2010年12月12日日曜日

BDXLとMt.Fuji

最近、更新が滞っていて申し訳ございません。
ネタが無い訳ではないのですが、時間が・・・。っていいわけですね。
今回は、完全にレガシー化が進んでいるようにみえる光ディスクのお話をしたいと思います。

なぜ光ディスクなのかといいますと、先日、Mt.Fuji(どのような団体かは後述します)もそろそろサスペンドかなと思い、ftpを数カ月ぶりに覗きました。すると、サスペンドどころか、BDXLのコマンドセットの標準化をMt.Fujiで行うようで、そのアジェンダがあがっていたというのが理由です。

Mt.Fujiを知らない方も多いと思いますので、最初にどういう団体かを簡単に説明しておきます。Mt.Fujiは、光ディスクのコマンドセットの策定を行っている団体(グループ)です。このグループができたのは、1995年前後ぐらいだと思います。以前、Mt.Fujiグループの初期メンバーの方に話を伺ったことがありますが、Mt.Fujiの最初のミッションは、CD用コマンドセットの再定義から始まったようです。当時は、DVD規格ができるかできないかぐらいのところで、現在で言うところのMMC(マルチメディアコマンドセット)の策定を行ったグループと考えてもらって差し支えないと思います。

これまでMt.Fujiで標準化されたコマンドセットは、CD全般、DVD-ROM/R/RW/RAMに加え、3GBのDVD+RWとHD DVDがあります。4.7/8.5GBのDVD+RWとBlu-rayは、別のところでコマンドセットの標準化を行っており、Mt.Fujiは関与してい ません`。つまり、Mt.FujiでBD関係のコマンドセットの標準化を行うのは、今回が初ということになります。

余談ですが、Mt.Fujiという名称の由来は、その名もずばり、富士山からきています。
Mt.Fujiの設立の趣旨は、予想以上に急速普及が進む記録型光ディスクの今後の普及を促進する上でコマンドセットを統一した方が良いだろうというところにあります。そして、当時関連メーカーに声をかけたところ集まったのが、日本のメーカーの方ばかりだったのです。加えて、その当時は、山の名前をグループ名とかにつけるのが業界で流行っていた時でした。そこで、日本を代表する山の名称から、Mt.Fujiになったと伺っています。

さて本題に戻りますが、BDXLのコマンドセットをザラッと見る限りでは、容量の増えたBDという扱いとなっているようで、現行のMMC等に記載されているものと大きな違いはないような感じでした。これから考えると、単に容量の増えた(記録層の増えた)BDとして使用できるように見受けられます。ユーザーが使用する上での制限事項もなさそうなので、ディスクの単価が高いことを除けば、従来通りの使用感となるのではないでしょうか。

また、BDXLとは関係ありませんが、SATA ANとの併用で光学ドライブ未使用時の消費電力をZeroPowerに近づけるということを以前、Mt.Fujiでやっていました。この機能は、SATA ANでOSのポーリングコマンドをフィルタして、SATA LPMでPHYを省電力状態に移行させ、さらに光学ドライブのコントローラに内蔵するパワーマネジメント機能で光学ドライブの未使用時の消費電力をほぼZeroPowerに落とすというものでした。

ディープスリープ状態からの光学ドライブの復帰は、ユーザーがディスクの入れ替えアクションを起こすが、ドライブにセットされたディスクにユーザーがアクセスしようとするときしかありません。この機能は、これを利用して、メディアをドライブにセットする(イジェクトボタンを押したとき)にドライブ自身が自動的に省電力から復帰するか、OSからの読み出しアクション(光学ドライブのドライブレターをダブルクリックするなど)があったときにSATA LPMのPHYの復帰をトリガーにドライブ全体を復帰させるようにしたものだったと思います。

この機能は、OS側でSATA ANのサポートを有効にすれば、あとは、ドライブ側のハードウェアでのサポートということになりますので、そろそろ、この機能に対応した光学ドライブがノートPCに搭載されていたとしてもおかしくありません。興味があるかたは、レジストリでSATA ANの機能が有効になっているかをチェクしてみると良いと思います。SATA ANがオンに設定されていれば、案外、ZeroPowerの機能を搭載した光学ドライブを搭載しているかもしれません。

2010年11月7日日曜日

WD30EZRSのチェック OS起動編

今回は、WD30EZRSをシステムドライブとして使用し、Windows7が起動できるかどうかをチェックしてみたのでその結果を簡単に報告しておきます。

最初に多くの方がご存知かと思いますが、2TBの容量を超えたBigsectorのエミュレートデバイスのHDDでOSを起動するには、UEFI対応のマザーとUEFIからの起動に対応したOSが必要です。
UEFI対応マザーは、メーカー製のパソコンなどでは、それなりに採用されているらしいですが、自作用に売られているマザーは、現在のところIntelぐらいしか選択肢がありません。BIOSメーカーのAMIやPhoenixもUEFI対応BIOSをすでに出荷していますが、自作マザーでは採用例が事実上皆無であるため現状では、Intel一択になると思われます。

そこで、このテストのためだけにIntelの「DH57DD」というマザーを買ってWindows7 64bitの起動チェックを行ってみました。

まず、DH57DDのBIOS設定ですが、SATAの動作モードは、AHCIに設定しています。ICH10/PCH系列では、RAIDに設定するとWD30EZRSを「746GB(笑)」のHDDとしてRAID BIOSが認識してしまうようです。(ICH10RとDH57DDのPCHで確認しました。ISRTのドライバの件といいRAID BIOSといい、Intelさまは微妙にヤル気がないようです)

これらのRAID BIOSのバージョンは、8.9.0.1024だったと思います。たぶん、IntelのICH10/PCHを採用したほぼすべての製品のRAID BIOSのバージョンは、このバージョンだと思いますので、Intelチップ採用の現行マザーでは、事実上、2TB超のBigsectorエミュレートデバイスのHDDをRAIDで使用すると2TBがどこかに消えて損をすることになるのでご注意ください。(RAID BIOSのアップデートがあれば、治る可能性はあると思います。ただ、RAID BIOSのアップデートってやってくれるのでしょうか・・・)

次にUEFIブートの設定ですが、Intelマザーの場合、「UEFIBoot」という項目があり、これを「Enable」に設定するだけです。マザーの設定は、これだけです。

続いてWindows7 64bitのインストールですが、UEFIで起動する場合、HDDをGPTで使用する必要があるだけでなく、そのHDDにEFIというパーティションとMSRというパーティションが必要になるようです。Windows 7 32bitなどでGPTを使ってパーティションを確保したときは、このEFIとMSRというパーティションが自動作成されないようなので、他のパソコンでフォーマットして利用するというわけにはいかないようです。

さらにWindowsのインストーラーでGPTでパーティションを確保するためには、そのHDDがあかじめGPTディスクに設定されていなければならないという制限もあるようです。(多分この制限は、GPT/MBRを選択するためのパーティションニングツールが、Windowsのインストーラーに準備されていないからだと思います)。このため、インストールを始める前に、DiskpartでHDDをGPTにコンバートしておくとスムーズにインストールが進むようです。GPTへのコンバートは、DiskpartでHDDをマウントして、「convert gpt」を実行すればOKです。

最後に実際のOSインストールの作業ですが、上記の点ができていれば、これまでのインストール方法となんら異なる点はありません。前述したとおり、UEFIBootをEnableにしたからといって、インストーラーでGPT/MBRを選択できるパーティショニングツールが起動するということもなく、これまでどおりです。

唯一の注意点は、インストール時に起動パーティションを空き領域全部とすると、前述したEFI(100MB)/MSR(128MB)用のパーティションの自動確保に失敗し、インストールに失敗するということがあるかもしれないということです。GPTでうまくインストールできないという場合は、EFI/MSRパーティションが確保されているかをチェックしてみると良いかもしれません。

2010年10月29日金曜日

業界初 3TB HDD WD30EZRSのファーストインプレッション

またまた放置プレーになって申し訳ございません。
現在、手元にWDの3TB HDDというものがあるので、すごくざっくりとですがファーストインプレッションを書きたいと思います。

この製品、もうすでに海外ではレビューが出ているようですが、論理512B/物理4KBのBigsectorエミュレートデバイスです。業界初のネイティブデバイスかと期待しましたが、そんなことはありませんでした。

この製品のリリースがでたときに情報シートというものも同時に配布が始まっており、MBRだのGPTだと書かれていた上にSATAのカード付きで売るとか書かれていたので、エミュレートデバイスではないかとなんとなく感じていましたが、そのとおりでした。結構がっくりです。

次に認識ですが、BIOSレベルでは、正常に3TBのHDDとして認識されています。OSでの認識は、IntelのICH10R+IntelRSTドライバーの組み合わせですと、最新のバージョンのドライバーを利用してもなぜかすべての容量を確保できないという現象が発生しています。ちょうど2TB分の領域が確保できないというかみえなくなっており、746GB(だったと思う)のHDD(笑)となってしまいます。2TBはどこに消えた、返せーという感じになります。

ICH10RでもSATAの動作モードをIDEモードにするとこの現象は解消され、すべての領域を確保できるので、個人的にはIntelのドライバーのバグを疑っています(MS純正のAHCIドライバーではまだチェックしていません)。ちなみに、MarvellのSATA Gen3対応コントローラでもきちんとすべての容量を使用できます。

また、速度は、667GBプラッタ/2TBの製品よりもシーケンシャルが微妙に早くなっているような感じです。具体的には、130MB/sec強ぐらいで140MB/secオーバーまではでていません(MarvellのSE9128に接続して計測しました)

以上、非常に簡単ですが、ファーストインプレッションをお伝えしておきます。

2010/10/30追記
テスト環境を書いていなかったので、追加しておきます。
テストは、Windows7 Ultimate 64bit版で行っています。テストしたドライバは、IRSTのV9.6とV10です。
また、MS標準のAHCIドライバでもテストを行ってみましたが、こちらは、問題なく全容量を使用できることを確認しました。

2010年9月29日水曜日

Sandforce製コントローラの不思議2

今日は酔っているのでこの辺で、と言ってからずいぶんと時間が経過していましました。
また、放置プレーに入ってしまって申し訳ございません。
遅くなりましたが、前回の続きです。

前回の記事でレスを何件かいただきましたが、僕は、Overprovisioningの容量が大きいことは悪いことだとは思っておりません。ユーザーエリアは少なくはなりますが、Overprovisioningの容量が大きい分、ユーザーエリアからみた製品寿命が長くなることは事実ですし、ユーザーエリアを制限している分、ユーザーエリアギリギリまで使用しても理論上は、速度低下し難いというメリットもあります。Overprovisioningの容量が、30%ぐらいあると、理論上の製品寿命が2倍になるという話も伺ったことがあります。

ただ、Sandforceは、信頼性を売りにしているわけですから、ファームウェアをアップデートするとユーザーエリアの容量が変更されたり、Overprovisioningの容量がユーザーエリアの容量によって異なったりと一貫性がない点はいかがなものかとは思います。顧客(メーカー)の要望もあるでしょうし、なかなか難しいところですが。

また、Sandforceの場合、 Overprovisioningの件もそうですが、もう一つ、個人的に面白いと感じているのが、NANDパッケージの数だったりします。通常、分かりやすく半分とかが多いのに、なぜに4分の3みたいな感じです。IntelのX25-Vなどは、X-25Mが10個で半分の5個。ほかにもJM616を搭載したADATAのS596 Turboの32GB版も半分の8個でしたし、SAMSUNGのDDR NANDを使ったP470シリーズの64GB版も半分の8個でした。まあ、Marvellのコントローラを採用したReal SSD C300のようにコントローラは、Max10ch並列のところをあえて「8ch」で使っている例もあるので、使い方は自由なのだとは思いますが。

さて、Overprovisioningの件は、これくらいにして、40/80/160GBで使われているNANDチップパッケージ12個な方々と50/60/100/120/200/240GBのNANDチップパッケージ16個な方々のベンチマーク結果を掲載しておきますので、実際の購入時の参考にしていただければと思います。すべてが同じメーカーのものではないですが、参考にはなるかと思います。





結果は、こんな感じです。一番遅いのが、チップ12個で40GBの製品です。0Fill/1Fillなら40GBの製品でも公称スペック値はでますが、ランダムデータでベンチを行うとライトは別としてもリードが最近の製品の中では遅めという感じです。チップ12個のグループは、160GB品をみてもわかりますが、基本的にリードに関しては、遅めです。ただ、160GB品の場合、ライトは40GB品と比較してシーケンシャルなら倍早くなり、チップ16個の120GB品と同等となります。また、チップ16個のグループは、基本的にシーケンシャルリードは、12個品よりも高速です。Sandforce製コントローラを使用する場合で読み出し速度もそれなりを求めたい場合は、NANDチップパッケージ16個のグループをオススメしておきます。

