、同じNANYAのチップを使っており、容量は256MBでした。また、コントローラのリビジョンがちょっとアップしていますが、その他の部品構成は、ほぼ同等でした(コントローラが実装されている面にPX-128M3Pはチップが1つ実装されていますが、</span><span class="st">LAT-128M3S-16には実装されていません)</span><span class="st">。基盤リビジョンもPX-128M3Pと全く同じです。このことからも、ほぼ同じハードウェアと考えてもらって差し支えないとい思います。筐体も色と厚みが異なるぐらい(PX-128M3Pは「7mm」、LAT-128M3S-16は「9.5mm」)です。</span><br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<span class="st"></span><a href="http://4.bp.blogspot.com/-5eyrOr44HIo/T1ENF6HDhJI/AAAAAAAAANE/1xAym6GdRXA/s1600/liteon.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="235" src="http://4.bp.blogspot.com/-5eyrOr44HIo/T1ENF6HDhJI/AAAAAAAAANE/1xAym6GdRXA/s320/liteon.png" width="320" /></a></div>
<br />
<span class="st">なお、コントローラについてですが、 PX-128M2Pは、Marvellの88SS9174‐BKK2でしたが、PX-128M3P/</span><span class="st">LAT-128M3S-16</span><span class="st">は、Crucial m4と同じ「<b>88SS9174‐BLD2</b>」となっています。C300が、88SS9174‐BJP2だったので、BJP、BKK、BLDと末尾が変わってきています。次は、BMxとなるのかもしれません。</span><br />
<br />
<span class="st">次にベンチマーク結果を紹介します。定番のCrystal Disk Markの結果は、リードに関しては完全に同等という感じです。ライトに関しても、シーケンシャルや512KBに関しては同等です。ただ、4KB(QD=1)に関しては、</span><span class="st">LAT-128M3S-16の方が少し悪いようです。また、PC Mark Vantage HDD Test Suiteの結果もほぼ同じです。</span><br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-rxvZLBvT-qA/T1ERBYsXqlI/AAAAAAAAANM/Vj4fPsTHMWA/s1600/liteon_cry.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="181" src="http://1.bp.blogspot.com/-rxvZLBvT-qA/T1ERBYsXqlI/AAAAAAAAANM/Vj4fPsTHMWA/s400/liteon_cry.png" width="400" /></a></div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-_WtdS4H7Ojs/T1ESdarDFkI/AAAAAAAAANU/wd2vmp5wnL4/s1600/Liteon-PCM.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="192" src="http://2.bp.blogspot.com/-_WtdS4H7Ojs/T1ESdarDFkI/AAAAAAAAANU/wd2vmp5wnL4/s320/Liteon-PCM.png" width="320" /></a></div>
<br />
<span class="st">IOMeterで4KBランダムライトを60分間行ったときの速度推移やレスポンスタイム、最大レスポンスタイムの推移もグラフ化したので掲載しておきます。これらをみてもわかりますが、速度推移やレスポンスタイムの動きは、ほぼ同等という感じです。ただ、最大レスポンスタイムは、大きく異なっています。</span><span class="st">PX-128M3Pは、上下が少なく安定していますが、</span><span class="st">LAT-128M3S-16は、かなり数値が上下しているだけでなく、高いレイテンシが測定されてしまいました。</span><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-aWCIi1tKm0M/T1EWfFMS-KI/AAAAAAAAANo/KWMjqhfFrvo/s1600/Liteon-4KB.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="192" src="http://1.bp.blogspot.com/-aWCIi1tKm0M/T1EWfFMS-KI/AAAAAAAAANo/KWMjqhfFrvo/s320/Liteon-4KB.png" width="320" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-b1YDVBg_vX8/T1EWehm16iI/AAAAAAAAANg/vCUCwiEiCLQ/s1600/Lite-on-RES.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="192" src="http://1.bp.blogspot.com/-b1YDVBg_vX8/T1EWehm16iI/AAAAAAAAANg/vCUCwiEiCLQ/s320/Lite-on-RES.png" width="320" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-SKBbSCTT3xU/T1EWeCkqsFI/AAAAAAAAANc/VaQYM7kCR3c/s1600/Lite-on-MAX.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="242" src="http://3.bp.blogspot.com/-SKBbSCTT3xU/T1EWeCkqsFI/AAAAAAAAANc/VaQYM7kCR3c/s320/Lite-on-MAX.png" width="320" /></a></div>
<br />
