JMF612搭載SSD同士でNANDメモリの性能差を軽くチェックしてみた
しばらく前のことですが、Jmicron製コントローラ「JMF612」を搭載したCFD販売のSSD2製品を使用する機会がありました。使用したのは、東芝製NANDメモリを搭載したCSSD-SM128WJ2とIntel製NANDメモリを搭載したCSSD-SM128WJ3です。
両製品は、ともにバッファローのオリジナル基板を採用したSSDで、外観上の基板パターンも同じであるため最大の違いは、搭載しているNANDメモリぐらいという製品です。(実際には搭載しているファームウェアのリビジョンも異なっています)。
以前、本ブログでコントローラが対応するNANDメモリの種類が増えると採用されているNANDメモリによってこっちが早いとかあるかもと書いたことがあります。ちょうど条件が近い環境が整ったので、そのときに簡単にチェックを行ってみました。なお、前述した通り、CSSD-SM128WJ2とWJ3は、「ファームウェア」のバージョンが微妙に異なっていた点には留意してください。WJ2は「091117」でWJ3は覚えていませんが、それとは異なるバージョンであったことは間違いありません。(すみません、画像キャプチャするのを忘れていたのでファームウェアのバージョンを忘れてしまいました)
では結果です。
Crystal Disk Mark 3.0の結果を見る限りは、東芝製NANDメモリを採用したWJ2の方がシーケンシャル速度に関しては総じて高速であるように見えます。加えて、ライト速度も全般的に東芝製NANDメモリを採用したWJ2の方が速いという傾向がみてとれます。一方で、リード速度のみに着目するとシーケンシャル速度は確かに東芝製NANDメモリが高速ですが、512KBや4KBのリードは、総じてIntel製NANDメモリを採用したWJ3が高速な傾向がみて取れます。
以前から感じていましたが、Intel製NANDメモリは、総じてライト速度が遅いようです。X-25Mしかり、X-25Vしかりです。特にわかりやすいのが、X-25Vと東芝のSG2との比較です。X-25Vは、5ch並列アクセスでありつつ、4ch並列の東芝SG2よりもシーケンシャルライトが遅くなっています。単純計算では、Intel製NANDメモリの場合、チップ当たり8MB/sec強の速度しか出ていません。それに対して、東芝のSG2は、X-25V同様に30nm台のNANDメモリを使用しつつ、チップ当たり12.5MB/secの速度がでていることになります。ライト速度が少し早くなったX-25M G2でもチップ当たりで10MB/secしかでていません。
以前、某社のSSD開発部隊の方とお話したことがあります。
そのときの話ですが、「NANDメモリに確実にデータを記録するには、時間をかけた方がよい」ということを話されていました。その方は、こうもおっしゃいました。「データの保持期間を無視してもよいなら、MLCでも書き込み速度は、もっとあげることができる」と。
NANDメモリでは、データの保持期間が実際の寿命に大きく影響します。NANDメモリは、データを書き込んだまま何もせず、放置しておくと、約10年ほどでそのデータは、読めなくなるからです。
これを前提にその方が言いたかったことを推測するとこういうことになります。
「チップ単体のライト速度は、公称値よりも上げることができる。ただし、ライト速度を上げすぎた結果、データの保持期間が短くなっても知らないよ」
IntelのSSDは、登場時からライト速度が遅すぎると思っていました。X-25M G1登場時ですら、一般的なMLCのライト速度は、10MB/secと言われていましたので、普通10ch並列なら100MB/secぐらいはシーケンシャルで出てもおかしくなかったからです。ですが、X-25M G1の速度は、なぜか70MB/sec強でした。明らかに単純計算より遅いのです。
IntelのSSDの書き込みが理論値よりも遅い件に関して想像できる理由2つあります。1つは、前述の某社のかたのお話から寿命等を考え、あえて遅めの速度で書き込んでいたことです。初物でもありますし、敢えて、安定性を重視した設計をしたというわけです。もう1つが、実は、チップそのもののライト速度がそれほど早くなかったことです。他にも、並列ライト時の処理が余り上手ではないと言うことも考えられますが・・・。
ただ、WJ2とWJ3の速度の違いをみると、どちらかというと単に遅いのではないかというのが今の僕の結論です。単純に考えると、Intelが今のコントローラと東芝製NANDメモリでSSDを作ったら、シーケンシャルライトが20%ぐらい高速化されそうです。
次回は、WJ2とWJ3に加え、Kingstonの東芝マーキングのJM61xコントローラが乗ったSSDのテスト結果についてレポートしたいと思います。Kingstonの製品は、「58NCF618GBT」という型番のコントローラが搭載されています。このコントローラは、JmicronのOEMであることは間違いなく、JM612のカスタム品またはJM618といわれています。Kingstonのこの製品の搭載NANDメモリは、東芝製なので、東芝NANDメモリ向けのカスタムが入ったコントローラと考えられなくもありませんが、型番から推測するにJM618でもおかしくはありません。短時間のチェックだったので、例によって簡単なベンチになりますが、Kingstonは、WJ2/WJ3とは違った動きをみせてくれます。