最後に、以前、Sandforce製コントローラを採用したMX-DSという製品で、SecureEraseを行うと起動時にBIOSからS.M.A.R.Tのエラーが報告されるという現象が起きたことがありました。この現象ですが、先日、使用したOCZのVertex2がすでにこの状態でした(笑)。この製品は、1つ古いファームウェア(Ver1.10)だったので、最新のVer1.11にアップデートしてみたところ、この現象はでなくなりました。ということで、多分,バグか何かだと思います。ただし、CORSIARの製品でも同じ症状を発症中の機体を使用したことがあるので、最新のファームウェアでこの症状が発症しないとは言い切れませんのでご注意ください。

2010年9月2日木曜日

SandForce製コントローラの摩訶不思議

いわゆる組み立て屋さんブランドで大人気のSandForce製コントローラですが、このコントローラを採用したSSDは、非常に多くの容量ラインナップがあるということに皆さん気づいているでしょうか。

かくいう僕も実は、ちょっと前に気がついたのですが、SandForceのSF-1200を採用したSSDは、意味不明なぐらい色々な容量の製品が販売されています。しかも、システム管理領域として確保している容量に一貫性があるんだないんだかという感じです(笑)。このブログを見ている人なら分かっていると思いますが、いうまでもなく、システム管理領域が多ければ、見た目の製品寿命は長くなります。実際に搭載されているNANDメモリの容量のうち、ユーザーが実際に使用できるエリア(ユーザーエリア)を減らし、その分、交替等に使える管理エリアが増えるわけですから当然です。

ちなみに、僕が把握しているだけで、SF-1200を採用したSSDは、40/50/55/60/80/100/120/160(180?)/200/240/400/480、の計12種類の容量の製品が販売されているようです。これらは、搭載しているNANDメモリのパッケージ数が違いますから、当然、速度も一定の法則によって異なっています。しかも、注意しなければならないのは、容量によって、システム管理領域のサイズが異なることです。

搭載NAND数からいうと、40/80/160の3種類の容量の製品は、すべて「12個」のNANDメモリのパッケージを搭載したグループのようです。40GBと160GBは、Corsairが販売しているもので確認しました。これらは、コントローラが実装されている側にNANDメモリのパッケージが5個、その裏面に7個の計12個のNANDメモリパッケージを実装しています。80GBは、確認していませんが、容量から考えて、おそらく、NANDメモリの数は12個だと思います。

面白いのは、ここからです。40GBの製品の場合、NANDメモリの数が12個で40GBということは、48GBのNANDメモリを搭載して、8GB分は、システム管理領域に使っているということになります。つまり、NANDメモリのパッケージまるまる2個分、システム管理領域に使っているわけです。

ふつうに考えると、80GBでは、40GBの倍で、80GBはさらに倍ということになるのでしょうが・・・。Corsairの160GB版は、なぜか違いました。Crystal Disk Infoの画面を撮り忘れてしまいましたが、記録容量が168GBとか表示されるのです(笑)。製品の箱には、しれっと「CSSD-F160GBP2」という型番が書いてありますが、実際にユーザーが使用できる容量は、168GB(x1024の数字です)もあり、パッケージに表記されている容量よりも多くのユーザーエリアがあります。

これは、非常に珍しいケースです。通常、ストレージは、x1000が表記が一般的ですから、少なくて訴訟が起こされたことはあっても、多かったことはありません。しかも、40GB版では、NANDメモリのパッケージ2個がまるまるシステム管理用に使われていましたが、160GB版でも、NANDパッケージが12個なので、総容量が192GBとなり、40GB版よりもシステム管理領域の比率が減っているということになります。ということは、あれ、容量からみた寿命がみじかくなる・・・

実に不思議なラインナップをしていると思いませんか?
次に残ったグループを考えてみますが、残りは、すべてNANDメモリのパッケージを16個搭載したグループだと思われます。性能的なことをいうと、50/55/60の3製品は、同じ速度がでると思います。次が、100/120GBで、200/240、400/480と続き、容量が増えるごとに速度が上がっていくと思います。

さてここで考えて欲しいのが、最初にちょっと書いたシステム管理領域(予備領域)と寿命の関係です。50GBの製品のチップ数が16個ということは、計64GB分のNANDメモリが搭載されていることになります。50GB版では、都合14GBほどシステム管理領域に使い、60GB版では、x1000で計算して残ったところすべてがシステム管理領域となります。

このようにして計算していくと、システム管理領域が多めの方とそうでない方のグループに分けられてきます。

このおはなしは、次回に続きます。

すみません、酔って眠いので今日はこのへんでしつれいします。

2010年8月28日土曜日

SAMSUNG 470 series SSD 「MZ-5PA064」

先週から流通が始まったSAMSUNG 470 series SSDですが、こだわりのMONOさんがベンチマーク結果を紹介されているのをみて僕も64GB版の「MZ-5PA064」を購入してみました。(TSUKUMOで14980円でした)64GB版を購入したのは、 最近64GB以下のSSDが15000円弱で購入できるようになり、人気がでてきているからです。

MZ-5PA064は、SAMSUNGのサイトにもスペックがあがっていますが、128/256GB版とは異なり、公称ライト速度がMAX170MB/secと多少遅くなります。ただ、遅くなると言っても現状の64GBのSSDの中では、ほぼ最速のスペックの製品です。64GBのSSDでシーケンシャルライトが170MB前後でるのは、この製品と東芝のHG2、HG3、Jmicronのコントローラを使った製品ぐらいではないかと思います。

実際のベンチマーク結果ですが、ほぼスペック通りという感じでした。リードに関しては、128GB版とほぼ同じ性能ですが、ライト性能が全般的に劣っています。また、前作のSAMSUNG製SSDと比較すると、4KBのランダムライト速度が大幅に高速化されている点が目につきます。ただし、SandForce製のコントローラやCrucial、Intelなどでは、4KBランダムライトはもう少し高速なので、それらと比較するとこれでも遅めということになりますが・・・。


せっかくなので、もう1つ。雑誌等でよく使用されるベンチマーク「PC Mark Vantage HDD Test Suite」も行って見たのでその結果も掲載しておきます。比較用にCrucial Real SSD C300の64GBの結果も付けておきました。Crucialは、SATA Rev2.6接続とSATA Rev3.0接続の両方の結果を掲載しています。SATA Rev3.0は、Marvell製コントローラを使っています。結論からいうと、この製品、PC Mark Vantageのスコアは、僕が使用したことがある64GB以下のSSDの中ではトップです。


以上、ざっくりですが、本製品のファーストインプレッションをお伝えしておきます。現在、忙しいので時間が取れたときにでも速度落ちのテストを行ってみたいと思います。SAMSUNGの1世代前の製品では、激しく速度落ちしましたが、今回の製品がどうなっているのかテストしてみたいと思います。

2010年8月25日水曜日

SAMSUNG HD204UIについて

Western Digitalに続いてSAMSUNGからも667GBプラッタを採用した2TBのHDD、「HD204UI」の発売が始まりました。ネットを見ていたら、この製品が初のBigsector4KBネイディブドライブかのような書き込みが見られたので、多分違うだろうなと思いつつも、ちょうど2TBのHDDが欲しかったので購入してみました。

結論から最初に書いておきますが、HD204UIは、確かにBigsector対応ドライブで間違いはありませんが、物理4KB/論理4KBのネイティブデバイスではありません。物理4KB/論理512Bの「エミュレートデバイス」です。4KBネイティブという噂は間違いですので購入時には、ご注意ください。

これは、LBAの総数からも判断できます。僕は、購入時にLBAの「総数」を確認した段階で、エミュレートデバイスまたはこれまでの物理512B/論理512Bの製品のいずれかであることを確信した上でHD204UIを購入しました。お気づきの方も多いと思いますが、HDDやSSDは、本体に貼り付けられているシールに仕様が記載されており、そこにLBAの総数が印刷されていることが一般的です。このLBAの総数にセクターの容量をかければ、総記録容量を導きだすことができます。本製品の総LBA数は、「3,907,029,168」です。これに512バイトをかけると「3,907,029,168x512=2,000,398,934,016」で2TBとなります。つまり、この段階で、Bigsectorのエミュレートデバイスであるか従来同様に物理512B/論理512Bの製品のいずれかであるとしか考えられません。


次は、ベンチマークの結果をお見せします。
Windows7/Vista標準のオフセット2048とWindowsXPで使用されるオフセット63でベンチマークを行ってみました。 結果はご覧のとおりです。512KB/4KBのランダムライトの速度が約半分に低下しています。IOMeterで4KB境界にAlignを設定して5分間ほど4KBのランダムライトを行って見ましたが、ほぼ同様の結果となりました。


4KB Align124.507173 IOPS
Not Align63.516927 IOPS

現在、一般的な物理/論理ともに512BセクターのHDDなら、オフセットを変更しても影響はでないはずですが、HD204UIでは、明らかな速度低下が発生します。このことからもわかるように、本製品は、物理4KB/論理512BのBigsectorのエミュレートデバイスです。

Bigsectorのエミュレートデバイスは、Western Digitalが最初に投入し、東芝も2.5インチHDDを発売済です。SAMSUNGは、3社目の参入メーカーということになります。今後は、BigsectorのエミュレートデバイスのHDDが増加するのかもしれません。

2010/08/27追記
コメントにて、Intel Rapid Storage Managerで論理/物理セクターサイズがどのように返されているかを知りたいという問い合わせがありましたので、調べてみました。
本製品は、論理/物理共に512バイトでセクターサイズを返しています。ただ、この値は、任意らしいので必ずしも正確とはいえません。このため、HD204UIは、Not Align状態で明らかな速度低下が見られることからBigsectorのエミュレートデバイスだと思っております。

2010年8月16日月曜日

僕の知るAdaptecという会社

インプレスのPC WATCHを見ていたら、元麻布さんのAdaptecについてのコラムが掲載されていました。読んでいたたら、色々と昔の話を思い出したので、SSDには関係ありませんが、僕が知るAdaptecという会社の昔話について書きたいと思います。

僕が、Adaptecの製品をはじめて使用したのは、元麻布さんのコラムにもでていたAHA-154xBというSCSIカードです。CPUは、Intelのi486でi386を搭載したパソコンを使っている人もまだたくさんいました。AHA-1540Bは、IBM PC/AT互換機の事実上の業界スタンダードとも言える製品で、それ以外の選択支としては、Bustek(その後、Buslogicに社名変更し、Mylexに買収された後、現LSI Logicに買収されました)とNCR(元はAT&Tで、その後、韓国のHyundaiあたりに買収されて、Symbios Logicになって、最終的には現LSI Logicに買収されました)ぐらいだったと思います。

当時の僕は、基本、SCSI派でして、HDDといえば、もっぱらSCSIでした。そのときは、まだ、1ユーザーでしかありませんでしたが、Adaptecという会社のことを色々、聞くようになったのは、僕がライターをはじめてからです。

というのも、僕は、光ディスク専業のライターをしていた時代が長く、CD-Rドライブを2xの時代から使用していました。まだ、CD-RWすらなかった時代で、CD-Rドライブの価格は、安価なものでも20万ぐらいしていました。ディスクは、1枚1500円ぐらいだったと思います。Adaptecは、光ディスクのライティングソフトの会社としては、草分け的な会社?だったこともあり、どうしてもAdaptecが切っても切り離せなかったのです。

その中でも僕が今でも鮮明に覚えているAdaptecの話は、当時、Adaptecが繰り返していた買収の話です。というのも、Adaptecが当時販売していたライティングソフトは、Easy CDといいますが、このソフトは、もともと、Incat Systemsという会社を買収して得たものでした。Incat Systemsは、イタリアのソフト会社でCD-R用のライティングソフトを開発した経緯は、フィリップスの依頼によるものだったとIncatの主要開発者の方から伺っています。

かなり昔の話になりますが、Incatがライティングソフトを開発していた当時は、ビデオCDの規格化を行っていたときで、ビデオCD用のマスタリングソフトを欲していたのです。Incatは、それに答える形で、ライティングソフトの開発を始めたというわけです。それを買収して、販売したのがAdaptecだったのです。

余談ですが、Incatの開発したソフト、というか、Incatの開発者の方は、非常に優秀な方が多く、結果として同じ人の手によって開発されたライティングソフトが、2度ワールドワイドでシェア1位になります。それ以外にも、同僚だった方のソフトがあり、それもOEM向けなどで今でも使われているライティングエンジンの提供元にもなっています。現在のシェアはわかりませんが、一時期、CDやDVD記録エンジンの大半は、Incat出身者が作成したものだったというのは、あまり、知られていない事実です。

ちなみに、国内では、B's Recorder GOLDが多くのユーザーに使用されましたが、B's Recorderは、僕の今でも付き合いのある友人がひとりで作ったライティングソフトです。