<span class="st">以上のことからもわかるように、LAT-128M3S-16は、基本同じ製品と考えてもらって差し支えないと思います。ただ、ファームウェアも現状のPX-128M3Pと同じかと言われると、</span><span class="st">最大レスポンスタイムが比較にならないほど高いという違いがあるため、</span><span class="st">微妙に違う気がします。</span><br />
<br />
<span class="st">PX-128M3Pは、3,5インチマウンタと5年保証に加え、AcronisのOEM版が付属します。対して、</span><span class="st">LAT-128M3S-16は、3.5インチマウンタは付属しますが、3年保証で、ソフトは付属しません。価格差は、現状では、2000円ぐらい</span><span class="st">LAT-128M3S-16の方が安い</span><span class="st">といったところです。これに性能面の若干の差(長いレイテンシがでる)という点を加えて、購入したい方は判断されるとよいと思います。</span><br />
<br />
<span class="st">LITEONは、光学ドライブでもそれなりにファームウェアのバージョンアップを行なっていたので、ファームウェアの積極的なバージョンアップに期待したいと思います。</span>marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-90782619346767182082012-03-01T02:48:00.000+09:002012-03-01T02:54:36.693+09:00Intel SSD 520シリーズを検証Sandforce社のSF-2281をコントトーラに採用したSSDは、さまざまなメーカーから発売されていますが、Intel社からもSF-2281を採用したIntel SSD 520シリーズの発売が始まりました。PX-128M3Pと一緒にIntel SSD 520の120GB版も購入したので、今回は、この製品のレポートを同じコントローラ、同じNANDメモリを搭載したVertex3との比較で行いたいと思います。<br />
<br />
まずは、定番のCrystal Disk Markの結果です。<br />
結果は、リードで若干、SSD 520の方が遅めですが、ライトでは、逆の結果となっています。誤差かなという気もしないわけではありませんが、この差は、後述する4KBのランダムライトの推移グラフをみると明らかな違いとなるので、差があることに間違いはありません。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-Fm-vYaqZTgI/T05bb720BGI/AAAAAAAAAMk/yfJ5Xn6HN-U/s1600/520_cry.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="181" src="http://2.bp.blogspot.com/-Fm-vYaqZTgI/T05bb720BGI/AAAAAAAAAMk/yfJ5Xn6HN-U/s400/520_cry.png" width="400" /></a></div>
<br />
次にIOMeterの4KBランダムライト(QD32)を60分間行ったときの速度推移グラフ及びレスポンスタイムと最大レスポンスタイムの推移グラフを作成したので、それをみてください。速度推移では、SSD 520の方が、Vertex3の速度を若干ですが常に上回っていることがわかります。また、レスポンスタイムの推移でも同様で、SSD 520の方が、常にレスポンスタイムが短く、最終的には、約「1ms」もの差がでてしまいました。一方で、最大レスポンスタイムの推移では、初期時にSSD 520の方がちょっと高めですが、途中からほぼ同じレベルで推移しています。<br />
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-lsaVdCLGVWk/T05beL5C3VI/AAAAAAAAAM4/w5ZZ0SPfjag/s1600/Intel520-RW.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="192" src="http://1.bp.blogspot.com/-lsaVdCLGVWk/T05beL5C3VI/AAAAAAAAAM4/w5ZZ0SPfjag/s320/Intel520-RW.png" width="320" /></a></div>
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<a href="http://2.bp.blogspot.com/-0arLFpqscRc/T05bdIHj5dI/AAAAAAAAAM0/E4scKgT8YkU/s1600/Intel520-RS.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="192" src="http://2.bp.blogspot.com/-0arLFpqscRc/T05bdIHj5dI/AAAAAAAAAM0/E4scKgT8YkU/s320/Intel520-RS.png" width="320" /></a></div>
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<a href="http://3.bp.blogspot.com/-KKcMshdoCCo/T05bcZD_JII/AAAAAAAAAMo/J_uG3PPLC80/s1600/Intel520-MRS.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="192" src="http://3.bp.blogspot.com/-KKcMshdoCCo/T05bcZD_JII/AAAAAAAAAMo/J_uG3PPLC80/s320/Intel520-MRS.png" width="320" /></a></div>
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これらの結果からもわかるように、SSD 520とVertex3は、全体的な挙動は共通ですが、性能差があることがわかります。その差は、明白でSSD 520の方ができがよいことは間違い有りません。同じコントローラ、同じNANDメモリを使っての差ですから、おそらく、このあたりが、Intelが独自行った性能部分におけるチューニングなのではないでしょうか。<br />
