sandisk SDCZ80シリーズ
前回、最近のUSBメモリは遅いという話を書いたところ、コメントでsandiskのSDCZ80シリーズがすごく速いという話をみて興味が湧きました。調べてみたところ、64GBモデルが6500円ほどで購入でき、高速なUSBメモリの割には安価ということで購入してみました。今回は、sandiskのUSB3.0メモリ、「SDCZ80シリーズ」の64GBモデルのレビューをお届けしたいと思います。速度関係のベンチマーク
は、すでにあちらこちらで見かけることができますので、本ブログでは、ちょっとアクセントを付けてSecure
Eraseを行ったらどうなるかという点についてもレポートします。
最初にSDCZ80シリーズの諸元について簡単に説明します。本製品は、ネットにでている分解写真をみる限り、NANDメモリのパッケージが1つに、SSD用のコントローラ、SATA-USB3.0変換チップで構成されているようにみえます。つまり、中身は単なるSSDで、それをSATA-USB3.0変換チップでUSBメモリにしているだけのようです。
一部では、中身のSSDがsandiskの「iSSD」という話もでているようですが、これは間違いではないかと思います。というのも、sandiskのサイトみる限り、iSSDは、「μSSD規格」準拠となっています。μSSD規格とは、1つのパッケージ内にNANDメモリとコントローラを積層したワンチップソリューションのSSDです。本製品は、前述したようにSSD用のコントローラがNANDメモリのパッケージ内に積層されていないように見受けられるので、厳密にはiSSDではなく、NANDメモリのパッケージが1つで設計されたSSDとなるのではないかと思います。
ちなみに、μSSD規格で製造できるSSDの最大容量は、現在のところ「128GB」です。これは、NANDメモリのパッケージ加工技術として実用化されているのが「16積層」までだからです。現在のNANDフラッシュメモリのダイ当たり容量は、64Gbit(8GB)ですから「8x16=128GB」が最大というわけです。
本製品の性能ですが、中身がSSDですからさすがに速いです。定番のCrysita Disk Markでは、シーケンシャルリードライトともに200MB/sec前後の速度がでます。512KBや4KBのライトの速度は、イマドキのSSDとしては遅めだと思いますが、USBメモリと比較すれば、段違いの速度です。
次に本製品におけるSecure Eraseの検証結果を報告します。結論から先に言いますと、本製品におけるSecureEraseは、コマンド自体は送られているようです。ただ、その挙動は、一般的なSSDとは異なっています。Secure Eraseを実行すると、本製品に書き込まれていたデータは確かにクリアされますが、速度はSSDのようには復活しません。イメージとしては、単に管理テーブルを「0」で埋めただけのような挙動です。
以下に、検証データを掲載しておきます。一番上が購入後比較的早い段階で取得しておいたHD TUNE Pro 5.0のシーケンシャルライトの結果。2番めが1KB~1MBまでの1000個のファイルの書き込みを1セットとして、1000個書いたら、半分消去を150回ほど繰り返した後の測定結果。一番下が、2番目の検証を行った後、Parted Magicを利用してSecure Eraseを実行後に測定したものです。この結果をみれば、一目瞭然です。一番上のデータがもっとも良く、SecureErase後の結果は、2番目の結果と大差がありません。つまり、データは消去されますが、速度は戻ってきません。
本製品は、USBメモリでありながら中身がSATA-USB3.0変換を用いたSSDということで、Secure Eraseのチェックを行ってみました。Secure Eraseで速度が復活してくれたら、結構画期的だと思ったのですが、なかなか思ったようには行かないようです。
SATA-USB変換を利用してUSB接続にしたSSDでは、Secure Eraseを行えないと思っている方が多いと思いますが、実は、そんなことはありません。確かに中には、Secure EraseのコマンドをフィルタしてしまうようなSATA-USB変換も存在しているようですが、すべてではありません。今回のsandiskのようにきちんとコマンドをスルーしてSSDに送ってくれるような製品も存在しています。今回のSecure Eraseの検証は、実はそれを知っていて敢えて行ってみました。Freeze Lockもかかっておらず、コマンドが通ったところまでは良かったのですが、その後の処理の方法がまさか変更されているとは想像しませんでした。
最初にSDCZ80シリーズの諸元について簡単に説明します。本製品は、ネットにでている分解写真をみる限り、NANDメモリのパッケージが1つに、SSD用のコントローラ、SATA-USB3.0変換チップで構成されているようにみえます。つまり、中身は単なるSSDで、それをSATA-USB3.0変換チップでUSBメモリにしているだけのようです。
一部では、中身のSSDがsandiskの「iSSD」という話もでているようですが、これは間違いではないかと思います。というのも、sandiskのサイトみる限り、iSSDは、「μSSD規格」準拠となっています。μSSD規格とは、1つのパッケージ内にNANDメモリとコントローラを積層したワンチップソリューションのSSDです。本製品は、前述したようにSSD用のコントローラがNANDメモリのパッケージ内に積層されていないように見受けられるので、厳密にはiSSDではなく、NANDメモリのパッケージが1つで設計されたSSDとなるのではないかと思います。