話が脱線してしまいましたが、当時のAdaptecの企業買収について僕が鮮明に覚えているのは、僕の光ディスクの師匠が言ったこの一言です。Adaptecは、「市場を買ったんだ」。

もう、今の若い方には当然と聞こえるかもしれないこの一言ですが、当時の日本は、企業買収というのは「悪こと」というイメージがありました。ですが、彼ら(Adaptec)はまさに市場をお金で買っていたのです。

というのも、Adaptecは、Easy CDでそれなりにシェアを得ましたが、実は、当時、北米市場では2位の座に甘んじていました。当時の北米市場のトップは、コーレルのCD Creatorというソフトだったのです。しかも、このソフト、エンジン的には色々と問題があったようですが、UIが非常に良く、人気の商品でした。Adaptecは、コーレルからCD Creatorを買収します。しかも、CD Creatorの技術者は、一人もAdaptecには、着ていません。これからも分かるように、Adaptecは、コーレルから市場を買ったのでした。これによって、Adaptecは、北米市場のトップに立ちます。

同じことをAdaptecは、ヨーロッパでもやりました。CD Creatorの買収によって、北米市場と日本でシェアトップにたったAdaptecでしたが、ヨーロッパ市場では、CeQuadratという会社のWinOnCDというソフトに勝てずにいました。そこで、CeQuadratを買収したのです。

WinOnCDがヨーロッパでトップだったのには、諸説ありますが、一説には笑い話とも取れない営業方法があったと僕は聞いています。その営業方法とは、若くて綺麗なおねーさんが、ミニスカートで営業に行き、何も聞かずに「Adaptecの半値で出します」といったとかいかわないとかという話です。若くて綺麗なおねーさんがミニスカートでというところは、実際どうか知りませんが、WinOnCDのOEM価格がAdaptecよりも安かったことは事実のようです。

Adaptecは、唯一勝てずにいたヨーロッパ市場で、WinOnCDを買収することで名実ともにワールドワイドでシェアトップのメーカーとなります。そして、冗談とも取れないのが、そのときのプレスリリースでした。Adaptecからでたプレスリリースには、ソフトがどうこうとは全く書いてなく、「CeQuadratの独自のマーケティング手法が云々」と書いてあったのです。ぼくは、若くて綺麗なおねーちゃん、ミニスカート、半値、この3つのキーワードが頭の中でぐるぐる廻っていたことを覚えています。ようするに、彼らは、ここでも市場を買ったのでした。

この話には、続きがあります。
Adaptecは、市場を買うことでシェアトップになりましたが、彼らには技術者が付いてきていませんでした。Easy CD、CD Creator、WinOnCD、と初期の開発メンバーはほとんど残っていなかったのです。それに加えて、ライティングソフトのプロダクトリーダーは、AdaptecのSCSIカード用のデバドラの開発者が担当していたようですが、優秀だったそのデバドラ開発者が、ぞくぞくと転職していきます。

結果として、ソフトのできが悪くなり、シェアトップの座を別のソフトに明け渡すことになります。劣勢になったAdaptecは、一度、退社した人をさらに引き抜き、てこ入れを図りますが、結果は、伴いませんでした。

そして、彼らをシェアトップから引きずり落としたソフトは、皮肉にも前述したIncat出身者の手によるものでした。そのソフトも、買収に継ぐ買収で、最終的にソニックソリューションズの手にわたります。そして、ソニックは、AdaptecからスピンオフしたRoxioを買収します。最終的にソニックが手にしたものは、同じ人達がもともと開発したソフトだったということになります。

ライティングソフトの世界で、2度ワードワイドシュアトップの座に付くソフトを開発した旧Incatの方の話はまた別の機会に書きたいと思います。

2010年7月23日金曜日

eSATAとUSB3.0

最近、放置プレー気味で申し訳ございません。
さて、今回は、特に意味はありませんが、eSATAとUSB3.0のお話でもしてみようと思います。

これは、僕の個人的な好き嫌いの部分なのですが、正直、僕は、USBはあまり好きではありません。今でこそ、USBを使っていますが、その昔は、IEEE1394をメインに使っておりました。理由は、IEEE1394の方が、バスとして優れており、便利なSCSIとして使用できたからです。特にIEEE1394の無駄に高機能なところがなんともいえませんでした(笑)。

さて僕の好き嫌いの話はおいておいて、本題ですが、最大5GbpsのUSB3.0が登場して、僕もUSB3.0ケースなどをチェックする機会が増えました。何製品か、どのぐらい速度がでるかをチェックしてみましたが、現状の製品は、いずれも200MB/secほどでサチってしまうようです。参考までに東芝のHG2をセンチュリーのガチャポンパというUSB3.0+eSATAクレードルを使って、USB3.0で使用した場合のベンチ結果を載せておきます。


SATA接続の機器をUSB3.0で使用する場合、SATAからUSBへとプロトコル変換をしなければならないわけですが、これを処理する変換チップの処理速度が足りないのが原因だと思います。第一世代ですでに200MB/secもでているという考え方もあるかもしれませんが、せっかくですから、SATA Rev2.6の300MB/secぐらいでてくれると便利なのにというのが僕の本音です。HDDは、SSDほど高速な製品は登場していませんので特に問題はありませんが、SSDをUSB3.0で使う場合は、200MB/secでサチるので注意してください。

ということで、現状、ストレージを外付けで使用してかつ速度を求めるならeSATAのほうがよいと思います。デスクトップでは、eSATA用にMarvellやJmicronなどの外付けチップを搭載することが一般的ですが、IntelのICH/PCHは、ICH8M、つまり、ICH9世代からeSATAにも対応しています。Intelチップ搭載のノートパソコンでは、eSATA(Power eSATA含む)ポートをICH./PCHからとっている可能性も十分あるので、興味があるかたはチェックしてみると良いかもしれません。

また、eSATA対応の機器(外付けケースやクレードル)は、SATAの信号をほぼそのまま引きずり出したような機器が多いようで、SATA Gen3対応機器をGen3対応ポートに接続するとちゃんと600MB/secの速度でリンクアップする点もGoodです。600MB/secの速度でのリンクアップは、センチュリーのガチャポンパという製品のUSB3.0+eSATA対応の外付けクレードルに最新のVeloci Raptor(SATA Gen3対応)を接続し、マザーボードのSATA Gen3ポート(Marvell)で確認しました。

eSATAは、SATAそのものなので、本来、速度的には一番優れているのになぜかいまいち普及していないような気がします。eSATAならOS起動にも使えるし、ホットプラグで使用できるので結構便利なのですが・・・。やっぱり、電源供給可能なPower eSATA策定時にコネクタ形状でもめて(特許があるのでかなりもめたみたいです)リリースが遅れてしまい、USB3.0の登場よりもちょっとだけ速い登場というのが最後まで足をひっぱる結果となりそうな感じです。

eSATAに関しては、いぜん、某社の方にこんなことを言われたことがあります。「Power eSATAも1年遅かったよね・・・。もう一年早くだせていたら・・・」と。

ちなみに、個人的には、eSATAを応援しております。

2010年7月17日土曜日

BDXLはどうなのか

本日、BDXL対応のレコーダの発表がありました。
アクセス解析をみていたら、以前書いたBDXLの記事へのアクセスが多少増えているようなので、実際の製品が発表されたということで、BDXLに対して僕が思っていることをもう少し書きたいと思います。

まず、ディスクの価格からです。僕は、前回の記事でBDXLの記録メディアはかなり高くなると予想しましたが、実際の予価も大体想像通りのものでした。その価格は、3層(TL)ディスクで5000円という、HDDなら1TBクラスが購入できる価格です。僕は、前回の記事で価格までは書きませんでしたが、大体このぐらいの価格ではないかと想像しておりました。根拠は、従来のDLディスクのスタート価格がこのぐらいだったからです。これをベースに考えると、僕の予想では、4層ディスクを今の時点で発売すると1万円前後のスタート価格になると思います。(1万円で済めば良いですが、それを超えた価格でも僕は特に驚きません。)

というのも、BDのように順積みの積層で作るディスクの歩留まりは、記録層を重ねるごとに悪くなっていくからです。ちょっと乱暴な説明ですが、1記録層あたりの歩留まりが95%だと仮定すると、単純計算でシングルレイヤーなら100枚製造して95枚が良品ということになります。ですが、2層ディスクでは、この95枚の良品の中からしか取れません。このような感じで、記録層が増えるごとにどんどん不良品が増加していくのです。

加えて、BDXLのディスクは、記録層と記録層のスペーサー層がTLの場合で2つ、4層では3つ必要になるため、これがディスク製造の歩留まりに影響を与えると思います。というのも、DLでは、スペーサー層は1つでしかも厚みは固定(といっても多少のばらつきは認められていますが)でしたが、3層のTLや4層では、DLのように固定のバラツキというわけにはいきません。前回も説明しましたが、ここを固定にすると記録再生中のターゲット層以外の層で反射したレーザー光が迷走して、記録再生に影響を与えるためです。

具体的にどのような影響がでるかというと、記録中の物理アドレスが読めなくなり、記録の失敗が発生する。再生が途中で止まるなどの現象が考えられます。この問題を解決するために、BDXLでは、おそらく、DLディスク以上にスペーサー層の厚みに厳しい制限が加えられていると思います。この制限が、ディスク製造における難易度を高めていると個人的には想像しております。

ちなみに、記録層の膜厚ムラですが、BDXLの場合、おそらく、記録材料は無機膜のみに限定されている思いますので、その影響はそれほど大きくないのではないかと思います。理由は、無機膜のディスクの製造は、スパッタリング装置で行うことになり、膜厚ムラは、基本的にスパッタリング装置の精度で決まるからです。規格は、スパッタリング装置の精度を加味して作られているはずなので、現状の装置なら対応できるレベルに収められていると想像できるというわけです。

次にドライブの価格ですが、これも前回説明したように、おそらくそれほど高くはならないと思います。理由は、いくつかありますが、1つには、現状のBDドライブが、すでに球面収差補正とチルト補正機能の両方を搭載している可能性が高いからです。

というのもBDXLと従来のBD規格を比較した場合の機構的な部分での最大の違いは、前回も説明した信号処理の部分と収差補正機構にあると思うからです。従来のBD規格は、球面収差補正は必須でしたが、チルト補正は必須ではありませんでした。ですが、BDXLでは、両方の収差補正の搭載が必須となっていると思います。ただ、現在のBDドライブは、前述したように球面収差/チルト補正の両方に対応しているドライブがかなり多いはずなので、すでに機構的な要件を満たしている可能性が高いといえます。このため、無いものは、信号処理の部分(LSI)ということになり、ドライブの物理的な価格はそれほど高くないというわけです。

最後にBDXLで個人的に注目しているのは、再生光劣化の問題です。
不安を煽るようですが、BD(正しくは、HD DVDもでしたが)では、再生光劣化が発生する可能性があります。気づいている方もいるのではないかと思いますが、BD世代になってからディスクに再生回数xxxxx回を保証とか書かれていることがあります。その理由は、再生光劣化が発生する可能性があるからです。特に色素系ディスクでは、当初、この問題をクリアするために結構苦労したようで、高速化のときにも業界の集まりで笑い話にしかならないような質問があったようです。いわく「そのディスクは、どのぐらいの回数の再生ができますか」と。

BDXLの記録ディスクは、無機膜だと思いますが、無機膜は、基本、熱に反応します。記録層が増加しているということは、L0層の再生出力もそれだけ高くなっていると思いますので、記録しやすくするために下手に反応速度をあげると、再生光劣化がでてもおかしくありません。また、記録時にも記録中以外の層にも熱が伝わりますので、それによって、クロスライトやクロスイレースなどの問題が発生する可能性も高くなります。

個人的には、BDXLを使用することはほとんどないと思いますが、長期保存等を考えるのであれば、シングルレイヤーの無機膜の従来ディスクを使用するのが個人的にはよいと思います。
ネタ的にいえば、どこかの安価にディスクを製造するメーカーが、再生光劣化を起こすようなディスクを安価に市場投入すると多少は盛り上がるかもしれませんが・・・。

2010年7月4日日曜日

Jmicron製コントローラでみるファームウェアとNANDメモリ

少々時間が空いてしまいました。
今回は、以前に予告していたKingston製SSDのバリューラインのSSDで採用されている東芝マーキングのJM61xコントローラと東芝製のNANDメモリを採用した製品(SNV425-S2/64GBまたは128GB)についてレポートしたいと思います。

まず、この製品ですが、チップのマーキングは東芝ですが、JM612またはそのカスタム品(JMF618?)が採用されていることは間違いないと思います。これは、色々なベンチマークを動かしてみるとJMF612を採用したCSSD-SM128WJ2/WJ3とよく似た挙動を示すことがあるからです。ただし、ファームウェアの違いなのか、それともチップ自体も部分的にカスタムされているためなのかはわかりませんが、CSSD-SM128WJ2/WJ3とは良い意味で異なる挙動を示す部分もあります。その一例が、SecureErase後のHD Tuneのシーケンシャルライトの結果です。