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同じようなテストをIntel製25nmプロセス製造のNANDメモリ、SF-2281搭載のA-DATA S511でも行ったことがあります。そのときのA-DATA S511の挙動と性能は、Vertex3のそれとほぼ同じでした。つまり、Vertex3とS511は、ほぼ同じ挙動を示す同じ性能の製品です。しかし、SSD 520は、それを上回っています。SSD 520は、Sandforce製コントローラ「SF-2281」を採用したSSDの中で、現時点では、最高の性能を実現した製品だと思います。(現時点では、と書いたのは、他にもSF-2281を採用した大手のものがあるからです。その製品もそのうちでてくると思います)<br />
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最後にSandforceのSF-2281もIntel(ともう一社)の手が入って、ファームウェアがかなり良くなった感じがあります。このファームが完成したのが、恐らく、年末ぐらいだと思います。これらが反映されたファームウェアが、A-DATAさんやOCZさんなどからもリリースされると、ユーザー的には嬉しいのではないかと思います。A-DATAさんやOCZさんが、次にリリースするファームウェアでこの成果を反映していることを期待したいと思います。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-991441042134194372012-02-28T02:30:00.001+09:002012-02-28T02:36:55.586+09:00Plextor PX-128M3PなかなかBlogの更新まで手が回らなくて申し訳ありません。<br />
Plextorブランドの新製品「PX-128M3P」を購入したので、今回は、この製品のレポートを簡単にしたいと思います。<br />
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まず、この製品ですが、前作PX-128M3と物理的に何が異なっているのかよくわかりません。噂では、ファームウェアが異なるのみという話もありますが、実際のところどうなのでしょう?世の中には、A-DATAのS510とS511のようにNANDメモリの動作モード(非同期モードと同期モード)の違いで廉価版とそうでない商品を作り分けている場合もあります。コストが同じなのに敢えて作り分けているのには、何か理由があるのでしょうが・・・。<br />
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話がちょっとそれてしまいましたが、今回は、人気のCrucial m4との比較でPX-128M3Pの性能をチェックしてみたいと思います。PX-128M2PやPX-128M3との比較でチェックしろという方もいるかもしれませんが、両方ともに個人的に購入していません。このため、某雑誌でテストしたときの結果等を踏まえてコメントしていきます。PX-128M2P/M3の実際の数値に関しては、雑誌等で確認していただけたらと思います。<br />
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まず、定番のCrytal Disk Markです。結果は、以下の画面をみてもらえば、わかります。リードに関しては、ほぼ同等。ライトは、<b>PX-128M3Pの方が高速</b>といった感じです。ちなみに、PX-128M3は、シーケンシャルリードが200MB/.sec強にとどまり、4KBに関しては、リードライトともにPX-128M3Pとほぼ同等です。ただし、4KB QD32のときの速度は、<b>PX-128M3Pの方が100MB/secほど速くなります</b>。つまり、PX-128M3とCrucial m4はほぼ同等の速度で、PX-128M3Pは、それらよりもシーケンシャル速度が速い製品という感じです。<br />
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<a href="http://3.bp.blogspot.com/-jsud8oLZWNU/T0uu0DCJlBI/AAAAAAAAAL8/uhVcSx_-fWw/s1600/3mp-cry.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="181" src="http://3.bp.blogspot.com/-jsud8oLZWNU/T0uu0DCJlBI/AAAAAAAAAL8/uhVcSx_-fWw/s400/3mp-cry.png" width="400" /></a></div>
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次に、PC Mark Vantage HDD Test Suiteの結果です。このテストでは、PX-128M3Pの方が、約2000ほどスコアが上です。僕の手元にある某雑誌のテスト結果では、PX-128M2P/M3でも、PX-128M3Pとほぼ同じぐらいのスコアとなっています。というわけで、このテストの結果は、Crucial m4よりも高いですが、PX-128M2P/M3からは、大きく変化していないということになります。<br />
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<a href="http://4.bp.blogspot.com/-EphmYugT6L4/T0uygDA8lHI/AAAAAAAAAME/6GuG7raKLiY/s1600/M3P-PCMARK.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="http://4.bp.blogspot.com/-EphmYugT6L4/T0uygDA8lHI/AAAAAAAAAME/6GuG7raKLiY/s400/M3P-PCMARK.png" width="400" /></a></div>
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最後にIOMeterを使って、Secure
Eraseを行った後に60分間4KBのランダムライト(QD32)を行った場合の書き込み速度の推移グラフとResponse Timeの推移グラフ及びMax Response Timeの推移グラフを作成したのでそれを掲載しておきます。<br />