両製品は、ともにバッファローのオリジナル基板を採用したSSDで、外観上の基板パターンも同じであるため最大の違いは、搭載しているNANDメモリぐらいという製品です。(実際には搭載しているファームウェアのリビジョンも異なっています)。
以前、本ブログでコントローラが対応するNANDメモリの種類が増えると採用されているNANDメモリによってこっちが早いとかあるかもと書いたことがあります。ちょうど条件が近い環境が整ったので、そのときに簡単にチェックを行ってみました。なお、前述した通り、CSSD-SM128WJ2とWJ3は、「ファームウェア」のバージョンが微妙に異なっていた点には留意してください。WJ2は「091117」でWJ3は覚えていませんが、それとは異なるバージョンであったことは間違いありません。(すみません、画像キャプチャするのを忘れていたのでファームウェアのバージョンを忘れてしまいました)
では結果です。
Crystal Disk Mark 3.0の結果を見る限りは、東芝製NANDメモリを採用したWJ2の方がシーケンシャル速度に関しては総じて高速であるように見えます。加えて、ライト速度も全般的に東芝製NANDメモリを採用したWJ2の方が速いという傾向がみてとれます。一方で、リード速度のみに着目するとシーケンシャル速度は確かに東芝製NANDメモリが高速ですが、512KBや4KBのリードは、総じてIntel製NANDメモリを採用したWJ3が高速な傾向がみて取れます。
以前から感じていましたが、Intel製NANDメモリは、総じてライト速度が遅いようです。X-25Mしかり、X-25Vしかりです。特にわかりやすいのが、X-25Vと東芝のSG2との比較です。X-25Vは、5ch並列アクセスでありつつ、4ch並列の東芝SG2よりもシーケンシャルライトが遅くなっています。単純計算では、Intel製NANDメモリの場合、チップ当たり8MB/sec強の速度しか出ていません。それに対して、東芝のSG2は、X-25V同様に30nm台のNANDメモリを使用しつつ、チップ当たり12.5MB/secの速度がでていることになります。ライト速度が少し早くなったX-25M G2でもチップ当たりで10MB/secしかでていません。
以前、某社のSSD開発部隊の方とお話したことがあります。
そのときの話ですが、「NANDメモリに確実にデータを記録するには、時間をかけた方がよい」ということを話されていました。その方は、こうもおっしゃいました。「データの保持期間を無視してもよいなら、MLCでも書き込み速度は、もっとあげることができる」と。
NANDメモリでは、データの保持期間が実際の寿命に大きく影響します。NANDメモリは、データを書き込んだまま何もせず、放置しておくと、約10年ほどでそのデータは、読めなくなるからです。
これを前提にその方が言いたかったことを推測するとこういうことになります。
「チップ単体のライト速度は、公称値よりも上げることができる。ただし、ライト速度を上げすぎた結果、データの保持期間が短くなっても知らないよ」
IntelのSSDは、登場時からライト速度が遅すぎると思っていました。X-25M G1登場時ですら、一般的なMLCのライト速度は、10MB/secと言われていましたので、普通10ch並列なら100MB/secぐらいはシーケンシャルで出てもおかしくなかったからです。ですが、X-25M G1の速度は、なぜか70MB/sec強でした。明らかに単純計算より遅いのです。
IntelのSSDの書き込みが理論値よりも遅い件に関して想像できる理由2つあります。1つは、前述の某社のかたのお話から寿命等を考え、あえて遅めの速度で書き込んでいたことです。初物でもありますし、敢えて、安定性を重視した設計をしたというわけです。もう1つが、実は、チップそのもののライト速度がそれほど早くなかったことです。他にも、並列ライト時の処理が余り上手ではないと言うことも考えられますが・・・。
ただ、WJ2とWJ3の速度の違いをみると、どちらかというと単に遅いのではないかというのが今の僕の結論です。単純に考えると、Intelが今のコントローラと東芝製NANDメモリでSSDを作ったら、シーケンシャルライトが20%ぐらい高速化されそうです。
次回は、WJ2とWJ3に加え、Kingstonの東芝マーキングのJM61xコントローラが乗ったSSDのテスト結果についてレポートしたいと思います。Kingstonの製品は、「58NCF618GBT」という型番のコントローラが搭載されています。このコントローラは、JmicronのOEMであることは間違いなく、JM612のカスタム品またはJM618といわれています。Kingstonのこの製品の搭載NANDメモリは、東芝製なので、東芝NANDメモリ向けのカスタムが入ったコントローラと考えられなくもありませんが、型番から推測するにJM618でもおかしくはありません。短時間のチェックだったので、例によって簡単なベンチになりますが、Kingstonは、WJ2/WJ3とは違った動きをみせてくれます。
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