ちなみに、μSSD規格で製造できるSSDの最大容量は、現在のところ「128GB」です。これは、NANDメモリのパッケージ加工技術として実用化されているのが「16積層」までだからです。現在のNANDフラッシュメモリのダイ当たり容量は、64Gbit(8GB)ですから「8x16=128GB」が最大というわけです。
本製品の性能ですが、中身がSSDですからさすがに速いです。定番のCrysita Disk Markでは、シーケンシャルリードライトともに200MB/sec前後の速度がでます。512KBや4KBのライトの速度は、イマドキのSSDとしては遅めだと思いますが、USBメモリと比較すれば、段違いの速度です。
次に本製品におけるSecure Eraseの検証結果を報告します。結論から先に言いますと、本製品におけるSecureEraseは、コマンド自体は送られているようです。ただ、その挙動は、一般的なSSDとは異なっています。Secure Eraseを実行すると、本製品に書き込まれていたデータは確かにクリアされますが、速度はSSDのようには復活しません。イメージとしては、単に管理テーブルを「0」で埋めただけのような挙動です。
以下に、検証データを掲載しておきます。一番上が購入後比較的早い段階で取得しておいたHD TUNE Pro 5.0のシーケンシャルライトの結果。2番めが1KB~1MBまでの1000個のファイルの書き込みを1セットとして、1000個書いたら、半分消去を150回ほど繰り返した後の測定結果。一番下が、2番目の検証を行った後、Parted Magicを利用してSecure Eraseを実行後に測定したものです。この結果をみれば、一目瞭然です。一番上のデータがもっとも良く、SecureErase後の結果は、2番目の結果と大差がありません。つまり、データは消去されますが、速度は戻ってきません。
本製品は、USBメモリでありながら中身がSATA-USB3.0変換を用いたSSDということで、Secure Eraseのチェックを行ってみました。Secure Eraseで速度が復活してくれたら、結構画期的だと思ったのですが、なかなか思ったようには行かないようです。
SATA-USB変換を利用してUSB接続にしたSSDでは、Secure Eraseを行えないと思っている方が多いと思いますが、実は、そんなことはありません。確かに中には、Secure EraseのコマンドをフィルタしてしまうようなSATA-USB変換も存在しているようですが、すべてではありません。今回のsandiskのようにきちんとコマンドをスルーしてSSDに送ってくれるような製品も存在しています。今回のSecure Eraseの検証は、実はそれを知っていて敢えて行ってみました。Freeze Lockもかかっておらず、コマンドが通ったところまでは良かったのですが、その後の処理の方法がまさか変更されているとは想像しませんでした。
ふと思ったんですがTrimコマンドは通るんですかね
返信削除TrimといってもSecure Eraseと同じただのコマンドなので、フィルターされてなければ通ると思います。
削除ちなみにSDCZ80をWindows 8PRをインストールしたパソコンに接続してTrimが送れないかみてみましたが、HDDとして認識されており、Trimは送れませんでした…。
現状では劣化を回復させ得る手段が存在していないということですか
返信削除ここまで高速化しているだけに、対策の施しようがないとは余計に残念ですね
ここまでくると手動でTrimコマンドを送るしかないですね。hdparmで送れるようなので、時間ができたら試してみたいと思います。今、すごく忙しいので忘れたころに軽く報告ということになるかもしれませんが。
削除その前にIDENTIFY DEVICEを取得してTRIMサポートがあるかどうかをチェックしたいと思います。
hdparmでは通るようです。
削除http://toro.2ch.net/test/read.cgi/hard/1349139588/468
こうなると、速度低下を気にせず使いやすくなりますね。
Windowsから出来れば言うこと無いのですが。
ご報告ありがとうございます。
削除実は、hdparmでTrimが送れるということは、僕の方でも確認しており、次回の記事でアップしようと準備していたところです。
ちなみに、Wipefsでやる方法を紹介しようと思っていました。これは、Parted magicで使えます。使い方も簡単で、コンソールから以下のように入力するだけです。
wipefs -a /dev/(Device名)
もしご都合がつけば、WindowsでTrimコマンドを送れない場合の
返信削除対応・対策として、記事を上げて頂ければ大変ありがたいです。
そういえば、CrystalDiskInfoがSDCZ80に対応したようですね。
連絡が遅くなって申し訳ございません。
削除現在、多忙につき今しばらくお待ちください。
記事を掲載するときは、LinuxとWindowsでTrimを送る方法を紹介したいと考えています。ただし、Windowsについては、Windows 7以前(Windows 8のみ不可)の環境に限定される事に加え、全LBAをTrimコマンドを送りますので、すべてのデータが「0データ」になるという限定機能になります。Windows上の環境に関しては、事実上、SecureEraseの代替として使用する目的となる予定です。