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まず、速度推移のグラフですが、みての通り、ある地点で極端に書き込み速度が低下し、速度低下後は、ほぼ同じぐらいの書き込み速度のまま推移しています。このテストのように長い時間ランダムライトが継続すると、最終的に両者はほぼ同じ速度になるようです。加えて、PX-128M3PもCrucial m4と同じで、積極的に未記録エリアに書き込みを行う仕様となっていることがわかります。リビジョンが多少異なりますが、基本同じ設計のコントローラを両者ともに採用しています。未記録エリアを積極的に使う仕様は、コントローラの特徴なのかもしれません。<br />
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なお、速度低下した部分が、記録容量いっぱいに達した部分です。PX-128M3Pでは、約8分30秒ぐらいの地点、Crucial m4では、12分30秒ぐらいの地点がそうです。PX-128M3Pは、初期速度が270MB/sec。Crucial m4は、初期速度180MB/secと速度差があるため、速度低下が発生する地点が異なっています。 <br />
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<a href="http://4.bp.blogspot.com/-rekXge4vaqU/T0u29FZ0v4I/AAAAAAAAAMM/V1_kMUdsSYI/s1600/M3P-4KB-RW.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="323" src="http://4.bp.blogspot.com/-rekXge4vaqU/T0u29FZ0v4I/AAAAAAAAAMM/V1_kMUdsSYI/s400/M3P-4KB-RW.png" width="400" /></a></div>
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興味深いのは、Response Timeの推移グラフ及びMax Response Timeの推移グラフの比較でしょう。両者を比較するとわかりますが、平均的なResponse Timeでは、Crucial m4の方がわずかですが、低めとなっています。しかし、Max Response Timeは、逆の結果となります。Crucial m4の方が長めのResponse Timeが発生しており、最大値は、1700ms(1.7秒)とかなり長いResponse Timeが計測されてしまいました。これを見るかぎり、連続した書き込みが続く環境下では、Crucial m4は、PX-128M3Pよりも長いレイテンシが発生するようです。<br />
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<a href="http://3.bp.blogspot.com/-Pb6_BnqQWVo/T0u85wDSadI/AAAAAAAAAMU/ydRLOrqmHVA/s1600/m3p_ARS.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="275" src="http://3.bp.blogspot.com/-Pb6_BnqQWVo/T0u85wDSadI/AAAAAAAAAMU/ydRLOrqmHVA/s400/m3p_ARS.png" width="400" /></a></div>
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<a href="http://3.bp.blogspot.com/-seLusrJDuTE/T0u9AnvypMI/AAAAAAAAAMc/LN44eW9gq-c/s1600/m3p_MRS.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="237" src="http://3.bp.blogspot.com/-seLusrJDuTE/T0u9AnvypMI/AAAAAAAAAMc/LN44eW9gq-c/s400/m3p_MRS.png" width="400" /></a></div>
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Max Response Timeは、同じコントローラでもかなりの差がでていますが、これが、ファームウェアによるものなのかNANDメモリに違いによってでているものなのかは不明です。いずれにしても差があることは事実です。僕は、あまり大きなレイテンシは、よろしくないと思っているので、PX-128M3Pの方がよいと思っています。<br />
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</div>marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-8329142448071043970.post-88528844699051979522011-11-13T02:21:00.001+09:002011-11-13T04:43:03.052+09:00Samsung SSD 830シリーズ「MZ-7PC128」SAMSUNGのSATA Gen3(6Gbps)対応の新製品「SSD 830シリーズ」が発売されたので早速購入してきました。今回は、SAMSUNG SSD 830シリーズ「MZ-7PC128」のファーストインプレッションをレポートします。<br />
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SAMSUNG SSD 830シリーズは、ARM9ベースのコアを3つ搭載したコントローラを採用し、処理能力を向上させている点が特徴です。SAMSUNGのSSDで採用されていたコントローラは、前作のSSD 470シリーズでもARMベースのコアを採用していましたが、本製品では、コアの数を増やして処理能力を強化しています。外部キャッシュは、SSD 470シリーズ同様に全モデル共通で「256MB」。搭載NANDメモリーは、もちろんSAMSUNG製で、20nm台のプロセスルールで製造されたToggle DDRです。<br />
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筐体は、すべて7mm厚で設計されているようで、ノートPC用のパッケージを購入すると、9.5mm厚にするスペーサーも付属するようです。また、今回のパッケージから標準添付品が増えており、3.5インチマウンタ、SATAケーブル、SATAの電源ケーブル、ネジ、Norton Ghost(データ移行用)、SSD Magician(SAMSUNG製SSD用のメンテツール)などが付属しています。<br />