この結果をみれば、一目瞭然ですが、Kingstonの製品は、全域をほぼ一直線で記録できていますが、CSSD-SM128WJ2/WJ3は、それができていません。WJ2は、スタートから30%ほどはそれなりの速度で記録できていますが、そこを過ぎると急激に速度が不安定になり、かなり上下にブレます。WJ3は、さらにひどく、25%ぐらいまで記録が進むとそこから先は急激に記録速度が低下し、最終的には10MB/sec前後ぐらいのところで安定しています。WJ3の途中からの速度は、現在のSSDとしては遅すぎというスコア以外の何者でもありません。

次にKingstonのCrystal Disk Mark3.0の結果も載せておきます。同じ東芝製のNANDメモリを搭載したWJ2と比較すると、Kingstonは、リード性能こそほぼ同等ですが、シーケンシャルライトと512KBのランダムライトは、WJ2よりも遅めという感じで、4KBのランダムライトは、Kingstonが微妙に速いという感じです。


このように、Kingstonの製品は、JMF61xベースのコントローラを採用しているにもかかわらず、WJ2/WJ3とは良い意味で異なった挙動を示します。いずれにしても、基本設計は、ほぼ同じと思われるコントローラでもこれだけの挙動の差がでるというところが非常に興味深いところです。 この差が、コントローラとファームウェアの両方によってもたらされたものなのかそれともファームウェアの違いが大部分を占めるのが興味があるところです。

最後に、Kingstonの製品で、Trimの効果があるかどうかをチェックしてみたので、その結果も掲載しておきます。テスト方法は、IntelやReal SSD C300などをチェックしたときと同じ手順です。記録容量の約90%まで記録と削除と繰り返しながら、データを記録して強制的に劣化状態を作り出してチェックを行っています。


Trimの効果の結果ですが、ご覧の通り、劣化状態とTrim有効の状態ですべてのファイルを削除した場合でほとんど同じグラフになりました。これから想像できることは、この製品は、少なくともIntelのX25 MのようなTrimの使い方をしていないということです。

なお、128GBの容量のWJ2/WJ3でも以前、Trimの効果をみようと記録容量90%まで記録と削除を繰り返したことがあります。そのときWJ2/WJ3は、異様に長い書き込み時間を必要としたことも追記しておきます。その時間は、なんと約13時間で、東芝のHG2やSamsung、IndilinxのBarefootを採用した同容量のSSDならの2時間強で終了するところを約6倍もの時間がかかりました。Kingstonの場合は、128GBの製品で3時間強でしたので、前述の東芝のHG2などと比較すると少々時間がかかっていますが、WJ2/WJ3ほどひどくはありません。JMF61xのコントローラを採用したSSDを購入するなら、Kingstonの製品を購入されることを強くオススメしておきます。

というか、個人的な感想を言わせてもらうとWJ2/WJ3は、プチフリする可能性があるので購入しない方がよろしいかと思います。というのも、この記事のIOMeterの結果をみてもらうと僕がこのように言うことが解るかと思います。

この記事では、バッファローのSHD-NSUH128Gという製品を検証していますが、この製品は、WJ2/WJ3とほぼ同等の製品です(CFD販売はバッファローの子会社です)。この製品のIOMeterの結果をよく見るとMAX Write Response Timeがすごいことになっています。16KBのQD32の結果は、なんと「10515.04ms」、つまり、10秒を超えています。他の4KBとか64KBなどでも、軒並み数秒単位のMAX Write Response Timeが測定されています。

先程、Trimテスト用の劣化状態を作り出すときにWJ2/WJ3で他社の6倍ぐらいぐらいの時間がかかったと書きましたが、数秒単位のレイテンシが、ほぼ同じ製品と思われるSHD-NSUH128Gで発生しているということを考えると、納得できます。

2010年6月26日土曜日

Crucial Real SSD C300の64GB版

もう発売が始まっているようですが、現在、唯一のSATA 6G対応SSD、Crucial Real SSD C300の64GB版が登場しました。この製品は、僕もまだ使用していないのですが、安価ということもあり興味をもっています。というのも、この製品は、記録容量によって書き込み速度がすべて異なっているからです。

Real SSDの最上位の256GB版は、公称ライト速度が215MB/secですが、128GB版は、140MB/sec、64GB版ではなんと「70MB/sec」と読み出し速度はそのままで書き込み速度のみがどんどん低下しています。これまでも、記録容量の違いで書き込み速度が異なる製品は、販売されていました。たとえば、Indilinxのコントローラを搭載した製品がそうですし、SamsungのSSDもそうです。ただ、両者は、256GB/128GBとそれ以下で速度が別れており、Real SSDのように記録容量毎によって、すべての製品の書き込み速度が異なることはありませんでした。僕が興味をもっているのは、まさにこの点です。

これは、あくまで僕の想像ですが、今回の64GB版のReal SSD C300は、NANDメモリが8個しか搭載されていないのではないかと思っています。 つまり中身は、32GbitのNANDメモリのダイを2個積層したパッケージが8個搭載されており、64GBの容量を構成していると考えています。

理由は、Real SSD C300の64GB版の書き込み速度が、70MB/secにとどまっているからです。というのも、NANDメモリパッケージを16個実装しているなら、16パッケージを同時に書き込めばよいので、チップ当たり8MB/secの速度しか出なくても130MB/sec弱の速度がだせます。しかし、本製品では、そこまでの速度がでていません。つまり、Real SSD C300の64GB版の並列アクセス数は8chと考えられるというわけです。自然に考えると搭載NANDパッケージの数も8個だと推測されます。

東芝のSG2を見てもらっても分かるようにインターリーブを使用することで、NANDメモリのダイを2個積層したパッケージを使用することで4ch並列アクセスでも200MB/sec弱の読み出し速度を実現できます。つまり、8個のパッケージを使い8ch並列アクセスで使用すれば、350MB/secの読み出し速度は理論上簡単に実現できるというわけです。

なお、Real SSDの256GB/128GB版の速度が、350MB/secにとどまっているのは、単純にコントローラがサチっているのではないかと思います。ノートパソコンの使用を考えた場合、消費電力の問題がありますので、PC OEMを考えているならNANDメモリの書き込みに必要な消費電力だけでなく、コントローラの消費電力も考えないと使えないことがでてきます。このため、ピーク時の消費電力を考えた結果、350MB/secにとどまっていると考えるほうが自然だと思います。

SSDの高速化について、以前、某社の方に伺ったことがありますが、現在のノートパソコンの電源供給能力を前提とすると、SSDの最大並列チャンネル数は、現状のNANDメモリの消費電力を前提に20チャンネルぐらいが限界と伺っています。

現状の2.5インチサイズとノートパソコンの電源供給能力を前提とするとSSDは、NANDメモリの省電力化が進まない限り、ある一定以上の速度向上が望めないところに来ています。そして、それは計算できる速度です。

2010/06/26追記
本製品を搭載NANDメモリ数を8個と予想しましたが、購入して分解された方の写真をみると両面実装で「16個」だったようです。製造単価を考えると16Gbitのダイを2個積層というのはちょっと考えにくいので、この製品は、32Gbitのダイ1つで構成されたパッケージを搭載している可能性が高いのではないでしょうか。また、ライト速度が70MB/secしか出ていない件ですが、これは、やはり並列ch数が8チャンネルだからという可能性が高いと思います。

2010年6月23日水曜日

JMF612搭載SSD同士でNANDメモリの性能差を軽くチェックしてみた

しばらく前のことですが、Jmicron製コントローラ「JMF612」を搭載したCFD販売のSSD2製品を使用する機会がありました。使用したのは、東芝製NANDメモリを搭載したCSSD-SM128WJ2とIntel製NANDメモリを搭載したCSSD-SM128WJ3です。

両製品は、ともにバッファローのオリジナル基板を採用したSSDで、外観上の基板パターンも同じであるため最大の違いは、搭載しているNANDメモリぐらいという製品です。(実際には搭載しているファームウェアのリビジョンも異なっています)。

以前、本ブログでコントローラが対応するNANDメモリの種類が増えると採用されているNANDメモリによってこっちが早いとかあるかもと書いたことがあります。ちょうど条件が近い環境が整ったので、そのときに簡単にチェックを行ってみました。なお、前述した通り、CSSD-SM128WJ2とWJ3は、「ファームウェア」のバージョンが微妙に異なっていた点には留意してください。WJ2は「091117」でWJ3は覚えていませんが、それとは異なるバージョンであったことは間違いありません。(すみません、画像キャプチャするのを忘れていたのでファームウェアのバージョンを忘れてしまいました)

では結果です。
Crystal Disk Mark 3.0の結果を見る限りは、東芝製NANDメモリを採用したWJ2の方がシーケンシャル速度に関しては総じて高速であるように見えます。加えて、ライト速度も全般的に東芝製NANDメモリを採用したWJ2の方が速いという傾向がみてとれます。一方で、リード速度のみに着目するとシーケンシャル速度は確かに東芝製NANDメモリが高速ですが、512KBや4KBのリードは、総じてIntel製NANDメモリを採用したWJ3が高速な傾向がみて取れます。

以前から感じていましたが、Intel製NANDメモリは、総じてライト速度が遅いようです。X-25Mしかり、X-25Vしかりです。特にわかりやすいのが、X-25Vと東芝のSG2との比較です。X-25Vは、5ch並列アクセスでありつつ、4ch並列の東芝SG2よりもシーケンシャルライトが遅くなっています。単純計算では、Intel製NANDメモリの場合、チップ当たり8MB/sec強の速度しか出ていません。それに対して、東芝のSG2は、X-25V同様に30nm台のNANDメモリを使用しつつ、チップ当たり12.5MB/secの速度がでていることになります。ライト速度が少し早くなったX-25M G2でもチップ当たりで10MB/secしかでていません。

以前、某社のSSD開発部隊の方とお話したことがあります。
そのときの話ですが、「NANDメモリに確実にデータを記録するには、時間をかけた方がよい」ということを話されていました。その方は、こうもおっしゃいました。「データの保持期間を無視してもよいなら、MLCでも書き込み速度は、もっとあげることができる」と。

NANDメモリでは、データの保持期間が実際の寿命に大きく影響します。NANDメモリは、データを書き込んだまま何もせず、放置しておくと、約10年ほどでそのデータは、読めなくなるからです。
これを前提にその方が言いたかったことを推測するとこういうことになります。

「チップ単体のライト速度は、公称値よりも上げることができる。ただし、ライト速度を上げすぎた結果、データの保持期間が短くなっても知らないよ」

IntelのSSDは、登場時からライト速度が遅すぎると思っていました。X-25M G1登場時ですら、一般的なMLCのライト速度は、10MB/secと言われていましたので、普通10ch並列なら100MB/secぐらいはシーケンシャルで出てもおかしくなかったからです。ですが、X-25M G1の速度は、なぜか70MB/sec強でした。明らかに単純計算より遅いのです。

IntelのSSDの書き込みが理論値よりも遅い件に関して想像できる理由2つあります。1つは、前述の某社のかたのお話から寿命等を考え、あえて遅めの速度で書き込んでいたことです。初物でもありますし、敢えて、安定性を重視した設計をしたというわけです。もう1つが、実は、チップそのもののライト速度がそれほど早くなかったことです。他にも、並列ライト時の処理が余り上手ではないと言うことも考えられますが・・・。

ただ、WJ2とWJ3の速度の違いをみると、どちらかというと単に遅いのではないかというのが今の僕の結論です。単純に考えると、Intelが今のコントローラと東芝製NANDメモリでSSDを作ったら、シーケンシャルライトが20%ぐらい高速化されそうです。

次回は、WJ2とWJ3に加え、Kingstonの東芝マーキングのJM61xコントローラが乗ったSSDのテスト結果についてレポートしたいと思います。Kingstonの製品は、「58NCF618GBT」という型番のコントローラが搭載されています。このコントローラは、JmicronのOEMであることは間違いなく、JM612のカスタム品またはJM618といわれています。Kingstonのこの製品の搭載NANDメモリは、東芝製なので、東芝NANDメモリ向けのカスタムが入ったコントローラと考えられなくもありませんが、型番から推測するにJM618でもおかしくはありません。短時間のチェックだったので、例によって簡単なベンチになりますが、Kingstonは、WJ2/WJ3とは違った動きをみせてくれます。

2010年6月17日木曜日

AMD SB850(SATA 6G)の性能

先月のことですが、AMDのSerial ATA Revision3(SATA 6G)対応チップ「SB850」搭載マザーを使う機会がありました。運良く、Crucial RealSSD C300が6台ほど使えたのでSATA 6G環境のRAID0でどのぐらい速度がでるのかチェックしてみました。テスト環境は、以下のとおりです。

