Samsung SSD 830シリーズ「MZ-7PC128」

SAMSUNGのSATA Gen3(6Gbps)対応の新製品「SSD 830シリーズ」が発売されたので早速購入してきました。今回は、SAMSUNG SSD 830シリーズ「MZ-7PC128」のファーストインプレッションをレポートします。

SAMSUNG SSD 830シリーズは、ARM9ベースのコアを3つ搭載したコントローラを採用し、処理能力を向上させている点が特徴です。SAMSUNGのSSDで採用されていたコントローラは、前作のSSD 470シリーズでもARMベースのコアを採用していましたが、本製品では、コアの数を増やして処理能力を強化しています。外部キャッシュは、SSD 470シリーズ同様に全モデル共通で「256MB」。搭載NANDメモリーは、もちろんSAMSUNG製で、20nm台のプロセスルールで製造されたToggle DDRです。

筐体は、すべて7mm厚で設計されているようで、ノートPC用のパッケージを購入すると、9.5mm厚にするスペーサーも付属するようです。また、今回のパッケージから標準添付品が増えており、3.5インチマウンタ、SATAケーブル、SATAの電源ケーブル、ネジ、Norton Ghost(データ移行用)、SSD Magician(SAMSUNG製SSD用のメンテツール)などが付属しています。


次にベンチマークの結果ですが、今回は、人気のCrucial m4(Firm0009)の128GBモデルとの比較で紹介したいと思います。

まず、定番のCrystal Disk Markの結果です。リードに関しては、Crucial m4の方が、ランダム512KBと4KBのリードで優っていますが、ほぼ同レベルという感じに仕上がっているのではないでしょうか。一方、ライトに関しては、MZ-7PC128の方が速く、特にシーケンシャルライトでは、100MB/secほどの差がついています。なお、ランダム4Kについてですが、Crcucial m4は、何度かベンチを行うと、110MB/sec前後の速度が計測されることを確認しています。ここで掲載しているベンチは、100MB/sec弱ですが、ほぼ同レベルだと考えてもらって差し支えないと思います。


次に、PC Mark Vantage HDD Test Suiteの結果です。Crucial m4は、最新のFirm0009を利用することで、80000オーバーのスコアがでますが、MZ-7PC128は、それよりも10000ほど低いスコアでした。ここでは、掲載していませんが、PlxetorのM2Pシリーズの128GBモデルは、「85000」。SandForceのSF-2281を搭載した製品なら「80000」前後のスコアがでます。MZ-7PC128は、それらと比較すると少々物足りないスコアと言えるかもしれません。


最後にIOMeterを使って、Secure Eraseを行った後に60分間4KBのランダムライトを行った場合の速度変化グラフを作成したのでそれを掲載しておきます。赤の線が書き込み速度の推移で、紫の線が総書き込み量です。このグラフをみるとわかりますが、本製品のランダムライト速度は、初期は100MB/sec付近で上下を繰り返し、総記録容量(128GB)のちょうど半分の64GBほど書き込みを行ったところから書き込み速度の低下が始まります。その後は、徐々に書き込み速度が下がり、最終的には20MB/sec前後まで書き込み速度が低下しました。


ここでは、掲載していませんが、同じテストをCrucial m4で行うと、総記録容量までほぼ同じ速度で書き込みが行え、その後、一気に初期速度の半分に速度低下し、後は徐々に速度が低下するというグラフになりま す。つまり、Crucial m4は、このテストのようにリクエストが連続してくるような環境で利用すると、積極的に未記録エリアを利用するように設計されているというわけです。

MZ-7PC128は、このグラフを見るかぎり、未記録エリアを優先的に利用するのは、総記録容量の半分ほどに留めているようにみえます。通常、このテス トのように途切れなく、書き込みが延々を発生するケースは、P2Pのアプリを利用するなどしないかぎりほぼないと思います。これは、僕の推測ですが、MZ-7PC128は、このあたりから、GCなどを駆使しするように設計されているのではないかと思います。

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