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<a href="http://4.bp.blogspot.com/-shBImof-fjs/Tr64Vwv4HsI/AAAAAAAAAKs/gNRiT9P0W-0/s1600/SSD830-01.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="220" src="http://4.bp.blogspot.com/-shBImof-fjs/Tr64Vwv4HsI/AAAAAAAAAKs/gNRiT9P0W-0/s320/SSD830-01.png" width="320" /></a></div>
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次にベンチマークの結果ですが、今回は、人気のCrucial m4(Firm0009)の128GBモデルとの比較で紹介したいと思います。<br />
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まず、定番のCrystal Disk Markの結果です。リードに関しては、Crucial m4の方が、ランダム512KBと4KBのリードで優っていますが、ほぼ同レベルという感じに仕上がっているのではないでしょうか。一方、ライトに関しては、MZ-7PC128の方が速く、特にシーケンシャルライトでは、100MB/secほどの差がついています。なお、ランダム4Kについてですが、Crcucial m4は、何度かベンチを行うと、110MB/sec前後の速度が計測されることを確認しています。ここで掲載しているベンチは、100MB/sec弱ですが、ほぼ同レベルだと考えてもらって差し支えないと思います。<br />
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<a href="http://1.bp.blogspot.com/-b3tqsZfKcfM/Tr69ytByUHI/AAAAAAAAAK0/4dZw574nEXU/s1600/samsung_cry1.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="180" src="http://1.bp.blogspot.com/-b3tqsZfKcfM/Tr69ytByUHI/AAAAAAAAAK0/4dZw574nEXU/s400/samsung_cry1.png" width="400" /></a></div>
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次に、PC Mark Vantage HDD Test Suiteの結果です。Crucial m4は、最新のFirm0009を利用することで、80000オーバーのスコアがでますが、MZ-7PC128は、それよりも10000ほど低いスコアでした。ここでは、掲載していませんが、PlxetorのM2Pシリーズの128GBモデルは、「85000」。SandForceのSF-2281を搭載した製品なら「80000」前後のスコアがでます。MZ-7PC128は、それらと比較すると少々物足りないスコアと言えるかもしれません。<br />
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<a href="http://4.bp.blogspot.com/-dh8jIPm4oWw/Tr7BsoWFioI/AAAAAAAAAK8/XHpjnDpv-YM/s1600/samsung-pcm.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="http://4.bp.blogspot.com/-dh8jIPm4oWw/Tr7BsoWFioI/AAAAAAAAAK8/XHpjnDpv-YM/s400/samsung-pcm.png" width="400" /></a></div>
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最後にIOMeterを使って、Secure Eraseを行った後に60分間4KBのランダムライトを行った場合の速度変化グラフを作成したのでそれを掲載しておきます。赤の線が書き込み速度の推移で、紫の線が総書き込み量です。このグラフをみるとわかりますが、本製品のランダムライト速度は、初期は100MB/sec付近で上下を繰り返し、総記録容量(128GB)のちょうど半分の64GBほど書き込みを行ったところから書き込み速度の低下が始まります。その後は、徐々に書き込み速度が下がり、最終的には20MB/sec前後まで書き込み速度が低下しました。<br />
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<a href="http://4.bp.blogspot.com/-EBD2eT_OGC8/Tr7FcJgaRII/AAAAAAAAALE/fuIZYCeUGg0/s1600/samsung-io.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="241" src="http://4.bp.blogspot.com/-EBD2eT_OGC8/Tr7FcJgaRII/AAAAAAAAALE/fuIZYCeUGg0/s400/samsung-io.png" width="400" /></a></div>
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ここでは、掲載していませんが、同じテストをCrucial
m4で行うと、総記録容量までほぼ同じ速度で書き込みが行え、その後、一気に初期速度の半分に速度低下し、後は徐々に速度が低下するというグラフになりま
す。つまり、Crucial
m4は、このテストのようにリクエストが連続してくるような環境で利用すると、積極的に未記録エリアを利用するように設計されているというわけです。<br />
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MZ-7PC128は、このグラフを見るかぎり、未記録エリアを優先的に利用するのは、総記録容量の半分ほどに留めているようにみえます。通常、このテス
トのように途切れなく、書き込みが延々を発生するケースは、P2Pのアプリを利用するなどしないかぎりほぼないと思います。これは、僕の推測ですが、MZ-7PC128は、このあたりから、GCなどを駆使しするように設計されているのではないかと思います。marosamahttp://www.blogger.com/profile/17229641561404685311noreply@blogger.com2