M/B:GA-890GPA-UD3H
CPU:Phenom II X4 955 Black Edition
RAM:4GB

最初に結果を報告しておくとリードライトともに「1GB/sec強」で頭うち(業界用語で「サチる」)になってしまいました。SB850のRAIDは、ストライプサイズを64KBと128KBの2種類が選択できましたが、どちらを設定しても最大速度は、1GB/sec強にとどまります。このため、単体でリード速度が350MB/secほどでるReal SSD C300は、4台以上でRAID0を構築してもリード速度がまずサチり、あとは、ライト速度がサチるまで微妙に上がるだけという感じになります。

6台のRAID0では、1GB/sec強でサチってしまうので、次に4台でRAID0を構築した時の結果を載せておきます。4台にした理由は、単純です。SB850が1GB/sec強でサチっているので、4台なら理論上の速度が1400MB/sec、ライトが880MB/secとなり、もっともバランスが良さそうな気がしたからです。実際の結果も狙い通りで、リードは1GB/sec強、ライトも800MB/sec前後となりました。ストライプサイズも64K/128Kの場合で大きな違いはありません。

SB850は、ノースブリッジとの間を2GB/secのAlink Express IIIで接続しているので、もう少し速度がでるかとテスト前は期待していましたが、1GB/sec強でサチってしまい少々期待はずれでした。個人的には、1500MB/secは無理でも1200MB/secぐらいなら案外行けるかもと思っていたのですが・・・。
ただ、冷静に考えてみると、最新のSAS2.0対応のRAIDカードでRAID0を構築しても、現実的には、1500MB/secぐらいでサチってしまいます。それを考えるとSB850は案外頑張っているといえるのかもしれません。

2010年6月15日火曜日

続、MX-DS

多忙だったため、しばらく放置プレイをしてしまいました。
申し訳ございません。

ちょっと時間があいてしまいましたが、前回レポートしたSandForce SF-1200採用のMX-DSを再度、使う機会がありました。そのときにファームアップと短時間ですが劣化試験を行ってみたのでその結果をレポートします。

まず、前回、SecureErase後に変な挙動を示したMX-DSでしたが、今回テストした製品では、そのような挙動は見られなかったことを最初に報告しておきます。ただし、SecureEraseは、ファームウェアを最新版に更新後、何度かベンチマークを取ったあとに行っています。そのため、最新のファームウェアで解消されたのか、それとも前回テストした機体固有の問題であったかは不明ですが、最新ファームウェアではSecureEraseを行っても問題はでないと思われます。

次に劣化試験ですが、ドライバーは、Trimの発行をサポートしているIntelのRapidStrageTechnology Ver9.6.0.1014を使い、いつもの劣化試験用の書き込みを行いました。結果は、グラフを見てもらえばわかるかと思いますが、SF-1500を搭載したG-Monster2 SFV1とは全く異なる挙動となっています。MX-DSの劣化状態の速度は、ランダムライトこそSecureErase後との比較で速度低下がみられていますが、シーケンシャルライト速度は、大きな変動が変動が見られていません。G-Monster2 SFV1では、初期の半分ぐらいまでライト速度が低下していたことを考えると大きな違いです。


また、Trim後の挙動についても多少変化が見られています。
MX-DSは、Trim後のテストでも完全にもとの速度まで回復していないものの多少の回復がみられています。 G-Monster2 SFV1のときは、シーケンシャルライトの速度が劣化状態のときと変化がほとんとなかったことを考えるとTrimの挙動にも変化が見られています。

これらの結果からも分かるように、MX-DSの最新ファームは、少なくともG-Monster2 SFV1の初期ファームとは挙動が異なるようです。SF-1200とSF-1500なのでコントローラの違いもあるとは思いますが、少なくとも僕がテストした限りでは、SF-1200を採用したMX-DSの方が、G-Monster2 SFV1の初期ファームよりもできがよいと感じています。個人的な感想をいわせてもらえば、SF-1500を採用したG-Monster2 SFV1も最初からこのレベルのファームウェアで製品が登場していたら、ずいぶんと印象が違ったのではないかと思います。

2010年4月11日日曜日

MACH XTREME Tech MX-DSのSecureEraseについて

SandForceのSF-1200を採用しているMACH XTREME TechのMX-DSシリーズをちょっとだけですが、使う機会がありました。そのときに気がついた点を今回はレポートします。

まず、SF-1200を採用したMX-DSですが、先に登場したG-Monster2 SFV1とは異なるファームウェアを使っているようです。(G-Monster2は、「232A11F0」ですが、本製品は、「302A13F0」です)このためか、初期状態のベンチーマーク速度は、SF-1500採用のG-Monster2 SFV1とほぼ遜色ありません。(ベンチマークを見る限りでは、大きな差はない感じでした。PCMark Vantage HDD Test Suiteの結果は、逆にSF-1200の方がよいぐらいです)

ただし、ファームウェアが変わったためか、「SecureErase」を行うと、少なくとも僕の環境では、問題が発生しました。それは、SAMRTがおなしな挙動をするようになったことです。この製品も、SecureEraseを行えますが、その手順は、G-Monster2 SFV1と同じ方法でしか行えません。具体的に説明すると、HDDEraseを使う場合は、システム起動後に本製品を接続することでSecureEraseを行え、LunixのHDPARMを使う場合は、途中でホットスワップすることで行えます。

問題は、その後です。まず、最初に起きたのが、BIOSのSMARTチェックで常にエラーが表示されるようになりました。最初は、いきなりエラーが表示されてびっくりしましたが、じっくりと画面をみているとSMARTでエラーがでていることがわかりました。そこで、色々なツールを使ってSMARTがちゃんと動作していないかチェックしてみましたが、コマンドそのものは、普通にEnableに設定されており、問題なく動作しているようです。問題は、その内容です。


Crystal Disk Infoで内容をみてみると、G-Monster2 SFV1で、リードエラーレート(01)とECC回数(C3)と表示されている情報の内容が同じになっていました。しかも、この数値、電源をOFFにすると0に元に戻り、しばらく使っているとどんどん数値が上がっていき、Crystal Disk Infoの情報を更新するだけで上がります。もちろん同じ数値で。加えて、不良ブロック数(05)の生の値が540になっています。


このような現象が起きるとは思っていなかったので、初期がどうだったかはみていません。しかし、そもそもBIOSでSMARTのエラーが表示されること自体はなかったので、おそらく、SecureEraseしたことによって、情報がおかしくなったのではないかと思っております。

というのも、この状態でOSをインストールして使ってみましたが、特に問題がでることなく使用できていますし、ベンチマークを実行しても速度が落ちたなどの現象は発生していません。数値どおりのリードエラーレートなら何かしらでてもおかしくないと思いますが、サラッと使ってみた限りでは特に問題はでていないような感じでした(もっとハードな使い方をすれば違うかもしれませんが)。 個人的な印象では、SSD自体の動作自体に問題はないような感じで、SMARTの数値のみがおかしくなっているという印象です。

これが僕の環境のみで発生した現象なら、テストしたSSD固有の現象ということで問題はないのですが、SSDに問題がないとしたら、他の方でも同じような現象がでる可能性もあります。このため、とりあえず、本製品でSecureEraseを行うことは推奨しません。もし、怖いもの見たさでSecureEraseを行い僕と同じ現象が出たという方がいたら、報告していただけたらと思います。

2010年4月6日火曜日

BDXL(High Capacity Recordable and Rewritable discs)について

昨日、BDAからBDXLなる4層BDのリリースがありました。
いまさら、光ディスクではないと思いますが、もともとの僕の得意フィールドだったので、今回は、BDXLなるものについて書きたいと思います。

BDXLは、なんてことは無い現状のBDの1層あたりの容量を増やし、多層化したBDです。ですが、少々工夫を凝らし、高密度化を図ったようです。BDは、線密度の違いから23,25,27GBの3種類の容量が規定されていましたが、今回のBDXLは、3層で100GB、4層で128GBとなっています。

BDXLの高密度化は、おそらく、今は亡きHD DVDと同じ信号処理系PR(1,2,2,2,1)を前提にしたのだと想像されます(従来のBDは、PR(1,2,2,1)です)。というのもBDは、当初からHD DVDと同じ信号処理系を採用すれば、1層あたり35GB前後まで行くといわれていました。実際、学会発表でもどこかのメーカーがBDと同じ光学系で40GB弱の成果を発表していたと思います。35GBクラスの発表は、HD DVDを推進していた東芝もNA0.85で発表していたはずです。

また、BDの1層あたり27GBメディアが規格のみで登場しないのは、メディアの設計が難しいからです。以前、某メディアメーカーの方に話を伺ったことがありますが、27GBは、理論限界付近にあるため、できたとしてもものすごく高価なメディアになるといっていたことを今でも覚えています。(そのまえにできないかもともいってましたが・・・)

今回のBDXLは、前提とする信号処理系が現在のBDとは異なると思われますので当然ですが、互換性はありません。ただ、ドライブの設計としては、光学系には大きな変更はないと思われますので、おそらく、ドライブの価格は、それほど上がらないのではないかと個人的には予想しています。

実際、今は亡きHD DVDでも3層のTLの規格を策定していましたが、3層になったからといってドライブの価格が大幅に上がる予定にはなっていませんでした。それどころか、それまでのドライブをカスタムすることでも対応できていたと思いますので、ドライブ自体は、4層になったからといって大きな価格変動はないと思います。ただ、前述したように少なくとも信号処理系に手が入っていると思いますので、それに対応したLSIを搭載しないとBDXLを読み出せませんが・・・。

また、BDXLは、リリースによると当初は、医療用などの業務向けとして規格化されるようですが、コンシューマ向けへの展開も考えているようです。ここは、断言できますが、記録メディアの価格は、べらぼうに高くなると思います。というのも、4層BDは、単純に層を重ねればよいというわけではありません。記録層と記録層の間のスペーサー層の厚みを均一にしてしまうと、他の層に反射したレーザー光が、迷走して読み出しの障害になるからです。これを回避するために4層BDでは、スペーサー層の厚みを微妙に変えて配置しなければなりません。

BDは、もともと厚みムラに弱いので、この微妙に厚みを変えて配置というは、歩留まりに影響を与えると思っています。しかも、BDは、トータルの厚みが1.2mm、保護層の厚みは0.1mmと規定されており、すべての記録層は、この0.1mmの中に配置しなればなりません。つまり、記録層を増やすとその分、本来の保護層の厚みが減ります。なんか、考えただけでメディアを作るのが難しそうです。

実は、僕は、4層とかのBDが本当に規格化されるとは思っておりませんでした。コンシューマ向けとしてはメディアの価格が高くなるだけで特にメリットが見えなかったからです。(今回発表された業務用というならメディアの価格をある程度無視できるので、ありだと思いますが・・・)
ちなみに、今でも同じことを思っています。たとえ、コンシューマ向けにでたとしても1枚数千円する記録メディアなら、HDDでもかった方が個人的にはよいような気がします

2010年4月5日月曜日

SSDコントローラメーカーの課題

多くの方がご存知のように、SSDを構成する主要パーツは、「NANDメモリ」と「コントローラ」です(ほかにも外部メモリを搭載することが一般的ですが、外部メモリは無くても設計できるのでここでは省かせていただきました)。なかでもコントローラは、SSDの性能を決める部分でもあるので重要です。今回は、SSDコントローラを設計しているメーカーならではの課題について書きたいと思います。

まず、現在のSSDですが、大きく3つに大別できます。
最初が、NANDメモリとコントローラの両方の開発設計、製造を手がけているメーカー。つまり、自社でSSDを完全開発できるメーカーです。代表的なメー カーとしては、SAMSUNGや東芝が挙げられます。Intelもそうじゃないかという声が聞こえてきそうですが、Intelのコントローラは、 Marvelが開発したものという話を業界関係者から昔からよく聴くので敢えて省かせていただきます。(本当かどうかは僕が裏をとったわけではありませ ん。あくまでそういう話をよく聴くという話です)

次が、NANDメモリまたはコントローラのみの開発を手がけているメーカーです。この形態のメーカーは、基本的に裏方に徹しており、自社でSSDを製造販売しているところは現時点では少ないと思います。代表的なメーカーと しては、JmicronやIndilinx、PHISON、INITIO、Sandforce、MarvelなどのコントローラメーカーとMicronなどのNANDメモリメーカーです。

最後が、NANDメモリやコントローラを買ってきて、SSDを製造販売 しているメーカーです。SSDは、通常、コントローラメーカーが基盤のリファレンスデザインとファームウェアを提供しています。このため、この形態のメー カーは、多数存在しています。国内の有名どころでは、OCZやバッファロー、PhotoFastというところです。

前述したコントローラメーカー課題とは、すばり、NANDメモリへの対応です。
あまり多くは、語られていませんが、現在のSSD向けコントローラは、すべてのNANDメモリに対応出来ているわけではありません。例えば、昨年人気になったIndilinxのBarefootの初期リビジョンは、SAMSUNGのNANDメモリの専用品のようなものです。現在は、Intel等にも対応し対応NANDメモリの種類を増やし、NANDメモリのマルチベンダー化を進めていますが、完全ではありません。

また、東芝のコントローラは、いうまでもなく東芝製NANDメモリに最適化されており、他社製のNANDメモリへの対応は、基本的に行われていないはずです(外販の予定もないので当然だと思います)。SAMSUNGも同様だと思います。また、僕の想像ですが、おそらく、現状のMarvel製コントローラもIntel/Micronにあわせて設計されていると思います。(今後は、分かりません)
現状もっともNANDメモリのマルチベンダー化が進んでいるのは、Jmicronかもしれません。Jmicronは、当初SAMSUNG製のNANDメモリを採用していることが多かったのですが、現在では、東芝やIntelも使われるようになっています。

NANDメモリは、各社で仕様が異なっているので個別対応が必要です。NANDメモリのマルチベンダー化は、いうまでもなく、開発の負担が増えます。しかし、コントローラやNANDメモリを購入し、SSDを開発販売しているメーカーは、NANDメモリのマルチベンダー化を望んでいます。これは、使えるNANDメモリの種類が増えることでより安価なNANDメモリを選択できる可能性が出てくるからです。

コントローラメーカーは、より多くのメーカーに採用してもらうためにもNANDメモリのマルチベンダー化は、事実上必須と言えるでしょう。しかし、どこまでサポートすれば良いのかという点には難し判断が残ります。というのも、開発負担が増えるので、コントローラメーカーは、できるだけ対応NANDメモリの種類を増やしたくありません。しかし、NANDメモリは、微細化が進むごとに新たな対応が必要です。NANDメモリは、微細が進むことでエラーが増えるためより強力なエラー訂正を行う必要がでるからです。

このため、コントローラメーカーは、最新のNANDメモリがでるごとに新たな対応が必要になります。今の段階で、少なくとも40nm世代と30nm世代の対応が必要です。Intelは、すでに20nm世代を準備していますので、下手をすると3世代の対応が必要となるかもしれません。これを複数のNANDメモリベンダーでやろうとするとかなりの大変だということが想像できます。NANDメモリの種類をどこまでサポートするのか、コントローラメーカーは、これから悩まなければなりません。

また、NANDメモリ自体の速度もメーカー間で差があります。NANDメモリのマルチベンダー化が進んだコントローラでは、どのメーカーのNANDメモリが搭載されているかで売れ行きが変わったりすることもでてくるかもしれません。

2010年3月28日日曜日

SSDの一般化は2012年?

久しぶりの更新になります。
さて、今回は、SSD一般化の時期について最近良く耳にするようになったことを書きたいと思います。

現在、業界では、SSDが一般化する時期を「2012年」頃と予想されている方が多いようです。この一般化とは、SSDを搭載したパソコンが普通に売れるようになり、爆発的にSSDが普及しだす時期と言った方が良いかもしれません。

なぜ、このような話になっているかというと、現時点で、 SSD内蔵のパソコンがまったく売れていないというのが理由です。その原因も明白で、単純に「価格が高い」ことにあるようです。伝え聞く話では、ある大手メーカーは、SSDの搭載比率を現状よりも引き下げることを計画しているという噂もあります。これも、ひとえにSSD搭載パソコンの販売不振が理由のようです。ようするに、現状のSSDは、まだ高すぎて、SSD搭載パソコンは売れないと判断したということでしょう。

実際、先日、 JEITAが調べた2月の国内の出荷実績が発表されていましたが、出荷台数の伸びと出荷金額の伸び幅に差があります。出荷台数は、前年同月比44.5%増でしたが、出荷金額は24.8%でした。これを見ると高いSSD搭載パソコンの販売が不振だといわれてもまあそうなんだろうなと思ってしまいます。

話をもとに戻しますが、SSDの一般化が2012年という話が出ているのは、そこそこの容量のSSDが手頃な価格になりパソコンに搭載しても問題なく売れる時期がそのぐらいと予想している方が多いということの裏返しです。SSDでもっとも高価な部品は、NANDメモリであり、これが安価にならなければ、SSDは低価格化が見込めません。

現在のNANDメモリは、某リンゴさんが大量に買い付けただけでなく、その需要は旺盛で価格が高止まりしています。本来、30nm世代に移行したことで価格が下がることが期待されましたが、需要が旺盛なため現時点では、大きな変動はみられてないようです。2012年の一般化を予想する方々もしばらくは、この状況が続き、NANDメモリの価格が高止まりするとみているのだと思います。

現在もっとも安価なSSDは、NANDメモリパッケージを4個搭載した30GBクラスの製品でこれが1万円前後といったところです。 技術的なことをいえば、8積層パッケージを使用すると4個のパッケージで128GBのSSDを製造でき、量産が始まった16積層パッケージを使用すると256GBのSSDが製造できます。少量のパッケージでもそれなりの容量のSSDが製造できるので、後は、NANDメモリの価格次第です。早く安価になってほしいものです。

2010年3月14日日曜日

Crucial Real SSD C300とTrim

話題の新製品、Crucial Real SSD C300ですが、販売が始まったことでベンチマーク結果を目にする機会が増えてきました。このため、初期速度については、多くの方が目にする機会が多いと思いますので、ここでは、目線を変えたテスト結果を書きたいと思います。実は、先日、Real SSD C300をちょっとだけ試用したときに、速度落ちのテスト以外にも、Trimについても短時間ながらテストしていました。その結果をレポートします。

テスト内容は、劣化状態のReal SSD C300内に記録されたファイルをすべて削除し、記録速度が購入時近くまで戻るかどうかを調べています。Real SSD C300が、IntelのX25-M(G2)のように、Trimで通知された論理アドレスを元にバックグラウンドで物理消去を行うタイプであれば、これで記録速度が初期状態近くに戻るはずです。Trimそのものは、受け取った情報をどのように使うかはメーカー次第となっているので、このような実験を行ってみました。

テストの手法は、前回記事でReal SSD C300の速度落ちをチェックしたときと同じです。まず、速度劣化した状態のReal SSD C300を強制的に作り出し、書き込んだファイルをすべて削除して、5分弱程度放置した後、HD Tune PRO 4.01のBenchmark(ブロックサイズ64KB)で速度を計測しました。また、テストは、すべてSecureErase後に行っており、Trimの場合は、SecureErase->劣化状態作成->ファイル削除->5分弱放置->ベンチマークという手順で行っています。

結果ですが、グラフをみれば解るように、全域が、ほぼ初期状態の速度に戻っているわけではないもののかなり部分が初期状態に戻っています(初期状態の速度は、PC WATCHを、劣化時の速度は、前回記事をご参照ください)。通常、Trimの情報を用いた物理消去は、バックグラウンドで行われると思いますので、全域が元に戻らなったのは、放置時間が足りなかった可能性も否定できません。しかし、これだけ初期状態の速度に戻っている部分があることを考えると、本製品も基本的に物理消去可能なところに関しては、物理消去をバックグラウンドで行っているとみて間違いはないと思います。


本ブログでは、何度も書いていますが、Trimは、あくまで情報を通知するだけなので、使い方はメーカー次第です。SandForceコントローラを採用したG-Monster2 SFV1のように今回と同じようなテストを行っても大きな変化が見られない製品もありますし、IntelのX-25M(G2)のようにほぼ初期状態まで記録速度が回復する製品もあります。Trimの使用法は、メーカーによってマチマチだと思いますので、今後もこのあたりの調査を継続して行きたいと思います。

2010年3月12日金曜日

SSDの評価は難しい

仕事柄、SSDのベンチマークを取ることが多いのですが、つくづくSSDの評価は難しいと感じます。たとえば、SandForceのコントローラは、データ圧縮技術を採用しているためリードライトに用いるデータによって速度が違いますので、ベンチマーク結果のみを鵜呑みにすることはできません。

また、初期のベンチはよいのですが、やはり、大量のデータの書き込みと削除を繰り返すとSSDなので速度が低下します。しかも、製品によっては、極端な低下がみられます。(あくまでベンチマーク上ですが)。たとえば、話題のSATA Gen3対応のCrucial Real SSD C300という製品もそうでした。先日この製品をちょっとだけテストする機会がありましたが、この製品、初期の速度は非常に高速で、現役トップかもしれません。

しかし、この製品もガシガシ、ファイルの書き込みと削除を繰り返すと速度低下します。速度低下が悪いわけではありません。SSDの場合、これは、その仕様上、しょうがないとさえ思っています。ですが、この部分にメーカー間に差があるのは、事実ですし、速度低下が起きにくいようにしたとして、今度は、寿命がどうなのかが問題になります。速度低下しにくい分、WAが高く、実は、寿命が短かったなどということになりかねないからです。

参考までにデータをお見せします。これは、Crucial Real SSD C300 256GB版に総記録容量の約90%までIntelのTrimテストを行った時の要領でデータを記録したときの速度です。ImpressのPC Watchや日経さんに掲載されている速度と比較すると3分の1ぐらいの記録速度まで低下しています。実際の使用環境では、このようなデータの記録の仕方はないと思いますので、おそらく、ここまで速度が劣化することはないと思います。そういう意味でこの結果は、実用上意味がないものかもしれませんが、ガシガシ書き込みと削除を繰り返せば、このぐらいの速度にまで落とせるということです。


一方、これが、速度劣化が起きにくいとネットでも評判の東芝のHG2 128GB版の結果です。(テスト方法は、RealSSD C300と同じで総記録容量の約90%までデータを記録したときの速度です)SecureErase後と劣化テスト後の両方の結果を見比べてもらえばわかりますのが、速度差が少なく、速度が落ち難いという点に関しては、東芝のSSDの方が優れていると考えても間違いはないでしょう。


東芝のHG2は、ベンチマークこそIntelのX-25Mや今回のReal SSD C300には、明らかに劣っていますが、実際の使用感は、悪く有りませんし、速度落ちも他社と比較して少ないようです。ですが、初期の絶対性能では、明らかに劣っています。これをどう評価するか難しいところです。しかも、このような劣化テストは、実際の使用環境とかけ離れたMinimum性能を計測している可能性もあります。もちろん、Minimumが重要な場合もありますが・・・。

SSDを評価するなら本来、初期速度ではなく、ある程度使った状態の性能を比較したいところなのですが、これを行えるようなベンチマークソフトはありません。速度落ちのテストでは、とにかく時間をかけてひたすら記録するしかないので、かなりの時間を必要としますし、しかも、やりすぎれば、実環境とかけ離れたMinimumを測定しかねませんのでほとほどにしなければなりません。難しいものです。現状では、両極端を調べるのがもっともわかりやすいのでこのような手法をとっていますが、将来的には、もっとちがった方法も模索すべきだと思います。

なお、個人的な製品イメージですが、初期速度は別としてもやはり国内の雄、東芝は、良く出来ていると思います。同じ手法でテストして顕著な速度低下が発生する製品が多い中、速度劣化が少ないのは、やはり、嬉しいのではないでしょうか(速度劣化のテストをして改めてそう感じました)。加えて、開発体制も規模が大きいので製品完成度が非常に高いのもGoodです。(はじめて使った時には、ベンチ結果が悪かったのでやっちゃった感がありましたが・・・)。

また、SandForceのコントローラも当初は、記録速度が以外に速く落ちていくので「なんだこりゃ」感はありましたが、ガシガシ記録と削除を繰り返してもある程度(圧縮ファイルの記録で90MB/sec前後)で速度低下が止まっているようですし、SecureEraseもできるようになったので良く出来ているというイメージが徐々に大きくなってきました。

Indilinxもコントローラの性能的には、悪くないというかむしろ良く出来ていると思います。ただ、開発体制が・・・なのが不安です。IntelやMarvellさんは、特にいまのところコメントはありません。Jmiconについては、微妙です。INITIOは、Jmiconより良いイメージです。eastWhoは、微妙です。PHISONは、ヤバイです。

2010年3月9日火曜日

Linuxを使用したSecureEraseの手順

前回、SecureEraseが行えるSSDの情報を紹介しましたが、新たに判明したことがあるので今回は、その情報の報告とLinuxでSSDをSecureEraseする方法について紹介したいと思います。

まず、最初にお詫びをしておきますが、前回のSecureEraseが行えるSSDの表は、「HDDErase」を使用してSecureEraseを行えるSSDを僕が個人的に調べたものです。SecureErase自体は、Security Feature Command Setに対応したSSDなら基本的に行えるはずですが、マザーボードのBIOSの相性等でHDDEraseを使用したSecureEraseを行えないケースがあります。これらの製品は、Secure Eraseコマンドを発行するために必要なFrozen状態を解除するすべがなく、SecureEraseを実行できないことから「非対応」として掲載しておりました。

今回、HDDEraseでSecureEraseを行えなかったG-Monster2 SFV1(SandForce製コントローラ搭載)でもLinuxの「hdparm」コマンドを使用することでSecureEraseが行えることが解ったので、訂正してお詫びしておきたいと思います。HDDEraseでSecureEraseを行えないSSDでもLinuxの「hdparm」を使用すればSecureEraseが行える可能性があるので、そういう方は試してみることをオススメします。

なお、INITIO製INIC-1811を採用したCFD販売の製品やeastWho社コントローラを採用したGmonsterV4ZIFは、そもそもSecurity Feature Command Setに対応していないので、Linuxを使用してもSecureEraseを行えない点にはご注意ください。
また、JmicronのJMF612を搭載したSSDは、Security Feature Command Setに対応しています。加えて、直近でテストしたCFD販売のCSSD-SM128WJ2(JMF612搭載)は、いつの間にかHDDEraseでSecureEraseを行えるようになっていました。

では、Linuxを使用したSecureEraseの手順を紹介しておきます。
検証に使用したLinuxのディストリビューションは、「ubuntu 9.10 JP Remix」です。
これを光ディスクに焼き、光学ドライブから起動してSecureEraseを行いました。
SATAの動作モードは、IDEモードで行っています。AHCIモードも試しましたが、なぜかG-Monster2 SFV1がubuntuに認識されませんでした。テストに使用したマザーボードは、ASUS社のP5Qです。
注意)作業は、コンソールを開いて行い、root権限で作業を行う必要があります。ubuntuでは、「sudo」コマンドを先頭に付けるとroot権限でコマンドが実行されますので、すべて先頭に「sudo」コマンドを付けています。他のディストリビューションで作業するときは、注意してください。

2010/3/10追記
G-Monster2 SFV1以外の製品を上記手順でSecureEraseしてみましたが、SSDを抜き差ししたあとLinuxで認識されないケースがみられました。その場合は、eSATAを使ってみると解消できる可能性があります。ICH等の内部ポートだけでなく、eSATAポートでも試してみてください。

手順1
端末(コンソール)を開きます。端末は、[アプリケーション]-[アクセサリ]-[端末]で開けます。

手順2
コマンドプロンプトで「hdparm -I /dev/デバイス名」と入力します。
デバイス名が分からない時は、 [システム]-[システム管理]-[ディスク・ユーティリティ]と開くことでデバイス名を確認できます。通常、「sda」「sdb」「sdc」などのように「sdX」ではないかと思います。

手順3
SSDが「not frozen」になっているかどうかを確認します。
「not frozen」になっていない場合は、SecureEraseを行えないので、そのままSSDをホットプラグで抜き差し(ケーブルの抜き取り差し込みでもかまいません)して、再度、手順2を実行し、「not frozen」になっているかどうかを確認します。


手順4
パスワードを設定します。
hdparm --user-master u --security-set-pass password /dev/デバイス名」と入力します。「password」の部分は好きな文字列を入力してください。設定したパスワードの情報が表示されます。
手順5
再度、コマンドプロンプトで「hdparm -I /dev/デバイス名」と入力し、Security項目の上から2番目の「enabled」の左横に「not」の文字がないことを確認します。
手順6
time hdparm --user-master u --security-erase password /dev/デバイス名」と入力します。「password」の部分は、手順4で設定したパスワードを入力してください。
手順7
再度、コマンドプロンプトで「hdparm -I /dev/デバイス名」と入力し、Security項目の上から2番目の「enabled」の左横に「not」の文字が付いていることを確認します。以上で、SecureEraseは終了です。

2010年2月24日水曜日

SecureEraseの対応状況のまとめ

SecureEraseは、SSDを購入直後の速度に戻してくれる機能として有名ですが、現在発売中のすべてのSSDがこの機能をサポートしているわけではありません。僕は、仕事柄、多くのSSDを試用してきましたが、必ず、SecureEraseを使用できるかをチェックしているので、これまで試用したことがあるSSDのSecureErase対応状況を今回は、まとめて置きたいと思います。購入時の参考にしていただけたらと思います。

メーカー名コントローラ名対応状況備考
JmicronJMF602非対応CFD販売 CSSD-SM60NJで確認
JMF612非対応(注)G-monsterV5Jで確認
JMF612対応(注)2010/3/8追記、CSSD-SM128WJ2で確認
IntelPC29AS21BA0対応X25-E、X25-M、X25-Vともに対応
SamsungS3C29RBB01対応MMDOE56G5MXPで確認。その前の世代もOK
TOSHIBA????対応HG2、SG2シリーズともに対応
INITIOINIC-1811非対応CFD販売 CSSD-SM32WINで確認
SandForceSF-1500?対応(2010.3.10追記)Gmonster2 SFV1で確認。Linuxでhdparmを使用することで可能。(2010.3.10追記)
IndilinxBarefoot対応OCZ、PhotoFast、NANAMicronなど各社で確認
eastWho????非対応GmonsterV4ZIFで確認

SecureEraseの対応状況は、上記のような感じですが、基本的に大手PCメーカーにOEMで採用されている3社(Intel、東芝、SAMSUNG)は、初期からすべての製品で対応しています。これらの製品は、HDDEraseを使用することで簡単にSecureEraseを実行できます。

また、Indilinx製のコントローラを採用したSSDは、SecureEraseを行うことは可能ですが、少なくとも僕の環境では、HDDEraseでSecureEraseを実行するためにHDAT2というソフトも併用する必要がありました。具体的には、以下の手順で僕は、SecureEraseを実行しています。
  1. SATAの設定をIDEモードのCompatibleで起動
  2. HDDEraseを実行
  3. SecureEraseを実行するSSDを選択し、メニューに沿って「y」を選択し、ハードリセットする
  4. 再起動後、HDAT2を実行
  5. SecureEraseを実行するSSDを選択し、DCO(Deviece Configration Overlay)メニューを選択
  6.  メニューから「Restor」を実行
  7. HDAT2を終了
  8. 再度、HDDEraseを実行
なお、上記の表からも解るようにJmicron、eastWho、SandForce、INITIOの2社のコントローラでは今のところSecureEraseを行えません。 これらの製品でも本当は、メーカーのチェック用にSecureErase相当のベンダーユニークコマンドがあると思うのですが・・・。まあ、普通は、そんなコマンドが公開されることはないと思います。Trim対応の製品では、ファイルのオール削除やパーティションの再作成等で初期速度に戻ることを期待したいところです。Trimの挙動については、近く、ある程度まとめたものを公開したいと思います。

2010/3/8 追記
Jmicron社のJMF612を搭載したCFD販売のCSSD-SM128WJ2(Trim対応、FirmVer 091117)では、HDDEraseでSecureEraseを行えることを確認しました。Trim非対応だったG-MonsterV5Jやジングルの製品では、HDDEraseでSecureEraseを行えませんでしたが、いつの間にか使えるようになっていたようです。もしかしたら、Trim対応のJMF612搭載SSDならすべてSecureEraseが行えるのかもしれません。

2010/3/10 追記
SandForce(G-Monster2 SFV1)でのSecureErase対応を確認しました。
この製品は、元々コマンドには対応していたのですが、僕の環境でHDDEraseによるSecureErase実行をこれまで確認できませんでした。SecureEraseを行うためには、Frozen状態を解除しなければならないのですが、これの解除ができなかったのが原因です。
ですが、本日、この解除方法を見つけたので、更新を行いました。結論からいけば、Linuxのhdparmを使用することで本製品でもSecureEraseが行えることを確認しました。詳細手順は、別稿で紹介しますが、ポイントは、Linux起動中にSSD(G-Monster2 SFV1)をホットプラグで抜き差しすることです。これでFrozen状態を解除でき、SecureEraseを行うことができます。動作の確認を行った環境は、マザーボードがASUSのP5QでSATAの動作モードはIDEモード。OSは、ubuntuを使用しました。

2010年2月16日火曜日

Gmonster2 SFV1(SandForceコントローラ)の使用雑感

先日、SandForce社のコントローラを採用したSSD「Gmonster2 SFV1」をテストする機会がありました。Crystal Dsik Mark等の結果は、すでに公開されていますので、それ以外の点についてちょっとしたテストを行った結果をレポートしたいと思います。
SandForce社のコントローラは、ご存知の方の多いと思いますが、4KBのランダムライト速度がIntelのX25シリーズを超える速度を実現しているため注目を集めています。(それ以外の速度も速いですが)現在トレンドとなっている外部キャッシュ用のDRAMを搭載していませんが、データを「圧縮」して記録するという他社製品には見られない独自の工夫を施しているようです。

記録するデータを圧縮すれば、実際に書き込むデータのサイズが小さくなり、物理的に記録するエリアが少なくてすみますので、書込み回数自体を削減でき、耐久性が向上することはいうまでもありません。

また、本製品は、予備領域も他社の製品よりも当初から多めに取られている点も長寿命化に貢献しています。本製品は、SAMSUNG製の64GbitのNANDメモリを全部で16個搭載していますが、100GB版の記録容量は約93GBほどです。つまり、約35GBのエリアは、当初から予備領域に使われているということになります。この容量は、他社の128GBのSSDの4から5倍ぐらいを割り当てられていることになり、データを圧縮していることも加味するとかなりの寿命が予想できます。というか、普通に考えても一般的な128GBのSSDより、圧倒的に長寿命であることが想像できます。

次に本製品が、本当にデータ圧縮を使っているかどうかをファイルのコピー速度を計測することでチェックしてみました。使用したデータは、すでに圧縮済みのファイル、すべてのデータが「0」のALL0データファイル、さらにランダムなデータのファイルの3種類です。これらのファイル10GB分のコピー時間を計測しました。結果ですが、グラフを見れば解るように、圧縮率が非常に高くなるALL0のデータは、転送時間も短く、240MB/sec強の速度が出ています。一方、すでに圧縮済みのファイルは、その半分以下の速度しか出ていません。更にランダムデータに至っては、23MB/sec弱しか速度がでませんでした。


もっとも遅かったランダムデータについて補足説明しておきますが、実はこのファイル、100MBのサイズのファイルをZIPで圧縮するのに、Core2DUO E8600のパソコンで4分30秒近くかかるという圧縮に非常に時間がかかるファイルです(ファイルサイズは、元の35%程度まで圧縮されます)。本製品は、パソコンを使っても圧縮に時間がかかるファイルに関しては、やはり、記録速度も低下するようです。以上のことからみても、本製品が、データ圧縮を行っているというのは、間違いないと思います。また、データ圧縮を行っているということは、ファイルによって記録速度が異なることになります。これまでのSSDは、どんなファイルを記録してもそのサイズ分必ず物理エリアを使用していましたが、本製品では、それが当てはまりません。

テストしていてTrimの使い方にも疑問を感じました。本製品もTrim対応となっていますが、少なくともIntelのX25-MのようなTrimの使い方を行っているようにみえませんでした。つまり、Trimによって得た情報により、消去可能な物理ブロックを予め消去しておくことで記録速度を戻すということを行っていないようにみえるのです。実際にこの点が気になったので、X-25MのTrimの効能でチェックした時と同じ手法で、320回データを記録した後の速度とパーティションを再確保、フォーマットしたときの速度と比較してみましたが、やはり、速度に変化がほとんどありませんでした。というか、グラフに変化がほとんどありません。

本製品は、SecureEraseにも未対応のようでHDDEraseを使うことはできませんでした。Trimについては、必ず、こう使わなけばならないという規定があるわけではないので、特にこの仕様でも問題はないのですが、SecureEraseができない点は、少々残念です。

2010.3.13
修正が遅くなりましたが、Linuxでhdparmを使用すれば、G-Monster2 SFV1でもSecureEraseを行えることが分かりました。G-Monster2 SFV1(SandForceコントローラ搭載)をSecureEraseしたいときは、ここの手順を参考にしてください。

2010.3.17追記
その後、HDDEraseでも起動後にドライブの電源をいれることでFreeze Lockをバイパスでき、SecureEraseを行えるという報告がありました。SecureEraseをHDDEraseで行いたいときは、この方法を試してみてください。

2010年2月11日木曜日

東芝の廉価版SSD「SG2シリーズ」の詳細スペック

SSDは、毎月のように新製品が登場していますが、国内の大手メーカー東芝からも、廉価版SSD「SG2シリーズ」の出荷が始まっています。今回は、この製品の詳細スペックが解ったので紹介したいと思います。

SG2シリーズは、IOデータが現在販売しているHG2シリーズの廉価版的位置づけのSSDです(すでに製品情報が、東芝セミコン社のホームページに掲載されています)。SG2シリーズは、Intelが発売している40GBのSSD「X25-V」と同系統の製品で、HG2シリーズをスペックダウンすることで低価格化を行った製品となっています。ただし、Intelのように上位機種(X-25M)と同じ基板で搭載NANDチップ数が減ったSSDというわけではありません。搭載コントローラは、HG2シリーズとは異なる新しいコントローラで今年に入って発表されたHG3シリーズと同系統のもののようです。

SG2シリーズは、セミコン社のページの写真からも解るように非常に小さな基板で設計されています。外部キャッシュは、HG2シリーズの半分の「64MB」。NANDメモリの搭載数は4つで、最新の32nm世代のNANDメモリを採用しています。

また、SG2シリーズの並列チャンネル数は、NANDメモリの数から解るように物理的には「4ch」ですが、公称リード速度180MB/sec、ライト50MB/secを実現しています。NANDメモリ4つでリード180MB/secという速度は、単純計算するとメモリ当たり45MB/secも速度がでていることになりますが、これは、インターリーブを使用して速度を稼いでいるようです。

現在のNANDメモリは、「チップ」を積層することでパッケージ当たりの容量を増やしています。たとえば、SG2シリーズでは、2.5インチ型のSSDとして30/62GB版が準備されていますが、どちらもNANDメモリは4チップ構成で違いは、搭載NANDメモリのパッケージ内のチップ積層数のみとなっています。つまり、30GB版は、4GB(32Gbit)のチップを2積層したパッケージを採用し、62GB版は、4積層したパッケージを採用しているということになります。SG2シリーズでは、チップ単体では、リード20MB/sec強、ライト10MB/sec前後しかでないところをパッケージ内に積層されたチップをインターリーブで使用することでリードで40MB/sec強の速度がでるようにしているということのようです。

実は、IntelのX-25Vにしても少ないNANDメモリの数でやたらと速度が速いなと以前から思っていましたが、その速度の秘密はインターリーブにあったようです。IntelのX25-Vの場合は、物理的には5ch並列ですが、インターリーブを使用して200MB/sec弱というリード速度を稼いているのではないかと思います。また、SSDの場合、容量によって速度が異なる製品がみられますが、これらは、もしかしたら、インターリーブが関係しているのかもしれません。

なお、SG2シリーズは、Trim対応ですが、NCQには対応しておりません。

SG2シリーズは、すでに量産出荷中で、NECのノートパソコン(LaVie Gシリーズ)や富士通のLoox Uなどに搭載されています。また、すでに一部で話題になっていますが、KingstonのSSD Now Vシリーズの最新製品(Trim対応の30GBのSSD)がSG2シリーズを採用しているようです。

今買うなら、NECのLaVie Gシリーズがオススメです。NECダイレクトでしか購入できませんが、SG2シリーズの62GB版をなんとプラス「8400円」でつけることができます。普通に買うより絶対安いので価格的にはかなり良いと思います。ただし、LaVie Gシリーズでは、2.5インチ版ではなく、mSATA版のSG2シリーズを使っているようなので、後で使いまわすときには苦労するかもしれません。その点には、ご注意ください。

2010年2月4日木曜日

PCH(P55 Express)のRAID5の性能について

最近のマザーには、多くの場合、チップセット内蔵のRAID機能が搭載されていることが一般的です。(まれにRAID機能がないこともありますが・・・)今回、仕事でP55 ExpressのRAID5をチェックする機会があったのでその感想などを書きたいと思います。

まず、何はともあれ、ベンチマークの結果から見てもらうと何が言いたいか僕の気持ちが解るでしょう(笑)。左のベンチは、Barracuda XTを4台使ってオンボードのPCH(P55 Express)で、ストライプサイズは128KB、ライトキャッシュは初期値のオフでRAID5を構築したときのベンチ結果です。リードは、それなりの速度になっていますが、ライトがいただけません。シーケンシャルで46MB/secしかでていません。激遅です。これは、使えないというのではないでしょうか。

マトリックスストレージマネージャーを使って、RAIDボリュームのライトキャッシュをオンにすると、ライト速度が170MB/secに高速化されますが、それでもまだ、遅めです。おまけのチップセット内蔵機能なのでこの程度という話もあるのでしょうが、それにしてももう少しなんとかならないのかという気がし ます。

最近のCPUならパワーも余っているので、RAID5のパリティ計算をCPUで行っても多少速度が遅くなってCPU負荷率が上がる程度で 問題ないだろうぐらいに当初僕は考えていました。しかし、僕の考えは甘かったようです。パリティ計算を専用チップで行う本物のハードウェアRAIDカードならRAID5で使ってもRAID0と大差ない速度がでる製品もありますので、やっぱり、ICH/PCHのRAID機能はおまけなんだなと思います。使うにしてもRAID0やRAID1が精一杯でRAID5をちゃんと使いたいならやっぱりハードウェアRAIDが一番だと感じました。

2TBの壁

久しぶりの更新です。
SSDの話でもと思いましたが、今回は、見かける機会が増えてきた「2TBの壁」について書きたいと思います。この問題は、以前から言われていましたが、3.5インチHDDのプラッタ容量が次世代で750GBに達することからいよいよ現実的となってきたので、どのような制限がでるかを簡単に説明したいと思います。

2TBの壁は、主にMBR(マスターブートレコード)の制限から発生しています。他にも、リードライトコマンドの論理アドレス指定の問題もあります。
MBRは、情報を32bitで管理しており、2の32乗個のセクタ数しか管理できません。現在一般的なHDDでは、1セクタ512バイトなので、これで計算すると2TB未満(2TBちょうどはダメです)までしか管理できないということになります。これが2TBの壁と言われているものです。

ちなみにセクタサイズを512バイトから4KBへと変更したBigSectorに対応のHDDの販売も始まっていますが、現在の製品は、エミュレーションデバイスと呼ばれる製品です。これは、内部を4KBセクタで管理しているもののホストに対しては現在一般的な512バイトセクタドライブと同じに見えるようにしたものです(SSDみたいなものですね)。このため、512バイトセクタのHDDと同じように使用できる反面、制限もそのまま引きずります。純粋に4KBセクタで管理するネイティブデバイスもそのうち発売されると思いますが、512バイトセクタを前提にしたソフトウェア等の存在もあり、互換性維持のためエミュレーションデバイスから販売が始まりました。

では、2TBの容量を超えたドライブはどのようにして管理すればよいかというと、「GPT(GUIDパーティションテーブル)」という管理方法がすでに準備されています。
GPTは、WindowsXP 64bitからサポートされており、WindowsVistaやWindows7でも対応しています。これを使用することで、2TBを超えるドライブを管理できるようになります。ちなみに、Windowsで2TBを超えたドライブをMBRで管理しようとすると、2TB未満の領域のみ使用できます。2TBを超えた部分は、未使用のまま使用できなくなります。

また、2TBを超えたドライブをOSの起動ドライブとして使用する場合にも問題があります。GPTで管理されたドライブからのシステムの起動は、「EFI」BIOSを採用したマザーとEFIからの起動をサポートしたOSが必要です。WindowsならVistaの64bitとWindows7の64bitが対応しています。

より詳細な、情報を知りたい方は、まとめサイトがあるので読まれることをオススメします。

2010年1月27日水曜日

SATA AN(Asynchronous Notify)とは

3回にわたってSATAのパワーマネージメントについて書いたので、最後に「Asynchronous Notify(AN)」について紹介します。これまた、地味な機能なので、おそらく、今後も話題になることはないかと思いますが、まあ、こういう機能もあるということで紹介します。

Asynchronous Notify(AN)は、SATAのオプション機能で、光学ドライブ向けの機能です。この機能単独では、省電力効果はありませんが、LPMと組み合わせることで光学ドライブの消費電力を削減できます。この機能もサポートが始まっており、WindowsVistaは非対応でしたが、Windows7ではサポートされているようです。OSサポートも始まっているので、SATA接続の光学ドライブを搭載したノートPCを中心にこの機能は、標準機能となることは間違いないかと思います。

ANは、2つの機能から成り立っています。ホスト側は、特定時間が経過したらWindows(OS)から定期的に送られくるポーリングコマンドを遮断すること。ドライブ側は、メディアを交換したり、新しいメディアをセットしたときなど、ドライブ側でイベントが発生したことをホストに通知することです。

WindowsなどのOSでは、 光学ドライブにメディアがセットされたことを知るために定期的にコマンドを送り、常にドライブの状態を監視しています。これは、Windowsに実装されている光学ディスクの自動実行機能を実現するためです。つまり、光学ドライブに定期的にコマンドを送ることによって、メディアのセットをOSが検知し、ソフト等を自動的に実行しているというわけです。

この機能、使う上では便利なのですが、SATA LPMを使おうとすると問題がでてきます。定期的にコマンドが送られてくるのでその都度、省電力状態から強制的に復帰されてしまうのです。特に光学ドライブのアクセス頻度は、起動ドライブ(HDDやSSD)などとは、比較にならないほど少ないので、ポーリングコマンドによる無駄はかなり大きいことが想像できます。

ANは、これを回避しつつ、OSの自動実行機能を使えるようにした機能です。ANを使用すると特定の時間が経過したら、定期的に送られるポーリングコマンドを遮断されます。これによって、光学ドライブがポーリングコマンドによってLPM状態から復帰させられることがなくなります。また、光学ドライブにセットされたメディアを交換したり、新しいメディアをセットした場合は、光学ドライブがそれをホストに通知することでLPM状態から復帰し、ポーリングコマンドの送信が再開されるので、OSの自動実行機能を損なうこともありません。ANを使用すると、これまでどおりの使い勝手のまま光学ドライブでLPMを最大限活用できるようになるというわけです。

ANは、その機能に対応した光学ドライブと対応ドライバが必要になります。
Windowsで使用する場合は、Intelの純正ドライバ(IaStor.sys)が対応しています。LPMの設定で説明したレジストリ設定を参考に「AN」をEnableにすることで使用できます。
また、Windows7については、初めからANが有効になっているのかどうか不明です。MSから対応という資料が出ているので、対応しているのだと思います。

2010年1月26日火曜日

SATA LPMについて 追記

前回前々回とSATA LPMについて説明しましたが、使用しているドライブがSATA LPMに対応しているかどうかを確認する方法を書いていなかったので、追記しておきます。

SATA LPMの対応は、例によってIDENTFY DEVICEの情報を確認することで行えます。IntelのSSD Toolboxを使うと簡単に確認できます。
HIPMは、Word76 Bit9の値を確認します。ここが「1」に設定されていれば、HIPM対応です。

DIPMは、Word78 Bit3をみます。HIPM同様にここが「1」に設定されていればDIPM対応です。

DIPMの場合は、この機能が有効に設定されているかどうかも確認できます。Word79 Bit3を参照し、ここが「1」に設定されていれば、DIPMが有効になっています。(画面は、「0」で無効になっています)

また、DIPMのサポートの確認画面(Word78)のBit6に「Software Setting Preservation(SSP)」と呼ばれる機能のサポートの有無があります。この機能は、LPMから復帰したときの通信再開時の手順を簡略化する機能です。簡単にいうと転送モード等の情報を覚えて置き、通信再開時のイニシャライズ手順を省くことですぐにデータ転送を再開する機能というわけです。

最後に前回、オススメのSATA LPMの設定例を紹介し忘れたのでそれも紹介しておきます。
SATA LPMを使用する場合、もっとも省電力効果が高いのは、できるだけ短時間でSlumberに落とすことです。このため、パフォーマンスを多少犠牲にしてもとにかく、ノートPCをバッテリーでなるべく長時間使用したいという場合は、HIPMでいきなりSlumberに落とすことがもっとも省電力効果が高くなります。HIPMでは、最終コマンド処理後にすぐさまLPM要求が送られますので、特定の時間の経過をまってLPMの移行要求を行うDIPMよりも短い時間で省電力状態に移行します。しかも、復帰までに時間がかかるSlumberですから、省電力効果はもっとくも高くなります。

速度と消費電力のバランスを考えた場合は、HIPMとDIPMの両方を有効にするか、HIPMのみで使用し、HIPMでは、Partialを要求するようにしておくのが良いと思います。このようにしておくと、最初のLPMの要求は、HIPMにて行われることになります。しかも、復帰時間が短いPartialですからパフォーマンスに与える影響は少なくなります。また、DIPMもオンにしておくと、Slumberの移行要求は、ほとんどがDIPMで行われることになります。つまり、アイドル時間が長くなるとDIPMによってSlumberにも落ちます。PartialとSlumberが効率良く出てくるようになりますので、もっともバランスが良いと思います。ちなみに、HIPMのみでは、ほとんどSlumberへの要求が行われません。

パフォーマンス重視の場合は、いうまでもなく、LPMをオフにするとよいということになります。LPMをオフに設定すれば、復帰までにかかる時間は0ですので、パフォーマンスは最大です。